桜の木の下で(16)
[杏花]:「ありゃ、お友達? それとも……コレ?」
[春美]:「さあ、どっちだろうな」
[杏花]:「ふうん、じゃあ勝手に想像しちゃおう。――あ、そうだ。明日もここに来てくれたりしない?」
[春美]:「何で俺がそんな約束をしなきゃいけないんだよ?」
[杏花]:「だって、せっかく再会したんだし、こっちの世界に来て初めてお話できた人なんだもん。友達になりたいじゃない」
[春美]:「再会? 俺はお前のことなんか知らねぇよ」
[杏花]:「じゃあこれから知ってけばいいよ。それがお互いのためになると思うし」
[春美]:「お互いのためって、お前のためにの間違いじゃないのか」
[杏花]:「いいからいいから。じゃあ、また明日。ここで待ってるからね~」
[春美]:「な、おいっ!」
杏花、走ってはける。入れ替わってあやめ、登場。
[あやめ]:「何してたの?」
[春美]:「あ、いや……」
[あやめ]:「しゃべってたみたいだけど、何かあったの?」
[春美]:「いや、その……」
[あやめ]:「体の調子でも悪いの?」
[春美]:「いや、そういうわけじゃない」
[あやめ]:「ならいいんだけど。何かあったら言ってね? 協力するから」
[春美]:「ああ」
[あやめ]:「じゃあ、戻ろう。二人が待ちくたびれちゃってるから」
[春美]:「分かった」
二人が退場。
入れ替わって杏花が再登場。杏花、二人の背中をしばらく眺めてから袖へはける。
暗転




