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『ちゃんと愛してたのに』  作者: 設楽理沙


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7/13

7 ◇再会

7 


 両親は比較的若く結婚をしているため、彼らはまだ60才を迎えていない。

 父親は、来年あたりぼちぼち定年退職を迎えるかもしれない。


 我が家には先祖代々受け継がれている田畑があるので、母親は専業主婦の

合間に家族が食べる分だけの畑をやり、他は若い夫婦に貸し出している。


 なので、私もリハビリを兼ねてほぼ毎日母親と畑に行き自然の恩恵を受けている。


 母の手料理はほぼ和食である。


 たまには、美味しいパスタやグラタンが食べたいとの要望があり、買い出しに

行くことにした。


 どうせならと、拘りの無添加食材を求めて、遠出することになった。


 店を3店舗ほど巡り、駐車場に向かっていた時のこと。





 懐かしい人から声を掛けられた。


「真理恵──」


「えっ」

 声の主の方を振り向くと……


 元カレの柳田斗真(やなぎだとうま)だった。


 高校生の頃の同級生だ。

  

 めったに来ることのない店で再会するなんて──

どういう確率なのだろう。


 10代の頃の恋(人)に再会し、思い切り郷愁にかられる。


「恋をして胸をキュンキュンいわせていた相手」



「懐かしいなぁ~。どうしたの? こっちへは休暇か何かで?」


「柳田くんこそ、どうしてここにいるの?  もしかしてUターン組?」


「まぁ、いろいろあってね。今は骨休みしてるとこ。時間あるならちょっと

話でもしない?」



「うん……」


 柳田くんは、ちゃんといい感じに大人の男になっていた。


 私が彼と別れたのは、自分の弱さからだった。

 そして、彼を信じる切ることができなかった己の不甲斐なさからでもあった。


 当時、彼に言い寄る同級生がいて、あまりにも彼女の言い分を信じすぎたせい。


 私は悲しみのあまり、それほど好きでもなかったのに、言い寄ってきた他の男子と

付き合うようになった。



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