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『ちゃんと愛してたのに』  作者: 設楽理沙


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11/13

11 ◇復讐

11 ◇復讐


 そんな感じで柳田くんと別れたあと、私は職を探しつつ母親と毎日のように

畑に出て、自然の中で野菜を育てた。


 夏の野菜が半端なく収穫できる。

 キュウリに茄子、オクラ。

 油断しているとキュウリとオクラは凄いことになってしまう。

 ものすごく大きく育つのだ。


『ほどほど』という言葉があるけれど、キュウリとオクラの育ち具合に

当てはまる。


 ほどほどに成長したところで収穫せず、放置してしまうととんでもないことに

なってしまう。


 時々、やさしくさわっと流れてくる風に心地良さを感じながら、畑仕事に

勤しむ日々を送っていたある日、柳田くんからほんとうに連絡が入る。


 そんなに頻繁にっていうほどでもないけど、それからも時々彼と会った。


 そして秋も深まった頃、私たちは紅葉を観賞するため、メタセコイア並木が

黄金色に染まる並木道のある公園に出向いた。


 ここは、ロマンチックな散歩デートを楽しみたいカップルに最適と言われてる

場所になる。


 普通に話をしていただけなのに、突然柳田くんが足を止めて真顔で話を

してきた。


「あのさ、俺──真理恵と会うのこれを最後にするつもり。

 もう会わない」



          ◇ ◇ ◇ ◇


 私は、彼の意図を探った。彼の表情、その瞳、どこからも意図は読めない。

 ただ、怒りは感じなかった。


 すぐにあの言葉が降ってきた。



>『私は心のどこかで知っている。私の犯した愚かな行為は、そう簡単には

赦されるものでもないということを』


 すぐにわかった。

 これは、あの日の意趣返しなのかもしれないということを……。


 やはり、彼は私の言動を許すなんてことできていなかったのだ。

 そして、できればどこかで仕返しをしてやりたいと思っていたのだ。



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