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『ちゃんと愛してたのに』  作者: 設楽理沙


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10/13

10 ◇離婚理由は不倫

10 ◇離婚理由は不倫




「ところでさ、もう結婚してるよね?」


「過去形かな」


「もしかして、そこもリンクしてるのかぁ~。俺もさ一度結婚してた。

 だけど、離婚を機にこっちに戻ることにしたんだ。

 離婚の理由聞いていい?」



「夫の浮気っていうか、不倫ね。ちなみに、柳田くんは?」


「そこも同じで驚くわ~」


「奥さんが浮気したってこと? 

 何か偏見かもしれないけど、女性側の浮気ってすごいね」


「だよね。俺が浮気するっていうんならまだしも、母親も同じようなこと

言ってたわ」


「……」


「な、これからも時々会わない? LINE交換しとこうよ」


「うん。いいよ」



 ◇ ◇ ◇ ◇



 郷里に帰り、住まいから離れた場所で懐かしい人に会い、過去の(わだかま)りが解けて

心の中に、静かな安堵が広がっていった。


 そう──ずっと、心の奥底に沈んでいた重しが取れて、心がふっと軽く

なったのだ。


 でも私は心のどこかで知っている。


 私の犯した愚かな行為は、そう簡単には赦されるものでもないということを。


 だって、自分なら、表面上どのように取り繕っても心の中では、永遠に

根に持ちそうだからだ。



 彼の心の深層を覗けないことが唯一の救いなのかもしれないと思った。


 だからそれに乗じて、今は彼の言葉を信じることにしよう。

 ごちゃごちゃ小難しい心理はうっちゃっておこう。


 もう、心の奥底に重しを沈めておくのはいやだ。


 それに、本当に連絡がくるかどうかもわかんないことだし。


 だけど、社交辞令であったにしても、彼からやさしくされ再会をうれしく

思えたことは、素直にHAPPYだと思えた。


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