黙示録戦争。その1「女神アテネの無謀」
『地獄にとーちゃーく!』
『アテネよ。お前の超神速の能力マジで凄えな!少し引いたわ』
『うふふふふ。そうでしょう?天界にも報告していなかった私の隠し球なのよ』
進軍は相手に余裕を与えずスムーズに!との兵法通りに超神速を持って地獄へ侵攻を開始した「チーム・ハルモニア」は悪魔が集結している3次元と4次元の狭間に存在している地獄の第一圏 辺獄の前哨基地を攻略中。
余談ですが天界は4次元に存在しています。まあ要するに地獄も天界も「天の川銀河系からめっちゃ遠い場所に存在している世界」と思ってくれれば良いかと思います。
とは言えこの場に居るのは女神アテネとアスラ神族の面々のみ・・・他の奴らどしたん?
戦いの神々(武力馬鹿共)の進軍スピードに龍種とヘビモスの様な大型生物や一応現世の住民たる魔王バルドルが率いる真魔族軍が追い付ける訳もなく地獄へ到着するのはまだまだ先である。
『ぐぬぬぬ・・・何でアテネ様だけブッチしてんですかぁ?!』
最初の話しではアテネ、ディオーネ、ハルモニアの三女神が先行して龍を主軸とした本隊を転移させる転移陣を設置して行く予定だったのだ。
アテネの独断専行を怒っていると言うより「細かい作業をしているより私もアテネと一緒に行きたかったぁー!」って感じのハルモニア。
『知らないわよ!私が聞きたいですわ!何なのアレ?』
実はかなりアテネの力をアテにしていたディオーネ。
ちなみにハルモニアはこの手の作業は苦手で(頭の良し悪しではなく適正の問題)アテネとディオーネが構築した転移魔法陣のエネルギー供給をするだけの係だった。
1人で2人分の作業をやる羽目になったディオーネはめっちゃブツブツ文句言いながら魔法陣をカキカキしている。
こんな感じにアテネに置いて行かれた女神達・・・
本隊の到着は女神ハルモニアと女神ディオーネが先行しながら各所にせっせと用意して来ている転移魔法陣を駆使しても2ヶ月後となります。
なので総大将のハルモニアも副将のディオーネも参謀の魔王もお目付け役の龍とヘビモスも現在は不在なのです。
場面を地獄に戻しましょう。
『うふふふふふ。これでお目付け役のハルモニアちゃんとディオーネ様が来るまでやりたい放題出来るって訳ですよ。
ヴリトラ君?これから何が起こっても内密にね?』
いや?あの?「一応」は母さんは見てますけど?!アテネちゃん達だけで何をするつもりなのですか?!
こんなお母さんでも一応はティーターンの高位神よ?!大神なんですよ?
強制的にアテネちゃんを止める程度の権力は擁してますよ!
・・・アテネちゃん聞いてますか?ねえ?聞こえてますよね?
都合が悪くなるとお母さんの事を無視するのは良くない癖ですよ?
『お母さん、聞いてますよ。「一応」ね』
最初からお母さんの言う事を聞く気が皆無なのですね?!どうして他の神のお話しを聞かないのですか?!
『えー?そりゃまあ、「お母さんの娘」ですからね。子供の頃にお母さんから「都合の悪い事は無視するべし」と学んでます』
説得力が半端ないですね!今の説明にお母さんは妙に納得してしまいましたよ!
『くくくくくく。規律に煩いハルモニア姐御と天空の大神が居る本隊の進軍速度とヘスティア先生の方向音痴を考慮しての緊急参戦か。
汚ねえな・・・汚ねえぞアテネ。でも最低で最高だぜ。こりゃ確かに暴れ放題だな』
今回の事で初めて知ったのですが女神アテネの『超神速』のスピードはヘスティア先生の『超神速』も超えます。おそらく「天界で1番早い」と思われます。
母親のわたくしの超神速ですか?そりゃゴミですよ。「天界で1番の遅速」かも?
わたくしの場合はですね?身体の構造的な問題で・・・控えめに言っても一歩一歩の歩幅がね・・・とても短いんです。
いや別にダックスフンドの様な短足と言う訳ではないですよ?
スタイルは、まあまあ良いんです。
それに驚愕するべきは単独移動しか出来ないヘスティア先生の超神速と違いアテネの超神速は部隊丸ごとでの移動が可能です。
100神くらいなら一緒に連れて行けると思います。
出発と同時にアテネは有無を言わさずアスラ神族を連れて超神速を発動しました。
そして瞬く間に後続を振り切って消えてしまいました・・・
わたくしは娘と繋がってますので視覚の上で何とか追えましたが他の神には何が起こったのか分からなかったのでは?
ちなみに・・・友情参戦のヘスティア先生と原初神達も道先案内神の爆速アテネに置いていかれて隣の銀河系にて「迷子」になってます。
いやああああああ?!?!我が娘よ!何て事をしてくれてんの?!
これまでは影の薄かった軍神アテネの面目躍如です。
アテネの超絶能力と戦いに賭ける執念には母であるメーティスさんもドン引きです。
アスラ神族に向けての「一緒に突貫しよう」って、こう言う意味だったんですね。
そして何の前触れも無く前哨要塞の真正面に展開したアスラ神族と女神アテネを見てパニックになっている悪魔達。
{破壊神の軍勢の展開スピード速すぎねぇか?!進軍して来る予兆すらなかったぞ?!}
迫り来る「チーム・ハルモニア」に備えて集まった悪魔が全員総出でで一生懸命に基地の周囲に張り巡らした罠や警報装置を簡単に回避されて悲鳴を上げています。
そりゃ誇張でも何でもなく「軍神の神速」ですからね。
でも実の所は移動速度が早かったのとは別にアスラ神族には「罠解除」のスペシャリスト部隊ってのが居まして、一つ一つ丁寧に罠や警報装置を解除しながらこの前哨要塞まで来たんですね。
神の威厳だの華美とかに一切拘らず戦いに勝つ為には泥臭い地味な仕事でもコツコツとやるのが実に軍神らしい発想ですね。
『そりゃ俺らなんぞ勝ってなんぼの存在だからな。戦いの手段を選ぶなんざ雑魚がやるこった』
『そうそう。軍神なんてのは戦ってなんぼなのよ。偉そうに執務室で仕事している場合じゃないのよ』
こんな感じに軍神達による味方をも出し抜いての完全なる奇襲が成功したのだ。
ちなみに要塞外で活動していた悪魔達は問答無用で討伐済みです。
ようやく「チーム・ハルモニア」の奇襲に気が付いた要塞全体に警報が鳴り響く。
{報告!全面に展開中の敵はヴリトラ神が率いるアスラ神族と・・・オリュンポスのアテネ!・・・アテネ?!何でアテネ?!』
{要塞周辺で警戒装置を構築していた全ての部隊との連絡不能!}
{気分屋のアスラ神族が裏切った事は事前に報告にあったが・・・軍神のアテネじゃとぉ?!
何で敵対していたコイツらがつるんでんの?!てか何で関係ないアテネまで攻めて来てんの?!}
そりゃ混乱もしますよね・・・アテネの緊急参戦は、わたくしだって驚きましたから。
前回、アテネとアスラ神族は初対面から直ぐに意気投合してその「2時間後」には出陣して「24時間後」には、この前哨基地に到着しています。
このスピード感には前哨基地と軍団を率いている「大悪魔アムドゥスキアス」もビックリである。
ちなみにアムドゥスキアス君は第29軍団を率いる序列67番の地獄の公爵である。
『67番目?・・・チッ!雑魚かよ』
『雑魚っすね』
『雑魚ね。雑魚雑魚よ』
『雑魚だな。相手に不足有りだぜ。わざわざ俺様達が出向いてやったってのにサタンはどうしたよ?
高貴なるサタン様達は戦いを部下に任せてビビって家に引き篭もりかぁ?良いご身分だな』
『名前も長えしこれからは「67番君」だな。雑魚いし舌を噛みそうな名前だし』
『やーい。ざーこざーこ』
布陣後の睨み合いの最中に戦さ場においてのお約束通りにアムドゥスキアス君を煽りまくる奇襲部隊。
余談ですが戦国時代の日本でも戦いが始まる前にはかなりの罵り合いをしていたそうです。
時代劇の映画の様に無言のまま整然と布陣している様な雰囲気ではなかったそうです。
お祭りの様に互いに太鼓を打ち鳴らして敵を馬鹿にして煽り倒す踊りをしていたそうですね。
かの有名な「お尻ペンペン」も戦国時代の発祥とも言われてます。
{雑魚雑魚雑魚雑魚うるっせぇわ!一応は儂かて公爵だし地獄ではそれなりに上位だわ!
それに貴様らなどサタン様が出張る程ではないわ!
けっ!破壊神に隠れて影が薄い連中如きが大言壮語を吐くでないわ!}
『おーおー?雑魚のくせに言うねぇ~』
『要するにサタン様はビビってるんだろ?』
悪魔VSアスラ神族&女神アテネによる悪口合戦を経て要塞側が動く。
{サタン様を虚仮にしおってからに!
ええい!先制するぞ!全砲門砲撃開始!城壁に取り付かせるな!}
ドオオオオオオオンンン!!!!ゴオオーーーーン!!!!ズドオーーーーン!!!!ゴオオオオォオンンン!!!!
要塞各所に設置されている大口径要塞砲が奇襲部隊を狙い一斉に火を吹いたのだ。
発射されたのは軍神と言えども直撃すればただでは済まない高次元魔導弾である。
見た目は人間が使う兵器とあまり相違はないが中身が別物なのだ。(正解には人間が悪魔の技術を模倣した)
その威力は地球の最強最終核兵器と言われるツァーリーボンバーなど比較対象にもならない。
その砲弾の一発一発が東京都全域を軽く蒸発させる程度の威力を持っている。
悪魔が何百万年も神々や天使達と正面からやり合っているのは伊達じゃないって訳ね。
バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!!!
強烈な超高圧紫電フレアを発生させながら迫る200発以上の砲弾!
『わお?!いきなり本気じゃん!』
『アホ共め!よっしゃ!狙い通りに来たぜ!!!総員!魔導カウンター!!!!』
しかし当然、アスラ神族も要塞砲への対抗手段など用意済みだ。この一斉掃射後の硬直を待っていたのだ。
『うふふふふ。じゃあ私はアレを掻い潜って城壁の懐に飛び込みますよ』
『え?なに?』
大規模な反射魔法陣を展開するアスラ神族を見てから大きく神翼を広げて必殺の神殺しの弾幕の中に飛び込む女神アテネ!!
さしものアスラ神族と言えど術式展開の硬直中なので誰もアテネを止める事は出来ない。
『いやおい!アテネ?!さすがにあの弾幕はヤベェぞ!!』
『うふふふ。人間達は「死中に活を求める」と言いますからね』
『アホかぁ!それ意味間違えてんぞ!!自殺特攻をするって意味じゃねえよ!!!』
ここにもし女神ディオーネが居たら悲鳴を上げて卒倒しそうな無謀に出る女神アテネ。
アテネは口煩い保護者や上司が居ない内に自分の真の実力を試したいのだ。
ちなみに母親であるわたくしなどはアテネちゃんのこの無謀な特攻行動を見て今にも気絶しそうです・・・・
『ほい、ほい、ほいっと、ほいほい』
しかしそんな母の心配など何のその・・・神翼を巧みに操り自分に迫り来る全ての砲弾を紙一重で華麗にかわしてしまうアテネ。
ボン!ボン!ボンボンボンボンボンボン!ボン!ボンボン!ボンボンボンボン!!
アテネがかわした直後にアスラ神族によって展開された反射防御障壁に弾かれ鈍い音を立てながら次々に大気圏外へと消え行く砲弾群。
「直撃して爆発するのが怖いならソフトタッチで軌道を変えてやれば良いじゃない?」の精神である。
{ソフトタッチ?!そんなんアリかよーーーー?!?!}
{くっそ!次弾の装填急げ!装填次第した順に即射しろ!}
{ダメです!砲身の冷却まで15分!}
大規模な一斉砲撃後の硬直で沈黙している要塞の城塞砲群。これだけの高威力な砲弾の連射はさすがに出来ない様子。
そしてこんなビックチャンスを見過ごすアテネではない。
無謀な正面突破の末のゼロ距離攻撃チャンスである。
『ウフフフフ・・・楽しい・・・楽しいわ!ここまでの殺意を受けたのは生まれて初めてよ!!!来なさいアダマス!』
不敵にニコリと笑いながらそう言うと「終焉を呼ぶ神剣アダマス」を召喚して居合いにて軽く振り抜くアテネ。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
その太刀筋に沿って強烈な光の閃光が走る!
女神アテネによる終焉の神罰が悪魔達に下された。
無礼千万な神殺しの砲弾のお返しとばかりに今度は無音の神罰が要塞に降るのだ!
・・・・・・・いやぁああああ?!なんて怖いブツを天界から持ち出してんのアテネちゃーーーん?!その剣はらめぇーーー!!!!
{要塞の直上に異常な神力を察知!レベル♾️(インフィニティ)の神罰が来ます!}
{!!!!暗黒魔神炉出力最大!!!!対神罰防御障壁全力展開!!!
大丈夫だ!力押しの神罰ならこの要塞でギリギリ防げる!!!}
さすが神相手に数百万年戦い続けた百戦錬磨の地獄の軍団と言った所なのか、アテネからの神罰の内容を冷静に分析して最善手を取る。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
両者に刹那の時間が流れ要塞の上空で突如として超新星が出現したか如くの閃光が走る!
極限ギリギリまで収束された高次元エネルギー同士がぶつかったのだ。
その高次元エネルギーは空間の時間の概念すら対消滅させながら拮抗を保つ。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ここまでの高次元エネルギー同士が激突すると物理現象の「音」すらも完全に消滅してしまう。
完全な無音状態で高次元のエネルギーがせめぎ合う!その破壊力の数値たるや外部からでは測定不能です。
『これは?・・・凄まじいな・・・』
女神アテネの神罰を間近で見たヴリトラ神の声が静寂の中で響く。
『神剣を軽く一振りしただけでこれだけの神罰を下す事が出来るとはな。
女神アテネ・・・奴・・・いや・・・あの方こそが神々の中で最強の存在かも知れぬ・・・』
ヴリトラ神が厳かにそこまで言うと・・・
『ピーーーピピピーーー。神器イージスより!緊急事態発生!緊急事態発生!
女神アテネの全神力の消失を確認。緊急事態です!繰り返します緊急事態ですーーー!!』
『は????・・・神力・・・喪失????』
は????確かに神力喪失って言いましたね?
『皆さん呆けている場合ではありません!女神アテネは行動不能!
繰り返します!女神アテネ行動不能状態です!気絶した状態でこんな高次元エネルギーの奔流に落ちたらアテネ様でも存在消滅不可避ですーーー!!!』
『え????・・・存在・・・消滅?それって文字通り「死ぬ」って事か?』
え????確かに存在消滅って言いましたね?
『えーん!えーん!
再度、神器イージスより緊急救助要請!このままじゃ、ご主人様が死んじゃいます。
誰か助けてーーーーー!!あたし達はアテネ様の落下防止で手一杯なんですー!』
『はああああああああああああ?!?!?!?!』
はああああああああああああ?!?!?!
神器イージスからの緊急救助要請を聞き大慌てでアテネの元へ飛ぶヴリトラ君!
いやあああああ!!!!お願い!アテネちゃんを助けてーーーー!
『こんな高出力エネルギーの奔流の中で神力喪失とか!アイツはアホかぁああああ!!!!』
ヴリトラ君が向かった先には空中で両手両足をダラーンとさせてプカプカ浮かんでいる女神アテネの姿が・・・
プカプカ浮かんでいるのは、どうやら完全に気絶しているアテネがエネルギー帯に落っこちない様にアテネに装備されていた神器各種が奮闘している様子だ。
とても良い子達!!
『おい!アテネ大丈夫か?!・・・・・・・あっダメだこりゃ。完全に目を回してやがる』
気絶しているアテネをお姫様抱っこして急いで自陣の防御障壁内に戻るヴリトラ君。
娘を助けてくれてありがとう!ヴリトラ君!今度菓子折り持ってお礼に行きます!
自陣に戻ったヴリトラ神とアテネだが周囲のアスラ神族は大混乱状態である。
『頭!アテネは一体どうしたんですかい?!』
『へー?気絶しててもアテネって美人さんっすねー』
『気の抜けた事を言ってんじゃねえよ!
今のアテネの状況がどうなってんのか分かんねえ!テメェら!総員撤退だ!アテネの神罰が効いてる内に地獄圏外まで全力で撤退するぞ!』
『?!?!?!・・・おう!』
ヴリトラ神のただ事でない雰囲気に猪武者のアスラ神族も珍しく素直に撤退指示に従う。
アテネは気絶してしまったがアテネの神罰は今だに大絶賛稼働中で要塞を消滅させんと要塞の防御障壁をゴリゴリと削っている。これ以上ない目眩しになるだろう。
こうしてとんでもない攻撃をするだけして奇襲部隊はさっさと地獄の外の3次元空間まで撤退したのだった・・・
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アスラ神族が気絶女神アテネを連れて撤退を開始した頃の要塞側では神罰に対する奮闘が続いていた。
{暗黒魔神炉の圧力が急激に低下!オーバーヒート寸前です!障壁の有効値も残り30%!}
{神罰の余波を受けて各砲の制御装置もオーバーヒートしています!砲台使用不能!}
{残り30%なら計算通り防ぎ切れる!砲座は捨てておけ!全エネルギーを防御障壁に集中させろ!}
{要塞各所では火災発生!消化班急げ!}
総員奮励努力によりアテネの神罰を耐え続けていた。
その努力により・・・
!!!!!!!!!!!!!!!・・・・・・・・・・・・・・・・…………………………………………………………ガガガガガガアアアーーーーンンン!!!!!!!!!
辺獄全体を揺るがす凄まじい轟音が鳴り響く。
{音が・・・・・戻った?}
{なら神罰は終わったのか?}
音が戻ったと言う事はアテネの神罰が終わり空間が元に戻ったと言う事だね。
{障壁の有効値・・・・・残り18%です・・・暗黒魔神炉・・・完全停止}
{18・・・はあああああ・・・・・・女神アテネ。噂通りとんでもない神だな。
地獄最新式の障壁がここまで削られるとは・・・・・・・・・
いや!!!!直ぐに敵の近接攻撃が来るぞ!索敵を急げ!!!}
{迎撃だ!上級戦闘員は各集結地点に集合!少数の奴らなど数の力で押し潰すぞ!}
ようやく要塞の機能がある程度は回復したので近くに居るはずの女神アテネとアスラ神族を探すアムドゥスキアスと配下の悪魔達。
{近くには居ません!・・・・・・・これは?アイツらは地獄の外に出ている?}
{反応が更に遠ざかってます。これは撤退した・・・のか?}
{・・・・・・なぜ外に?今攻めれば我々に取れる手段は少ないだろうに}
{・・・ぬう・・・何を企んでいるのか見当も付かん。警戒を怠るなよ}
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アテネを救助した後に地獄から離脱してすぐ近くの宇宙デブリ、アステロイドベルトの中に陣を張り直したアスラ神族達。
『まあ・・・今の損傷している要塞なら俺達で攻め切れるとは思うが・・・』
『イマイチ気乗りしないっすね。別に要塞を落とせなんて誰も一言も言ってないっすからね』
『そうなの?!当然の様に要塞攻略が始まったじゃん?』
このままアスラ神族のみで要塞を攻略する事も出来たのだが・・・行動不能のアテネの護衛も必要で戦力が分散する事になるのを嫌って本隊の到着か、少なくとも先行して向かっているはずの女神ハルモニアと女神ディオーネの到着を待つ事にしたヴリトラ神。迷子になっているヘスティア先生の捜索班も出さないといけないモンね。
それに元々、参謀の魔王バルドルは要塞攻略戦なんて全く想定していない。
むしろどうやって悪魔達を要塞から引き摺り出して野戦に持ち込もうと考えていた。
アテネが勝手に要塞攻略戦を始めたのに過ぎない。
『あ・・・・あ・・・・あ・・・・』
そして女神アテネが目を覚ましたのだった・・・一体、貴女に何があったの?
『ん?気が付いたかアテネ?お前どうしたんだよ?』
『あ・・・・・い・・・・』
『ん?』
『いったぁあああああああああいいいいいい!!!!!』
アスラ神族が用意した医療ベッドに仰向けで寝ながら絶叫するアテネ。
『?!?!?!?!』
『痛い!身体が痛い!何これ?!何なんですか?!すっごく痛い!痛いです!』
激しい痛みで両手両足がピーンとなってるアテネ。淑女として大変はしたない姿です。
でもまあ、大声を出せているので大丈夫でしょう。いい気味ですわ。
『お母さんが冷たい!お母さん!身体が痛いのぉおおお!!』
知りません。母親を無視する様な悪い子の事など知りません。
『お前それ・・・神力欠乏症じゃねえのか?人間で言う所の全身筋肉痛の様なもんだ』
神力欠乏症は塩分不足によって起こる熱中症の筋肉痙攣の様な感じと思ってくれて良いです。全身を針で刺された様な痛みが走ります。皆様も猛暑の日は水分と同時に塩分も取りましょう。麦茶だけ飲んでいてはダメですよ。梅干しも食え。
『神力欠乏症ってのは罹患しちまうと自然回復でしか打てる手はない。治るまで大人しく寝てろ』
『これが・・・噂に聞く神力欠乏症・・・いたたたたたたたたた。あーん!痛いよー』
全ての神力を使い果たした神が必ず陥る症状で全身に激しい痛みが走り力も入らなくなる疾患である。
こうなってしまうと外部からのいかなる治療の効果は無く自然に神力が戻るまで耐えるしかない。
あー、痛い所をツンツンしてやりたいですわ。
『そんでよ?何でお前が神力欠乏症になんかなるんだ?それは流石におかしいだろ』
『えーん・・・ふえ?・・・何でって?』
『だからよ?自分の限界を見極めて欠乏症になる寸前に神力をコントロールするのが神として当然だろ?
神に成り立ての奴なら勢い任せにそう言う事もあるかも知れないがアテネは高位神だろ?何で神力の限界値程度をコントロールしねえの?』
そ・・・そうですね。神力の大小など関係なく神なら普通に自分の限界値をコントロールしますよね?
『え?神力のコントロール・・・やった事ありません』
え?!
『はい?』
『そもそも自分に神力の限界値がある事を先程初めて知りました。神の神力って普通に無限に有ると思ってました』
え?!
『・・・いや・・・そう言う大切な事はガキの頃に親から教わらんか普通?
御伽話じゃあるまいし無限の力なんぞ有る訳がねーだろ?
限界値を知らんって・・・基本的な限界値なんてガキの頃に調べれば分かんだろ?
そこから大人になるにつれて徐々に増えていくモンだろ?』
『神力の限界値・・・お母さんから教えてもらった事はありませんね』
そうですね・・・考えて見れば娘に教えた事ありませんね・・・
『はあ・・・なるほどな・・・是非ともお前の親の顔を見てみてえな。
アテネってティーターン神族の中でも上級氏族のお姫様なんだろ?
お前の母ちゃんは何で調べなかったんだ?
ウチは底辺の家庭だったが、俺がガキの頃にお袋が調べて教えてくれたぜ?』
えーと?わたくしは・・・従属神の誰かが調べているのかと・・・
『かー。これだから上級神族様ってやつは・・・何でも使用人任せで子供を育てるからだ。やっぱり親の顔を見てみたいぜ』
すみません・・・母親はこんな顔をしています。そして父親は大神のゼウス様です。
『あー・・・つまり何か?さっきのヤバい神罰はアテネの限界値を超えた神罰だったって事か?
アレで欠乏症になるって事はアテネの神力は俺よりは多少は多いがそう大差はねえな。
ならもう二度とあんなヤバい神罰を単独で下すんじゃねえぞ?今度は死ぬぞ?
今度アレをやるなら俺が神力を分けてやる』
『あい・・・すみませんです』
『娘がご迷惑をお掛けしまして本当に申し訳ありませんでした』
理路整然としたヴリトラ神からのお説教に完全敗北した女神アテネとわたくし。
しかし本当の「恐怖のお説教」はここから始まるのだ。




