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女神ハルモニアのお仕事。その4

「皆んなで地獄へ侵攻します」

魔王バルドルの「地獄へ侵攻します」宣言に「チーム・ハルモニア」に激震が走る!


『あーははははは!!!やっぱりバルドルは、おもしれぇな!』

バルドルに真っ先に賛同したのは、やはりヴリトラ神が率いるアスラ神族だった。

アスラ神族としても、そろそろヘスティア先生との修行の成果を試したいのだね。


「追放した天使達への手前の意味でも一度は我々の手によってデカい損害を地獄に与え天使達に存在感を示す必要があるので「チーム・ハルモニア」の全戦力を使って地獄への総攻撃を行います。これは決定事項です」


『地獄への総攻撃ですか?!そして「チーム・ハルモニア」とはなんですか?!』

いつの間にか自分の名前を冠するチームが編成されていた事には破壊神ハルモニアもビックリである。


「「つまり悪い子達へのお説教ですね!先生に任せて下さい!

悪い子達が多い地獄ですからね!とてもやり甲斐があるお仕事ですね!」」


ヘスティア先生は単純に悪魔達を更生させるつもりで地獄に乗り込むらしい。

ヘスティア先生的には、ただの地獄への出張程度の認識である。


『ヘスティア先生のお説教はともかく公然と暴れられるなら俺らは文句ねえぜ』

早く戦いたくてウズウズしてる様子のヴリトラ神。今すぐにでも地獄に突撃してしまいそうである。


「「うふ・・・うふふふふ・・・海の敵は海龍に任せなさい」」

軍神ヴリトラ神の覇気に煽られたのか戦意が急激に上昇している海龍王アメリア。

三龍王の中ではアメリアが一番好戦的なのだ。


「「はあ・・・全く・・・少しは落ち着けアメリア・・・龍の覇気が漏れてるぞ?

しかし地獄と戦うと言うのであれば我ら地龍はガイヤ様の言い付け通りに護衛対象のハルモニア様と一緒に行動するぞ?」」


主たる女神ガイヤから「女神ハルモニアを守りなさい」と厳命されている地龍王クライルスハイムなのだ。


と言うか、どいつもこいつも好戦的で癖が強い「チーム・ハルモニア」の皆んなの暴走を抑えれるのは、もうクライルスハイム君しか居ない。頑張って!


「「アギャーーーーアギャーーーー(俺もやるぞーーーー!!!)」」


『こら!大人しくなさい!』ギュウウウ~


『アギャギャギャー?!?!グワワワ!!(ぐえええ?!?!苦しい!!)』

女神アテネに魔法世界に連れて来られて捨てられた「異世界の黒龍王」の赤ちゃんもハルモニアに抱っこされつつも戦う気満々である。

黒龍王も本能的な大きな戦いになるのが分かっているのであろう。黒龍王の血が騒ぎまくりである。


ちなみに黒龍王は魔法世界に来て翌日に暴れたせいで女神ハルモニアに既に〆られ済み(ボコボコ)である。

なのでハルモニアの言う事だけはちゃんと聞きます。


・・・まだ幼龍とは言え「アビス神」の直系眷属の黒龍王を武力で〆るとか凄えなハルモニアちゃん!


「「ならば空からの補給と援護はディオーネ様が率いる我ら天龍が受け持とう」」

最近天龍王となったアメデも結構乗り気になっている。


「「うむ!龍を率いるのはディオーネ様が相応しいだろうな」」


「「溜め込んでる爆弾を消費したいしな!」」


そんな天龍王アメデ以下の天龍達も異論は無い様子だ。


『そうですね!総指揮官は高位神たるディオーネ様が適任ですね!

ディオーネ様は龍達の指揮をよろしくお願いします!

私は指揮とか作戦とかはよく分かりませんのでとりあえず先頭で突っ込みますよ!』


『いやいやいやいや。ハルモニアの姉御、さすがに一番槍は部下達に譲って下さいよ。』


肝心の総大将の女神ハルモニアは、あんまり戦略とか作戦とかは考えてない様子だね。

これはバルドルとクライルスハイムはめちゃくちゃ苦労しそうである。


『え?え?え?なに?私が龍を率いるの?私も地獄への侵攻に参加する流れなの?』

その日、たまたま偶然に魔法世界に来てなし崩し的に会議に参加していただけの女神ディオーネが盛大に流れ弾を食う。


「「ディオーネ様!一緒にお空の戦いを頑張りましょう!」」「「わーい、ディオーネ様と久しぶりのお出かけです!」」

そう言いながら天蒼龍シーナと天翔龍ラーナがディオーネにスリスリする。

天龍の双子龍的にはディオーネとお出かけ出来れば満足の様子である。


『え・・・ええー????』

あまりにも脈絡が無さ過ぎる与太話しにしか聞こえない自体に大混乱しているディオーネ。

困った事にこれが与太話しではなく本当の話しなんだよね。


そもそも女神ディオーネは戦いに向いた女神では無い。戦う事も出来ると言う程度なのだ。

オーケアニデスらしく温厚で祝福と恩寵を人々に与える女神様らしい女神様なのだ。


あまりにも混乱したせいで高位神として権限を奮い地獄への侵攻を一旦保留とさせ天界に侵攻の是非を審判させて天界からの決定を待たせるとの考えに至らずにドンドンと勢いに流されてしまう。


「チームハルモニア」の破壊神にして総大将たる女神ハルモニア。

その最大戦力たるヘスティア先生(ヘスティア先生が参戦なら子供達の8原初神達もおそらく参戦)。

ヘスティア先生の手下である軍神ヴリトラが率いるアスラ神族。

その日その場に居ただけで緊急参戦させられる天空の大神ディオーネ。

その女神ディオーネが指揮を取る三龍種総力20000体とベヒモス勢2000体。

それから補給担当と予備の戦力として魔王バルドル率いる真魔族軍の精鋭たる高位吸血鬼(吸血鬼の真相)3万人による地獄への総攻撃が決まる。





・・・・・・・・・・・・・・・・これ客観的に「チーム・ハルモニア」の総戦力を見たら「完全に黙示録戦争」クラスの戦力じゃね?




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





敵を一ヶ所にまとめて一撃で叩きたいので予め地獄へ宣戦布告をする魔王バルドル。

どうせ行軍を隠せないのだから「文句があるならかかって来いよ」的な手紙を地獄の軍団の各軍団長にばら撒いたのだった。


魔王バルドルからの宣戦布告を受けて地獄では迫り来る「破壊神の軍団」への対処を相談する臨時の総会が開かれる事になった。


{・・・・・・・いやー、破壊神側にオグドアドが付いたってのは聞いていたが・・・これ相手の戦力エグくね?皆んなはどうするの?やる?やらない?}


オリュンポスの神々による理不尽過ぎる言い掛かりに笑う事しか出来ないサタンの一柱たるアガリアレプト。


サタンってサタンと言う名の個別の悪魔が居る訳ではなく悪魔の概念や階級の名称でサタンを名乗る悪魔って案外たくさん居るんですね~。

無論、サタンを名乗るには相応しい力が要求され力無き者がサタンと名乗っても速攻で潰されるとの事。


{全く・・・あの破壊神は同胞を屠るに飽き足らずにどんだけの戦力をかき集めたのか・・・こちらの言い分を一切聞かずに問答無用で大軍で攻めて来るとか・・・もうどっちが悪魔なのかわからぬな}

こちらもサタンの一柱たるベールゼブブもオリュンポス神族の身勝手な口実には心底嫌気が刺している様子だ。


その他のサタン達も似たような反応で・・・


{つーかよ?これ誰が出陣すんの?ちなみに先に言っとくと俺は絶対に嫌だぜ?不参加を希望}


{我輩も嫌だな。誰だよ?最初に魔法世界に喧嘩売ったヤツは・・・}


{率直に言うとマジで関わりたくねーよな}


と全く乗り気では無い。


「チーム・ハルモニア」の宣戦布告に対するサタン以外の地獄の重鎮の面々の反応はかなり個人差があり、大半の地獄の有力者は被害が拡大する一方の「ハルモニア戦争」に対して厭戦気分だったと言う。


って言うか地獄では魔法世界での一連の戦いを「ハルモニア戦争」って呼んでるのね・・・ウケる。


ちなみに地獄と一括りに言っても複数の星系が連なるとても広大な範囲を差し悪魔王サタンより下位の階級の各軍団長もまた国王や領主として各地にて君臨している。

なのでチームハルモニアの全戦力を持ってしても地獄界全てを制圧するなど到底不可能である。そんな理由から余計に地獄では厭戦気分が広がっていたんだね。


結局、その後の話し合いの末「チーム・ハルモニア」の迎撃に出るのは政治的に何かしらの戦功が欲しい訳ありの軍団や比較的新しく誕生して手柄が欲しい軍団が主体となった21軍団のみとなった。

これはバルドルが予想をしていたよりも少ないとても少ない数だった。


「むう・・・思ったより敵の数が集まらないな・・・これでは地方紛争ではないか」


『集まらなくて良いんですけど?!むしろ誰も来ないで欲しいんですけど?!

と言うか、わざわざ武力を示さなくても既にハルモニアって地獄で恐れられてませんか?!』


・・・そうだね。サタンが軒並み引くくらいですからね。


「儂もそう思いますが今更引けません勝つまでは」


『素直に引けは良いんじゃないですかね?!』


サタンを名乗る古き有力な軍団に大きな打撃を与えたい魔王バルドルは凄く不満そうであるが女神ディオーネ的には勘弁して欲しい様子だ。


仕方ないのでバルドルは地獄の軍団の各軍団長に更に煽り倒した内容の書状を個別に送る事にする。

具体的には「降伏すんなら助けてやんよ」と言う趣旨の手紙だね。


『お願いだからこれ以上煽らないでぇーーーーーーー!!!』


バルドル的にはこの挑発で{おのれ生意気な!新参の魔王如きがぁあああ!!!}と、かなりの数の軍団長がブチ切れると思っていたが意外にも挑発に対する反応も慎重かつ冷静だった。

挑発によって追加で参戦して来る有力な軍団は3軍団に留まってしまう。

しかしこの3軍もどこまで本気なのか分からないと来た。


「ぬう・・・挑発に乗ってこんなぁ」


『乗って来なくて良いです!!!』


『まあ、古き悪魔なんてはどいつもこいつも海千山千の食わせ者だからな。仕方ねーよ』


『つーかよ?絶対に地獄の奴らにヘスティア先生の事がバレてるんだよな』


ヴリトラ君が大正解である。


大昔にヘスティア先生と直接ガチで戦った地獄の者達だからこそヘスティア先生の正体を正確に見抜いている。

てか、あの大龍の威容は一度見たら死んでも忘れる事は出来ない。


その中で学んだヘスティア先生への1番良い対処とは「ヘスティア先生の視界に入らない。関わらない。死んだふりをする」事なのだ。

その事を知っているサタンからドンドンと今回の黙示録戦争から離脱している。




むしろ今回の侵攻に慌てたのは地獄側ではなく天界の方だったりする。




「天界、「チーム・ハルモニア」緊急対策本部」にて。



『地獄への侵攻じゃとぉお?!アテネよ!だから何でそうなるんだ?!

ディオーネに聞いても「知りませんよ!そんなのは直属の上司のアテネに聞いて下さいよ!」と逆にキレられるし・・・どうなっとる?!』


『私だって知りませんよ!こっちが聞きたいですよ!』


一昨日の夜にいきなり現れた女神ハルモニアに訳も分からず私財のオリハルコン100kgをブン取られた女神アテネがマジで大神ゼウスにキレる。


盛大に地雷を踏み抜いた父に対して娘の八つ当たりが始まるのだ!


『だいたいアレは金額の問題じゃないんですからね!集める労力が!うんぬんかんのん!』


『う・・・うむ?なんの話しなんだ?』


『だーかーらー!!!』


神々にとっても貴重な鉱物とは言え、なぜオリハルコンで大金持ちのアテネがキレのたか?


それは自分の美的なアイデンティティの為にオリハルコン装備で身を固めている女神アテネにとってオリハルコンを取られる事を人間に置き換えて見れば「今から使おうとしていたシャンプーを取られる」のと一緒の事なのだ。


風呂に入ろうとしていたら急にシャンプーを取り上げられて夜中に1km先にある24時間ドラッグストアまで歩いてシャンプーを買いに行くのは誰だってイライラするしダルイ話しだろう。


もはや金額の問題ではないのだ!


そんな乙女心の説明を乙女なアテネから延々とされたオッサンのゼウスだったがアテネの言いたい事が半分も分からなかった・・・オッサン的にはシャンプーの種類なんて心の底からどうでも良い話しなのだ。


しかしアテネの剣幕に「オリハルコンが無いなら金銀銅もしくはダイヤモンドでも良くね?」とはとても言えなかった。

神それぞれに強い美的へのこだわりがあるからだ。特に乙女には。


『ぬう?・・・なら、我の宝物庫からオリハルコンをお前に代替えしようか?』


『もう準備出来たから良いんですよ!』


女神アテネは昨日の夜中にオリハルコンの採掘作業に勤しんだのだ!もう採掘は終わったのだ!親父よもっと早くに言え!今更遅いのだ!


『我にどうしろと?!』


『あっ!大変ですわ旦那様!わたくし宇宙の真理を見てしまいましたわ!』


『メーティス?!腹の中からいきなりなんじゃ?』


『とりあえず旦那様がアテネに謝れば良いのです!さあアテネに謝るのです旦那様!』


『なんだと?うん?・・・・・・・・・あー・・・すまぬアテネよ。我が全て悪いのじゃ』


『・・・・・・・・ふう・・・・まあ・・・それなら良いです』


父に謝罪されて怒りが一気に鎮まるアテネ。

ふう・・・これで良し!


『どう言う事じゃメーティス?!』


『怒れる娘を宥めるのは「理由なんて何でも良いからとりあえず父親を生贄に捧げて

謝らせれば良いのです」・・・これが「宇宙の真理」なのですよ』


『いや分からん!マジでどう言う事なのだ?ポセイドンよ?』


『知らん。父親とは大変だって事じゃねえか?』


途中から女神アテネの乙女の演説を聞くのを止めている海王ポセイドンがやる気無く答える。

要するに娘の八つ当たりに付き合うのも父親の役目って事です。


『母親じゃダメなのか?!』


ダメです。


『そ・・・・・そうか。ダメ・・・なのか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・子育てとは難しいのう』




大神ゼウスの献身により家庭崩壊の危機は免れたのだった。めでたしめでたし。




『めでたしめでたし・・・じゃないわメーティスよ!違うわアホ!ハルモニアによる地獄侵攻の問題は何一つ解決しとらんわ!』


あら嫌ですわ旦那様。大神ともあろうお方がお口の悪い事。おほほほほほ。


『あっ。地獄への侵攻に関してはこれから私が「チーム・ハルモニア」と地獄に対して和解の説得に行って来ますよ』


『それならそうと最初からそう言わんかぁーーーーーーー!!!!』




こうして天界から女神アテネが和解の特使として魔法世界に派遣されたのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや!これ絶対に悪手になるって!

荒事に対して制約も無しに軍神なんて戦地に派遣なんかしたら・・・・




『じゃあ私が先陣を切るね』

案の定、魔法世界に到着するなり和解など空の彼方へ行ったのか早速作戦についてチャチャを入れ始める女神アテネ。


『アテネ様は何をしに来たんですか?!』


『狡いぞアテネ!先陣は俺らアスラ神族だ!横入りすんじゃねえよ!』

いきなり現れたアテネに出番を奪われそうになり激昂するヴリトラ神だが?


『まあまあ。軍神同士たまには一緒に正面から突貫しようよヴリトラ君』


『アテネと一緒に正面突破だと!・・・それは・・・・・・・・凄く楽しそうだな!』


『おお?・・・そうだな!楽しそうだ』


『よろしく頼むぜアテネ!』


『楽しそうでしょう?』


しかし似た者同士、アテネとアスラ神族はあっという間に意気投合してしまう。


『アテネ!アンタ何しにここに来たのよ?!和解するんじゃなかったの?!』

天界から和解の特使が来ると聞いて期待していたのに全く当てにもならず涙目になる女神ディオーネ。


『チェンジ!女神アテネからの和解の特使のチェンジを要求します!』


『もうチェンジ不可でーす』


『チェンジ不可なんですね?それならアテネ様!頑張りましょう!』

女神ハルモニアは特別何かを考えてる様子は無い。


ウッキウキの「戦の女神アテネ」の介入により事態は更に悪化したのだった・・・貴重な戦の機会なんだからそりゃこうなるわな。


女神アテネ緊急参戦によって戦力が大幅に増強された「チーム・ハルモニア」の地獄侵攻準備が一気に加速しただけじゃん。


『うふふふふふ。あそこでお父さんにキレた甲斐があったわね~。楽しみだわ』


なん・・・だと?あの八つ当たりはコレの布石だったと言うのか?我が娘よ?


『そりゃ大きな戦いの気配がする魔法世界に来る口実が欲しかったからね~。

ああ~♪地獄への侵攻~♪楽しみ~♪』


もうメッチャクチャだな!我が娘よ!戦いの讃歌を唄うなぁー!


『ヤダ・・・もうヤダこの子達・・・・・シクシク』


「「ディオーネ様、可哀想!」」「「泣かないで!私達が付いてるよ!」」


泣いてるディオーネに健気に寄り添う双子龍だが、残念ながら彼女達も向こう側の住人である。

ここまで来てしまうと「チーム・ハルモニア」の最後の良心だった地龍王クライルスハイムも諦めたのか無反応だ。

と・・・思っていたらクライルスハイムの尻尾が小刻みに動いている?


「「昔から遠足前に嬉しくなるとクライルスハイムはこうなるのだな」」

自分よりクライルスハイムが戦闘好きなのを知っている天龍王アメデ。

そうか・・・クライルスハイムよ。お前もそちら側の住人であったか・・・


「これ以上邪魔が入る前に一気に地獄へ乗り込みましょう」


『・・・・・・・・なんかずっと飄々としているけど、内心は絶対に貴方も戦いたいだけでしょう?バルドル』

涙目で魔王をジト見するディオーネにそっぽを向く魔王。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「女神アテネ!何の役にも立ちませんでした!」との一報が女神ディオーネから天界にもたらされる。


『アーテーネー!!!!あんの馬鹿娘がぁーーーー!!』

まんまとアテネに騙されたゼウスが「チーム・ハルモニア」緊急対策会議場で吠える。


『誰がどう見ても神選ミスですわよゼウス』

簡単に自分の娘に翻弄される甥のゼウスを見て、もう呆れのため息しか出ない女神ガイヤ。


『何で使者の神選をわたくしに相談しないのですか?

神を見る目が無いですねゼウス・・・』


今回だけは誰がどう見ても神選のミスだわな。


『うぐっ』


『あの~?もう遅いかも知れないですけど・・・わたくしが代わりに行って来ますか?』

事態収束の為にスッと手を挙げる穏健派の女神ヘスティアだが・・・

『ヘスティアよ・・・お前がオグドアド様をハルモニアの所へやった張本神なのは分かっておるのだぞ?』もうその手は喰らわんぞ?と、笑顔でヘスティアをジーと見つめるゼウス。


『うふふふふふふ。何の事でしょう?』


『はああああああああああ・・・・・・・・・・やっぱりお前も何か企んでおったな』


自分には海千山千の兄弟しか居らず盛大にため息を吐くゼウスなのでした。


ちなみにこの時の女神ヘスティアは説得ついでに女神ハルモニアに大量の軍事物資を補給する事を企んでました。

義理とは言え可愛い我が子だもんね。助けたいよね。


『しかしゼウスよ?ここまで来たらいっその事・・・天界で全面的に「チーム・ハルモニア」を支援するしかないのではないか?』


ハルモニア達の地獄への侵攻には賛成でも反対でもなかった海王ポセイドンが中立的で建設的な意見を出す。

中途半端に妨害して侵攻部隊が全滅するなんて事態だけは避けなければならないからだ。

それにハルモニア達が地獄の戦力を削る事自体は天界にとっても意義のある仕事なのだ。


『まあ・・・そうなりますよね。わたくしもポセイドン様の意見に賛同します』

女神ティティスが一同の中で誰よりも早く海王ポセイドンの意見に賛同する。


『全く・・・お前達は仲が良いのか悪いのか分からんよな。いつも意外な所では結託するものよ・・・』


『基本的には同じ海のティーターン神族だからな。コイツとは何となくソリが合わんだけだ』


『あら?わたくしはポセイドン様の事は結構好きですよ?

それに余計な心配をしなくてもなんだかんだ言ってディオーネが何とかしてくれます。おそらく今はシクシクと泣いてるでしょうけど・・・』


『そうだな・・・泣き虫な所が多分には有るが「やる時はしっかりとやる方」だからな』


『確かにディオーネならば何とかしてくれるか?』


大神の中で最も若く、何か問題が起これば直ぐに瞳をウルウルさせてどこか頼りない感じに見えて忘れがちだが、女神ディオーネは「天空に靡く風の大神」である。

「天空に轟く雷の大神」のゼウスとは同一存在視される事すらあるゼウスと双璧を成す大神なのである。


その絶大な神格たるやゼウスの兄弟神である女神デーメーテールや女神ヘスティアをも上回る天界でもトップ10に入る超実力派女神なのだ。


こうして真なる武力馬鹿共しか居ない「チーム・ハルモニア」の命運は天空の女神ディオーネの手に委ねられたのだった。


ディオーネお姉様!ファイト!オーケアニデスの威信を魅せる時です!

わたくしも旦那(ゼウス)の胃袋の中から応援してますわ!












『私に対する責任と期待が重すぎますっての!!!!!てかメーティスもアテネの母としてもオーケアニデスとしても何かをしなさい!』


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