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女神ハルモニアと世界の言葉。その3

ご飯を食べに一度大気圏外に出たハルモニアです。

えーと?闇~闇~・・・と、ありました。おお?!これは!これは良い闇です!

しかも食べやすい様に小分けにされてる?


パクリと一口・・・・・・・んーーーーー!これは美味しいです!

まろやかでコクがありそれでいてしつこくない・・・こんなの天界でもなかなか食べれませんよ!


でも何でこんな所にこんな闇があるんでしょうか?これは明らかに「料理人」が作った闇です。しかも三ツ星シェフのお仕事です。

これでも闇には少しうるさいんですよ私は・・・しかも凄く分かりやすい所に置かれてました。


まるでわざわざ私の為に作り置きしてくれてた様に・・・


不思議な出来事に少し悩みましたが満腹になってホゲ~としてたら「まっいっか」って心境になりました。やっぱり美味しい食事は神も人も心に余裕を持たせてくれますね!


後は・・・通勤問題。


現在、私の身体は分子レベルまで解体された神子しんし霊体なんですね。

何でそんな事をするかと言うと「リラックス」が出来るからです。

人間の言う所で仕事用のスーツを脱いで髪を解き、お風呂上がりで後は寝るだけ状態でボーとしていると言えば分かりやすいかな?


当然、朝になればスーツを着て髪を整えてお化粧しないといけません。

でも時間・・・かかりますよね?特に女性の場合は・・・

実は私、寝起きが悪く、朝の支度を面倒くさがる時間ギリギリまで寝ていたーい系女子なんです。


神子しんし霊体から人の姿に整えるのって2時間くらいかかるんです。

2時間・・・その2時間を2度寝に切り替えたら気持ち良さそうですねぇ。 


朝の仕度を考え少し憂鬱な気分で遠くの太陽を眺めていたら・・・太陽・・・火の塊・・・!!!!そうだ!すっごく良い事を考え付きましたよ私!!!


早速明日実践して見ましょう!!!





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





『クライルスハイム君!これならどうでしょうか?!』ボボボボボボボボ


「「それが朝の通勤対策・・・ですか?」」


「「わあ?!ハルモニアちゃん可愛いー!」」


『そうでしょうそうでしょう』ボボボボボボボボボボ


「「小さな御姿が愛らしいですな」」


ふっふっふ。これが私の考えた通勤問題対策「ズバリ!黄金の火の玉」です!

これなら地上に顕現するまで人の姿だと準備に2時間掛かるのを、なんとビックリ!僅か5分で降臨出来ちゃいます!費用対効果バツグンですよ!朝の5分は人間でも神でも貴重ですからね。


「「でもさ?あれって知らない人から見ると・・・」」


「「ただの変わった幽霊の火の玉・・・だよな?」」


「「しっ!聞こえるぞ」」 


ふふん、こんなの見慣れれば3日で誰も気にしなくなりますよ。

他人の姿を気にする人の方が少数なんです。世の中の女子は気にし過ぎなんですよ。



一応解説しますと神視点で見た時のハルモニアの火の玉の姿を人間に例えると「貴族令嬢が化粧もせずにパジャマのままドテラだけ羽織った姿で現れた」です。

養母の女神ヘスティアに見つかると大目玉待ったなしで普通にアウトです。

と言うか、後に女神ヘスティアに見つかってめちゃくちゃ怒られます。



一つ難点があるとすれば現状出力が大き過ぎて人間の前には出られない所ですね。

何せ小さくても「核融合体」に近く、光耐性や熱耐性が強い龍やヘビモスの様な神獣ならともかく他の生物には熱すぎますね。これは改良の余地有りです。


「「可愛いんですけど・・・この熱量・・・さすがのわたくしでも乗れば火傷しちゃいますね」」ツンツン


『普通はツンツンしたら火傷どころか指先が「溶解」しますよ?核融合体ですから。

まあ、少し出力を抑える練習するので乗るのは待って下さい・・・おや?』


「「皆んなぁーたっだいまぁー。天朱龍のニームちゃんが帰還しましたよー」」


「「ニームちゃん、おかえりー」」


バサバサと翼を羽ばたかせながらたくさんの天龍が野原拠点に帰って来ましたね~。


「「あれー?なーに?この可愛いの?」」ツンツン


『初めまして。女神のハルモニアです』ボボボボボボボボ


「「きゃーーー?!火の玉が喋ったぁーーーーーーー?!?!お化けーーーー?!」」


・・・・・・・・・・お化けって酷くないですか?




それから2,3日も経過すると調査の為に世界中に飛んでいた龍達がポツポツと野原拠点に帰って来ました。

最初来た時に龍達の数が妙に少ないな?と感じたのは皆んな調査で出払ってたからなんですね。


帰還して来た龍達から断片的な調査結果のお話を聞いたのですが・・・パシリ女神ハルモニアは思わず頭を抱えてしまいました・・・


それから更に3日も経つ頃には全ての龍が帰還して全体での合同報告会が始まりました。


初めて会う龍も多いので今日の私はちゃんと人型で参加してますよ。

やる時はちゃんとやるんですよ私は。


『おおー?これは壮観ですねぇ』

5826体の龍と1527体のヘビモスが野原に一堂に会するのもなかなか凄い光景です。

こんな光景は天界でも見た事ないですね

全員が一ヶ所に集まれるのは野原拠点の利点ではありますね。寝る時は野晒しですけと。


報告会はクライルスハイム君が司会を務めてくれます。


「「では先ず北の大陸調査団の代表から報告を頼む」」

7000体を超える神獣達が出して来た報告を個別に全て聞くのも大変だろうとクライルスハイム君がある程度情報を精査してまとめてくれてます。


一応・・・大まかな報告書が手元にあるのですが・・・これは・・・マズイですね。


「「調査の結果、アトランティス・・・今は「魔族」と呼ばれてますね。

彼らの起こした行動は・・・」」


それぞれのグループのリーダーが調査結果の報告を開始します。

そこで浮かび上がってきた魔法世界の数々の問題点・・・


問題その1。人間族の争い。


現在、魔法世界の人間達はアトランティス、レムリア、メソポタミア、地球の古代文明の子孫にあたる者達なのですが・・・この魔法世界では、そのまま3つの勢力に別れてアトランティスとレムリアが激しく争っているとの事です・・・何でそうなったの?


詳しく調査して来た天龍の話しだと争いの原因に関しては圧倒的に悪いのは先に侵略戦争を仕掛けたアトランティス。

しかしレムリアにも内政的、外交的な問題あり。

そしてなぜかユグドラシルの臣下になっているメソポタミアは両勢力に対して仲裁もせずに我関せず・・・だそうです。


何で元地球人同士で仲良く出来ないかな?この星の開拓期なのに戦争なんてしている余裕ないでしょう?

大体からして地球の時の君達が住んでた地域はお互いに遠くて時代的にも因縁とかも無かったでしょう?!何でそんなに仲が悪いの?


問題その2。天使族と悪魔族の介入。


言わずもなが争いが起こる所には悪魔有り。悪魔が蔓延る所には天使が来る。

これはある種の宇宙の摂理です。ですが今回はそれだけではなく・・・


『これ・・・間違いなく悪魔側に「アスラ神族」が介入してますよね?』

提出された戦場跡の残留エネルギーのデータ表からもアスラ神族を示す神力パターンが出てますね。


「「そうですね。それから彼らは我らオリュンポス勢力の介入にも気がついています。

軽く突いて見ましたがこちらに対しては静観する様子です」」


『なるほど。ヴァン神族側に付いてると思われる天使族の動きは?』


「「悪魔族と同じく我々に対しては静観です。正直言って我々はあまり歓迎されておらぬ様子。

少し接触したのですが反応は鈍かったです」」


「「まあ、彼らにも面子があるからな。我々には簡単に助けてくれとは言えぬだろうて」」


・・・これあれだ。私達オリュンポスが派遣された目的は地球の人間社会で言う所の「平和維持活動」ってやつだ。

強い第三勢力が戦場の近くに居ると誤射を気にしてお互いに動き難くなるってやつですね。


人間達の紛争の大元の原因はユグドラシルによる無理な移民政策で間違いない。


無理な移民政策の中で摩擦が発生して魔法世界内での争いに拡大。

その血の匂いに誘われて悪魔が来た。天使も悪魔を見過ごす事は出来ないから魔法世界に介入。


ここまでは良くある話しだけど・・・ここでヴァン神族とは敵対状態のアスラ神族が介入して悪魔側に手を貸した。


・・・おそらくアスラ神族の狙いは「ユグドラシルの奪取」かな?

この世界のユグドラシルの防衛体制は正直言って悪い。

アスラ神族にして見ればユグドラシルの奪取の千載一遇のチャンスだもんね・・・

ユグドラシルを洗脳する事が出来ればアスラ神族にとっては大きな戦力になりますからね。


それに慌てたヴァン神族が天使側に付いて戦闘が更に激化。激化した戦闘により「混沌」が発生して現在に至る・・・か。


『とにかく、こちらからの攻撃は厳禁です』


「「承知しました」」


『ふう・・・』


「「ハルモニアちゃん大丈夫?疲れたの?」」


『少し・・・イライラして来たけどまだ大丈夫です』


いけませんね。どうしても戦いの気配を感じると気分が昂って冷静さを失います。

それを理性で抑え込もうとすると精神的に不安定になります。

ああ・・・私って何でこうも「好戦的」なんでしょうか?


「「報告を続けます」」


『よろしくお願いします』


問題その3。オリュンポス勢力の思惑とは?


ここで問題になるのが我らオリュンポス・・・いえ、アテネ様を含めた「武断派」の思惑よね・・・


オリュンポスも決して一枚岩じゃありません。大きく分けて、問題に対して平和的解決を望む「穏健派」と武力的解決を望む「武断派」・・・そして私も含めた「中立派」に分けられます。


正直、誰がどの派閥なのか凄く分かり辛いのよね・・・


私にしても「武断派の娘」ではありますが強行的な解決は好きじゃないです。

では「穏健派」か?と言われればそれは絶対に違うのでしょう。


現実に今も戦いの空気に触れた瞬間に妙に頭が冴えて来てますからね。

私の中の軍神アレスの血が騒いでいるのでしょう「戦いたい」と・・・でも、戦いませんよ?私が戦うと育ててくれたヘスティアちゃんが悲しみますからね。なので私は中立派なのです。


『ふう~・・・.』


「「ハルモニアちゃん?凄く怖い顔になってるよ?」」


『え?!えへへへへ』


ふふふふふ、アメリアちゃんの惚けた声で頭が冷えて来ましたよ。

ふううう・・・冷静に・・・冷静に分析をしましょう。


オリュンポス武断派の狙い・・・それは機動城塞コブレンツの終末兵器「荷電粒子砲を使って北極大陸で岩石蒸気を起こさせて地表を完全に焼き払いこの世界の文明を物理的に破壊して面倒事もろとも消滅させる事ですね。


なるほどこれは・・・・・・・凄くイライラしますね。


この魔法世界はヴァン神族の世界。消滅した所でオリュンポスには実害はありません。

ならばこの機会に面倒なアスラ神族と悪魔族の戦力を削ぐのが最善手です。

天使族は・・・巻き込まれ事故になりますね。


おそらくヴァン神族にもオリュンポス神族の世界を滅亡させる意向が伝わっておりヴァン神族もこれ以上の手間を惜しんでオリュンポス神族の意向を裏で承認してますね。


・・・・・・・・・・・・・・気に入りませんね。


そこまで事態が進んでいる時点で「なぜ最後の破壊任務を私に回して来たのか?」ですね。

アテネ様の狙いは「教育実習最後の科目、「世界の滅亡」を私に直接見させる」事でしょうか?


武断派として私を引き抜いた以上は武断派として避けて通れない「世界の終焉の悲劇」に私を立ち会わせたいのでしょう。


だから穏健派のヘスティアちゃんやデメテル様からはアテネ様は「邪悪」に見えたのでしょう。

もしそれで私の心が折れたらそこまでの存在だったと切り捨てるつもりですか・・・


『ふ・・・・・・・ふふふふふふふふふふふ』


ああ・・・イライラする・・・凄く・・・イライラしますね・・・


「「は・・・・・・・ハルモニア・・・ちゃん?笑ってるの?」」


あら?私、今笑ってますか?そうですか・・・私ってイライラが限界突破すると笑うんですね?知らなかったです。



ふふふふふふ・・・この魔法世界の滅亡・・・ですか?そうですか。

文明と共に2万年以上もかけて育った動植物が4000℃の岩石蒸気で焼かれる訳ですか・・・



そして・・・可哀想に・・・この魔法世界は政略的な損得から作り手たるヴァン神族からも見捨てられしまったのですね?



私達の居るこの野原も消えるのですね?



ふふふふふふふふふふふ・・・・・・・・ああ・・・メチャクチャ・・・イライラします。

笑いが止まりません・・・ふふふふふふふふ



私が・・・・・・・・・・・その悲劇を見て悲しみの涙を流すとでも?

随分とまぁ・・・私も見くびられたものですね?私は慈悲の涙など流さずに笑いますよ?




ああ・・・そうですね。・・・・私の心は・・・・



魔法世界の滅亡?・・・ふふふふふふふふ・・・・・そんな事はさせませんよ?ええ!させませんよ?



『ふふふふふふ・・・・あはははは!!!いいでしょう!!!いいでしょうとも!!

そんなに要らない世界ならば「私が全て貰い受けましょう!

だってこんな世界は誰も要らないんでしょう?なら私が貰っても誰も困りませんでしょう?

ふふふふふふふ!

この神々から見捨てられた魔法世界は「調和の女神ハルモニア」が救済して見せましょう!!!』


「「おお?!ハルモニア様!」」


「「ええ?!ハルモニアちゃん?!」」


『神々の都合での世界の滅亡など私が断固として許しません!』


「「おお?!その通りだ!我ら龍の役割とは「世界を守る事」だ!滅亡させるのは意に反する!」」


「「その通り!世界の滅亡など、それは我らの存在を完全に否定する事になるからな!」」


『これはハルモニアの名と存在の全てを賭けた「確定調和」です!!!!

今よりこの魔法世界は「世界を管理せよ」とオリュンポス12神の一柱、軍神アテネ様より「正式に命じられた」女神ハルモニアが「ヴァン神族より乗っ取ります!!!!」

そしてこの世界に派遣された幻獣の全ては「天界より全権を委ねられた」私の指揮下となります!』


「「はは!これより我らはハルモニア様の指揮下に!」」


『これ以後、この世界に住む全ての存在は「魔法世界の主神』たる女神ハルモニアの命令に従いなさい!皆様それでよろしいですね?!

この世界の全ての混沌はこのハルモニアが飲み込み浄化して差し上げます!

龍とヘビモスよ!己が生まれて来た意味と価値を私と共に宇宙に示しなさい!』



ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!



「「はは!地龍を束ねるクラスハイムは女神ハルモニア様に従います!!」」


「「地琰龍ノイミュンスターも同じく!!!」」


「「天龍を束ねる天龍アメデにお任せあれ!」」


「「「「天龍シーナと天龍ラーナの姉妹もハルモニア様と共に!!」」」」


「「先生も頑張りますよー!」」


「「我らヘビモスの力!御存分にお使い下さいハルモニア様!!」」


「「海龍を束ねるアメリアが命じます!今後女神ハルモニア様のお言葉は我ら海龍の母、女神ティティス様のお言葉だと心得る様に!

ここに集う海龍達とヘビモス達よ!我らはハルモニア様と共に進むぞ!!!!」」


『ふふふふふふ!!私に賛同していただきありがとうございます!

では皆さん!魔法世界を獲る戦いに行きますよ!!!!!!』


ウオオオオオオオオーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!









この日、周囲には草しかないただの野原で起こった「調和の女神ハルモニア」の世界の乗っ取り宣言と野原に集った地龍、天龍、海龍の三大龍種5826体とヘビモス1527体による凄まじい咆哮は魔法世界全てに轟いたのだった。


そして見習い女神ハルモニアの謀反とも思える「確定調和」は天界を震撼させる。

幾ら詭弁を弄したとしてもたとえ天界に対する謀反以外の何物でなくても「確定調和」は絶対。



その宇宙の意思を覆す事が誰にも出来ないからだ。

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