↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルダイバー~追放された深淵の鑑定士は最強レギオンを作り上げる~  作者: 国木田。
下位鑑定士と少女たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/85

第1話:追放された下位鑑定士

****************

 本作を見ていただき、ありがとうございます☆

 本作は、主人公マルクが爆弾3人娘を育成していく王道×お色気コメディの育成物です。

 ピンクな表現がありますのでご注意ください。

 育成する3人娘の登場は4話以降となりますので、そこまでお付き合いいただくと幸いです。

****************

「悪いがマルク。お前との契約は、今月末までにしたいんだ」


 冒険者クラン『レッドアイズ』の最奥、薄暗い執務室。重厚な机の向こうから、冷淡な声が響いた。このクランを束ねるマスター、セリアだ。小麦色の肌に、精悍な顔立ちの美女である。


「……急だな、セリア。俺の仕事に何か不手際でもあったか? 依頼通りにこなしてきたはずだが」


「お前の腕に不満はないさ。だが、来月から次の鑑定士を雇うことが決まった。Lv.5まで対応できる上位技能鑑定士《スキルリーダー》だ」


「Lv.5の上位技能鑑定士《スキルリーダー》……なるほどな。だが、待ってくれ」


 俺は身を乗り出した。


「クランの土台を支えるのは、いつだって新人や下位の連中だ。上位鑑定士《スキルリーダー》じゃ、新人の細かな枝分かれは雑に診るのが関の山だぞ」


「それに、鑑定士と冒険者には相性がある」


 俺は言葉を重ねた。


「新人育成を本気で考えるなら、Lv.3までの基礎を診られる俺も残して、二人体制にするべきじゃないのか?」


「無理を言うな。うちの規模で、鑑定士《スキルリーダー》を二人も抱える余裕はないんだよ」


 セリアは困ったように眉を寄せ、ため息をこぼした。


(……嘘だな。今のクランなら、まったく余裕がないわけじゃない)


「な、なんだよその目は」


 俺はまっすぐセリアの瞳を射抜いた。


「俺がLv.3までしか見れない下位技能鑑定士《スキルリーダー》だからか? それとも……」


「……やはり、俺が『教会所属』の鑑定士《スキルリーダー》だからか?」


「ッ……」


 セリアは気まずそうに視線を泳がせた。

 やがて観念したように、肩を落とす。


「……すまない。お前を嫌っているわけじゃないんだ。だが、支援者も幹部たちも、教会の介入をひどく嫌っていてな」


 セリアは息を吐いた。


「教会から派遣された鑑定士《スキルリーダー》を、いつまでも中枢に置くのは政治的に都合が悪いんだよ」


 技能鑑定士《スキルリーダー》。


 人々の人生を左右する、絶対的な職業だ。 この世界の人間には、生まれながらに『技能系統《スキルツリー》』が刻まれている。その根幹が【主脈《スキルレベル》】、そこから伸びる個々の能力が【枝脈《サブライン・スキル》】だ。


 主脈のレベルは、この世界に明確な階層を形作っている。


 冒険者や傭兵として活動する最低ラインが【Lv.2】

 実力者がひしめくボリュームゾーンが【Lv.3】

 中堅からエース級として名を馳せる【Lv.4】

 国家のトップ層、特級戦力として扱われる【Lv.5】


 さらにその上――


 各国の筆頭戦力クラスたる【Lv.6】

 大陸最強と謳われる一握りの英傑【Lv.7】

 おとぎ話や歴史に名を残す伝説の存在【Lv.8】

 そして、存在だけが神話として語られる神の領域【Lv.9】


 人々は、自分のツリーを直接見ることができない。だから、主脈の深さと枝脈の獲得条件を助言する技能鑑定士《スキルリーダー》が不可欠なのだ。だが教会所属の鑑定士は、クランから「監視の目」として煙たがられている。


 しかも鑑定士の側にも、器に応じて「視覚化できる上限レベル」がある。低位の鑑定士には、高位の者の魂の深淵は覗けない。だからこそ、高レベル対応の鑑定士《スキルリーダー》ほど希少で重宝されるのだ。


 そして俺自身は、レッドアイズに「自分の鑑定眼の上限はLv.3までだ」とあらかじめ報告していた。


「やはり、教会所属って看板はどこに行っても面倒なんだな……」


 俺は自嘲気味に呟いた。


「お前には悪いと思ってるさ」


「だが、クランの独立のためなんだ。これ以上、教会に干渉されるわけにいかない」


「別にセリアを責める気はないよ」


「捨て子の俺を拾って育ててくれた恩で、教会にいるだけだ。教義に命は懸けてない」


「捨て子だったのか?」


「ああ、昔の話さ」


 俺は軽く受け流した。教会のしがらみなど、俺にとってはどうでもいい。


 俺の正体は、前世の記憶を持つ転生者だ。この世界のスキルの仕組みは、前世で俺がやり込んだ人気MMO『マスターズ・レギオン』に恐ろしいほどそっくりだった。世界の仕組みを知る俺には、ギルドや教会の派閥争いなど些細な話だ。


「……わかったよ。今月末での契約終了、受け入れよう」


「す、すんなり引いてくれるのか? もっとゴネられるかと……」


「その代わり、退職金と今月分の給金はきっちりもらうからな。契約書通りの正当な権利だ」


「ああ、もちろん出すさ! 事務方に満額払わせるよ」


 俺は内心で小さく肩をすくめた。口元には、営業用の笑みを浮かべる。


「話が早くて助かる」


 俺は背を向け、出口へ歩き出した。冷たいドアノブを握ると、カチャリと音が鳴る。


 最後に、肩越しに振り返った。

 デスク越しにこちらを見送る、セリアの姿。小麦色の肌に包まれた豊満な胸と、引き締まった腹筋が、薄暗がりに浮かび上がる。


(……明日からあのドエロい姿を毎日見られなくなるのだけは、本当に残念だな)


 背中にセリアの声を受けて、俺は執務室を後にした。

 クランの建物を出ると、肌を焼くような昼の熱気が押し寄せてきた。


「さて……明日からどうするかな。契約を切られた件、とりあえず教会に報告しに行くとしますかね」


 雑踏の中、俺は懐の革袋の重みを確かめた。

 ぽつりと呟いた瞬間、胸の奥にじわりと冷たいものが広がっていく。


「……だめだ、なんか急に悲しくなってきたな。やってられるかよ。どれだけ俺が今まで必死に育ててきてやったと思ってんだよ……」


 さっきまでは平静を装っていた。

 だが一人になった途端、理不尽に職を失ったやるせなさが込み上げてくる。


「教会に行く前に、屋台で一番高い肉でも買ってやけ食いしてやる!!」


 香ばしい油の匂いが漂う露店街。俺は懐の重い革袋を、ぎゅっと握りしめた。

リアクションやブックマークしていたいただけると喜びます。


マルク達のこの先の冒険が少しでも気になる方は、☆、ブックマークお願いします☆

カクヨム様でも掲載させていただいております。

是非、応援お願いします。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。