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旅路  作者: 風の中で
13/16

13.魔物?

8月10日


いつも通りに起きて、簡単に顔を洗って、また狐芙の家の前に来た。ここ数日と同じように、ドアをノックする。


トントントン。しばらくしても狐芙は出てこない。まだ寝てるのか?


トントントン~ ちょうど振り返ろうとしたとき。


「陌鋒?」


「あ…まだ寝てるかと思ってた」 振り返って言う。


「入ってよ…」 狐芙を支えてソファまで連れて行き、隣に座る。彼女はソファに寄りかかって、元気がなさそうだ。


「足、ちょっとは良くなった?」 尋ねる。


「うん…まだ痛いけど、ちょっとは良くなったかな? あんた、まだご飯食べてないでしょ?」 そう言って、丸ごと一枚のパンを差し出す。


「今日はなんで元気ないんだ? 夜よく眠れなかったのか?」 言いながらパンを受け取り、二つにちぎって、丸ごとの方は机に戻す。一つを狐芙に渡す。狐芙はパンを受け取る。


「お腹が痛い」 パンをぼんやりと見つめる。


「お腹が痛い? あ…トイレに行くのか?」


「そういう意味じゃないの。もう聞かないでよ」 パンを見ながら続ける。


「あんたに出会えてよかった」 続ける。


「あ…どうした?」 まばたきして尋ねる。


「ただ思い出してただけだよ!」


「あ…会ったばかりの頃…正直言うと、あんまり覚えてないんだからな…あいたっ!」 顎に手を当てて言うと、すぐに彼女に抓られた。


「会ったばかりの頃、あんたも他の人と同じかと思ってた。ディシアさんがなんでこんな人を連れて帰ってきたんだろうって。どうせ金のために冒険者になっただけで、数日で辞めるんだろうなって。でも――」


「そこまでは考えてなかったな。ただみんなが親切にしてくれてるなって。よく考えると、まだ知り合って2ヶ月も経ってないんじゃないか? 知り合ったばかりの頃は、あんまり話したこともなかっただろ?」


「バカみたいな新人とは話したくなかったんだよ、ふんふん…」


「俺はバカじゃないって」


「そうね、あんたは思ってたよりずっとバカよ。私がいなきゃ、あんた一人じゃダメね」 彼女は微笑みながら言う。


口を開けてぼんやりと彼女を見つめる。彼女はまばたきして、すぐに顔を前に向け、手で顔を覆う。


「そこまでバカじゃないだろ?」


「あ…あんた、もう行ったほうがいいんじゃない? ディ…ディシアさんが待たせてるよ!」 急いで言う。


「あ、じゃあ行ってくるわ。また午後に来るから」 立ち上がって振り返ると、彼女はまだ顔を覆っている。


---


そのまま何日か過ぎた。この数日、いつも通り朝に狐芙の家に行き、依頼をこなし、また狐芙の家に行く。ただそのうち何日かは雨で、姉貴と訓練したり、柯由也の鍛冶屋を手伝ったり、剣の鍛錬を学んだりした。


---


8月19日


あああ… 首をかきながら欠伸をして服を着る。簡単に顔を洗って、狐芙の家の前に来る。


トントントン しばらくノックする。


トントントン 続けてノックする。ノックしながら空を見回す。今日は天気が良く、日差しが眩しい。


狐芙がまだ出てこないので、もう一度ノックしようと手を伸ばしたら、まだ触れないうちにドアが開いた。


「あああう…陌鋒」


「どうした、寝不足か?」 狐芙がソファに戻る。ついて行きながら尋ねる。


「分かんない。ただすごくすごく疲れる。ちゃんと寝たはずなのに。あうううう」 欠伸をしながらぼんやりと言う。


「じゃあ、先に行くよ。昼にまた来る」


「うん…今日こそ依頼を受けに行けると思ったのになあ…うううう~ じゃあ、もう少し寝る~」



「行ってこい。とにかく、また昼に」


「うん…」


---


外に出て、冒険者ギルドへ向かう。ドアを開けると、普段は左の椅子に座っているディシアたちの姿がない。大進と平野は数日前に故郷へ帰った。


「まだ来てないのか?」 そう思いながら、どれくらい経ったか、ただ椅子に座って待つ。


「あ…やっぱり姉貴を探しに行こう」 立ち上がり、ギルドを出る。左に曲がってまっすぐ進むと、しばらくして一つの屋敷の前に立つ。


トントントン 屋敷の門をノックするが、しばらく待っても姉貴は出てこない。


トントントン! 少し強めにノックする。


「あああああ…陌鋒か?」 ディシアが欠伸をしながらドアを引いて言う。


「とりあえず入れ」 ディシアに連れられて中に入る。正面に灰色のカーペット、右側は二階への階段。ディシアについて行くと、リビングに着く。ソファがあり、左側はベランダ。奥の右側はキッチン。ディシアの後ろについて行き、彼女はソファの一番近くにある一人掛けソファに座る。俺は奥の大きいソファの前に座る。


ディシアは顔を揉みながら言う。「なんかすごく疲れる。昨日は別に何もしてないのに」


「狐芙も今日は急にすごく疲れたって言ってました」


「狐芙も言ってたのか? あ…とにかく、また後で見てみよう。今日は一日休ませてくれ」


うなずいて言う。「じゃあ姉貴、ゆっくり休んでください。俺は草摘みの依頼を受けてきます」


「あああああ…お前も気をつけろよ」


「大丈夫です、姉貴」 そう言ってディシアの家を出て、再び冒険者ギルドに戻り、草摘みの依頼を受ける。


西の方、あの「斐茲の森」へ向かう。


---


一通り探し回って、わずか数本の草しか見つからなかった。手の中の草を見ながら考える。


「この辺りのはもう摘み尽くされたのか? じゃあ、ちょっと遠くまで行ってみよう。たぶん…迷わないよな?」


前方へ歩いていく。どれくらい歩いたか、ただ地面を見て、あれば摘む。ふと手の中の草を見ると、もういっぱいになっていた。


「そろそろ戻らないと」 顔を上げると、目の前は平原だった。


数歩前に出て、平原を眺める。さっきまでいた場所は木がだんだん減っていくのが感じられた。左右を見ると、右側にはまだ何本か木があるが、左側には高く突き出た小さな山がある。


「今度は狐芙を連れてこようかな…正直言うと、もう来たことあるんじゃないか? だって結構近いし」 振り返って考える。


「とにかく、戻ろう」


---


「ああああああっ!」 遠くで叫び声が聞こえる。


勢いよく振り返り、反射的に音のした方へ走り出す。あの山の方角だ。


剣を抜いてそのまま突き進む。山の前に洞窟の入り口があり、入り口の前に何かが立っている。剣を鞘に戻し、急いで洞窟の入り口まで駆け寄る。そこには一人の子供が立っていた。しゃがみ込んで言う。


「どうした?」 彼女はまだ泣いていて、答えない。怖がっているのだろう。


立ち上がって振り返り、洞窟の中を見る。


「もう大丈夫だ」 そっと彼女の肩を叩いて言い、洞窟の奥へ進む。すぐに二つの影が洞窟の奥から走ってくる。


彼らは俺を見て立ち止まる。中の男の子が振り返る。


「何があった?」 先に尋ねる。


「分かんない。この辺で遊んでたら、中に何かが…」 男の子が震えながら言う。


「とりあえず外に出よう」 言う。


「リード…リードがまだ中にいる」 女の子が奥を指さす。


洞窟の奥を見上げる。女の子の肩に手を置いて言う。「お前…カルパー村の場所を知ってるか? ここから出て右にまっすぐ行け。そこの冒険者ギルドに行って、ディシアって人を探してくれって言うんだ。いいな?」


彼女は震えながらうなずく。


「一人はここで待ってろ…リードを。一人はディシアを探しに行け…ディシアを」 言いながら洞窟の奥を見る。息を一つ吐く。


---


奥へ走る。中は広い。中を見ると、何もない。足を遅くする。前方に人影がある。地面で何かがちらついている。


その人影のそばに急いで駆け寄る。彼は壁に寄りかかり、口を開けて前を見ている。地面の石炭ランプの残り火がちらついている。


「お前がリードか?」 肩に手を置いて言う。


「リード!!!」 肩を揺すりながら続けて呼ぶ。


彼は俺を見て、また前に向き直り、手を伸ばして指さす。


振り返る。目の前には何もない。真っ暗で、入り口から差し込む日差しだけがある。しかし前方から突然ガサゴソという音が聞こえる。まばたきして前を見る。


反射的に剣を抜いて防御する。攻撃が刀に当たり、ジャリジャリという音と共に火花が散る。ガシャンと音がして、全身が岩壁にぶつかる。


「あ………」 前を見る。何かが少しずつ左肩に落ちてくる。左を見ると、壁の石が剥がれて体に落ちている。


「行くぞ」 洞窟の入り口を見て言う。


入り口に向かって歩き出し、そっと彼の手を引く。彼はまだ洞窟の中を見つめ、足取りは遅い。右前方から再びガサゴソという音がする。再び刀を掲げて防ぐ。刀身から火花が出る。衝撃で手が震える。ドンという音と共に、小さな落下音が聞こえる。息を吐いて入り口を見る。


「出て行け!」 強く彼を引っ張って叫ぶ。彼はよろめきながら振り返って俺を見て、また入り口を見る。


ゴゴゴという風切音が再び聞こえる! 再び刀を掲げる。刀身を横にして、攻撃を受け止めやすくする。ガンという音と共に攻撃が刀に直撃する。手が震え、刀身がどんどん後ろに押される。刀身を左に傾け、右に素早く避ける。ドンという音と共に、攻撃が壁に当たる。入り口を見ると、あの男の子は外へ走っている。前を見て、入り口の方へ数歩進む。


前方から再び風切音。攻撃が再び襲いかかる。必死に音で攻撃の方向を判断する。


剣を掲げる。攻撃が刀身に当たり、衝撃で手が震える。再び刀身を回転させ、右に避ける。


深呼吸して入り口を見る。ガサゴソという音が再び聞こえる。前を見て、素早く左に方向転換する。攻撃が左側から襲いかかる。それを防ぐ。攻撃の衝撃で後ろに滑る。刀身を回転させ、右に閃く。攻撃が左肩の上をかすめたのを感じる。素早く左肩を見て、また前を見る。


攻撃が何度も何度も襲いかかる。


時間はあっという間に過ぎた。奴は無数の角度から攻撃してくる。防いではいるが、その攻撃は俺をどんどん奥へ、洞窟の中央付近へと誘い込んでいく。


息を切らしながら前を見る。時々入り口をちらりと見る。


ガサゴソという音が再び聞こえる。体を横に向けて再び攻撃を防ぐ。息を切らしながら前を見る。何度かの攻撃の後、毎回攻撃の方向が自分の正面と左右に保たれていることに気づく。前を見て息を整える。


前に走り出す。自分が奴がいると思う場所へ向かって。


ゴゴゴという風切音が再び聞こえる。自分の真正面だ。


「あ…!」 剣を振るいながら左側へ走る。剣が硬い何かに当たり、ガンという音がする。背後でドンという音。前に走り出し、力いっぱい前に跳び、剣を振るう。剣に沿って半回転する。刀身が何かを斬ったのを感じる。


ボンという音と共に壁にぶつかる。左手が壁につき、冷たい感触が伝わる。前を見る。薄暗い洞窟の中、何かが地面に倒れていて、動かない。


ガチャンという音がそばから聞こえる。前を見て観察する。下を見ると、剣が地面に落ちている。手に何か感覚がある。生暖かい感触。手を上げて、手のひらを見る。そこには何かがついている。地面に座り込む。いつ座ったんだ?


息を切らしながら、右手を右腹に当てる。


「あ…あ…」 そこから激しい痛みが走る。下を見るが、何も見えない。右側のズボンがゆっくり濡れていくのを感じる。


息を切らす。「あ…俺、死ぬか?」 入り口を見上げる。入り口には誰もいない。音すらない。


「あ…奴の攻撃が終わってから行くべきだった…あ…間違えた」


大きく息を吸う。右腹の痛みがだんだん薄れていく。もしかしたらかすり傷かもしれない。


必死に呼吸する。どれくらい経ったか、呼吸が…複雑になっていることに気づく。吸う息が吐く息より多い。喉が渇いた。


うつむいて前を見る。たぶん前。必死に息をする。体が少し冷たくなり、目もだんだん開けられなくなる。必死に目を開けようとする。少しは効いてる…か?


「俺、どうした…死ぬ…かな?」


前方に振動を感じる。顔を上げて見るが、何もない。何かが自分に触れているのを感じる。何か…何か…………

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