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墓に添える花の名は  作者: 春鏡凪/ちゃんす
死の部屋編
7/77

隣人の顔

あれから数日零は俺の部屋に来ず、今日来たと思ったら何もなかったかのようにニコニコ笑って俺の膝の上にいた。

でもどこか違和感がある気がする。

いつもの零とは違うような、、、。

『勝星!ねぇねぇ!隣の部屋行ってみようよ』

俺のそんな疑問を知ってか知らずか零は明るい声で言った。

そしてそんな言葉が出てきたものだから俺の疑問は脳味噌の奥の奥の方にしまい込まれてしまった。

『え?隣の部屋って?』





『ちょっと前に話したでしょ?死の部屋に来た子がいるって。』





『あぁ、そいつか。でも別に会いにいく必要なんてあるか?普通知らない赤の他人に尋ねられたら怖いだろ?』

そう言うと零はギクッと肩を震わせた

何か裏があるな。

『おい、おまえ何か隠してないか?』

するとあからさまに零の顔が引き攣った。

『なななな何も隠してなんかないし?何にもないし?』

フューフューとなってもいない口笛を鳴らしながらあからさまに動揺する零。





わかりやすい、、、、





『おまえ顔に出てるぞ、何を隠してるのか話せ』

しばらく零は渋っていたがついに諦めた

『あの子、、友達がほしいんだって』

は?

『どうしてお前がそんなこと知ってるんだよ?』

『だってあの部屋でボソって呟いてたの!「友達、人生に一回は、いてほしかったかな」って!』

『だからって俺じゃなくてもいいだろう?それにな、俺は友達ができないってそこまで大変なことではないって思ってる人だからそいつの考えは多分理解できねぇよ』

『それでも!お願いだから会ってあげてよ!私が頼れるの勝星しかいないんだから!ね?お願い!』





どうしてこいつはこんなにも必死になっているのか、俺が死ぬ前に成仏させてやりたいのに未練が増えるようなこと、、、





ちょっと待てよ?こいつの未練ってこれなんじゃないか?誰か大切な人が友達いなかったとかそんな感じの、、、。よし





『勝星?どうかしたの?』

そう言って顔を覗き込んでくる零

『いいや、何でもない。いいよ行こうじゃないか、変わりもんの元へ』

すると零はパッと顔を明るくした

『いいの?やったー!!でもどうして急に?』

『いいや、よくよく考えてみたら俺暇だし、それにもしかしたらお前の未練がそういう感じのものの可能性もあるしな。お前、前もこんな感じのことがあったんじゃないか?』

『うーんよく思い出せないけど、幽霊になってからそういう友達がほしいって言ってる子に凄く何かひかれるんだよね。助けなきゃって力にならなきゃってね』

おお!未練ぽい!

『よし、そうなれば俺はそいつの友達にできる限りなろうじゃないか!』

『ありがとう!勝星!、、、あれ?』

ポロポロと急に零が泣き出した

『おい?どうしたんだよ急に?そんだけ嬉しかったのか?』

『うん、多分悲しいって気持ちから来たものではない気がするんだけど、なんか心の力んでたのが少し楽になったような気がするんだ』

『こりゃ本当にお前の未練かもしれないな。俺が死ぬまで時間はないだろうし好都合だな。よし、善は急げだ。今すぐ会いに行こう』

そう言って俺はサッと零の涙を拭おうとしたがスカッと通り抜けてしまう。

『あぁそっか、触れないんだよな。自分で拭えるか?』

『馬鹿にしないで、私、子供じゃないんだから』

『それもそうか、お前俺より年上だもんな』

『それもそれで嫌だ』

そう言いながらゴシゴシと零は目を擦った。ちょっとだけ目元が赤い。

『よし、行くか!』

そう言って俺は零に案内を任せ、ガラガラと病室のドアを開けた。

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