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墓に添える花の名は  作者: 春鏡凪/ちゃんす
金平糖
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トウチャク

そんなこんなで俺たちは紺平の部屋に到着した。

ある意味さっきので子どもたちがいなくなって助かったのかもしれない。

子どもたちが紺平の部屋に入っていく俺たちを見た暁には自分の部屋にも〜が延々と続くのである。


俺はとりあえずドアをノックする。名札を見る限り紺平の部屋は個室、他の子供に見られる心配はない。


コンコンッ


『紺平~?入っていいか~?勝星だ』


『星兄?ほんとに?いいよ』


紺平のおとなしめな声が聞こえてくる。

返事をもらえて俺たちは遠慮なく病室に入る。

そこには確かに紺平はいた。確かにいた。だが、俺が予想していない奴が一人いた。


『あれ?那花さんじゃないか!!』


そう、そこには名代梨蘭がいた。


『お前っ!!なんでここに!?』


『?兄ちゃん、星兄と友達なの?』


NITYAN?


紺平の言葉に俺は目をパチクリした。

言われてみれば名代って名字は確かに二人共同じだ。


『まさかこんなところで君とまた会えるなんて思っても見なかったよ~』


そう言ってニコニコ近づいてくる名代。


すると俺の前に連が滑り込む。


『さっきの言葉、忘れたわけじゃないよね?振られたくせに』


俺は連の後ろに隠れるかたちで名代にどう接するべきか考えた。

こいつ単体ならまだしも、弟の前で兄と仮にも自分が懐いてる奴が喧嘩したらどうだ?紺平の性格上、落ち込むことは容易く想像できる。


ヤバい、紺平がアワアワしてる。


それを知ってかは知らないが名代は笑顔を絶やさずに連を挟んで俺の前に立った。


『いやでも諦めないって言ったじゃん?』


悪びれなくさらっと言った…笑顔が怖い……。


『星兄と兄ちゃん、仲悪いの?』


紺平の不安そうな声が聞こえる。

マズイマズイ!?


『いや、仲悪いとか以前に俺たち、ただの知り合いなだけで……』


『え?そうなの?ちょっと嬉しかったんだけどな……星兄と兄ちゃんが仲いいってすごく嬉しいことだし……』


少し紺平が寂しそうな顔をする。

少し良心が痛むが本当のことなんだし、しょうがないよな。

そう言って俺はさっき拾った金平糖を取り出そうとポケットに手を突っ込もうと腕を曲げる。だが、その腕はポケットに届くことはなかった。

俺の腕に届いたのはニコニコ黒笑をした名代の手だった。


『那花さん、何冗談言ってるんだい?僕達学校でもよく話している友達じゃないか?』


『本当!?』


『へ?』


つい素っ頓狂な声が漏れる。

今言われた言葉が頭の奥底に沈んでいきそうなのをどうにかしておさえた。

否定するんだ、否定しないと……またあの時みたいに追っかけられるかもしれない……

そんな気をよそに紺平がキラキラ光る目で名代を見ている。

断るんだ……

たぶん俺が今まで見てきた中で一番キラキラした目……。


これは……


『那花さん?そうだよね?』


目の前にはニッコニコの黒笑をしている名代。

横には混乱しているのか固まっている連。

この状況で俺が発するべき言葉、いや俺が発するしかできない言葉は……


『ハハハ、ソウダヨ…』


自分でもびっくりするくらい片言な言葉だった。

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