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墓に添える花の名は  作者: 春鏡凪/ちゃんす
金平糖
56/77

正反対

俺がまだ小学生の頃、生徒会長もとい名代梨蘭は俺と同級生だった。しかも一度もクラスが違ったことがないという偶然ぶりである。


そうなったら仲良くなるのではないかと思うかもしれないが違った。俺は逆にあいつのことが大嫌いだった。


人望に溢れて成績優秀、スポーツ万能、まさに完璧人間。


俺がすっぽんであいつが月


月とすっぽんなんてよく言ったものである。


それだけなら良かった。

俺を最も苛つかせたのはあいつの行動だった。


隅で小さくなってる奴を遊びに誘っては仲良くなっていくその姿に俺は虫唾が走った。


いや、今思えば嫉妬だったのかもしれない。俺は周りに原因不明の失神のことと病気もあってうまく溶け込めず、ずっと孤立してたから。


そんな時、あいつが俺にボールを片手に声を掛けてきた。


『ねぇねぇ!勝星くんだよね!!ずっと教室にいたってつまんないし、一緒に遊ぼうよ!!これからみんなでドッチボールするんだ!!』


キラキラと輝いた目はこの世の暗いところなんて一ミリも知らないように光ってて、笑顔なんて正直お陽様みたいに眩しく感じた。

大抵の人ならこれでうんとか言っちゃうんだろうな。


しかし、俺の口から出てきたのは肯定の言葉なんかではなかった。


『何でつまんないって決めつけるの?』


『え?』


『俺別につまんないって思ってないし、教室で一人のほうが気が楽だし、大体俺運動苦手だし、ドッチボールなんてしても嫌な思いするだけだと思うから。いい。』


『でも、みんなと遊びたくないの?運動もみんなですれば楽しいし行こうよ?』


『そういうのいいから。俺に構わないで。あと急に名前呼びしないで』


『え?……うん……分かった…』


あの時のしょぼんとした顔が忘れられない。

流石に悪いと思ったが少しあいつの発言にイラッときたのだ。

ヒーロー気取りなのかと。


別にヒーロー気取りが悪いと言う訳ではない。

確かにそれで救われている人も大勢いるのだから。


ただ、物心ついた頃からなぜか俺はヒーローとかが大嫌いだった。

特に理由もないがすごい嫌悪感を抱いていた。

こんな子供、冷めきってるにも程があるがとにかく嫌いだった。


あいつは別に悪くない。すごくいいやつなんだろうが俺は好きじゃない。


あの後、あいつは俺にちょくちょく話しかけてきた。


『ねぇねぇ、那花さん!昨日のハナレンジャー見た?』


とか


『何してるの?僕も混ぜてよ!ねぇ、明花も一緒に名代さんと折り紙しよ!!』


とか


普通あんなことがあったのだから距離を置きそうなものだがめげずに俺を仲間にしようとしてた。

陽キャの塊かなんかか?あいつは。

正直うざったらしくなってきたのである時からとにかくあいつから逃げた。

とにかく逃げた。


正反対の奴と仲良くなるなんて真っ平ごめんだ。


中学は一緒だった。


しかし中学へあがったのと同時にあいつはピタッと俺を追いかけるのをやめた。


流石に諦めたんだろう。


それから俺はボッチを貫き続け、あいつはいつも周りから囲まれているという最初の状態に戻り、中学を過ごした。


そして高校。まさかのまた一緒の高校だった。


まぁ、関わりなんてなく、奴は生徒会長を務めるまでになり、俺はぼちぼちボッチ生活。


そうやって俺らの関係は小学生の時点で終わったと思っていた。

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