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墓に添える花の名は  作者: 春鏡凪/ちゃんす
金平糖
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改心

零と話してすっきりした俺は零に何かしてほしいことはないかと言ってみた。ちょっとしたお礼だ。すると零はしばらく悩んで本が読みたいと言った。


いいよと言うと零は手をあげて喜んだ。俺が提案したかいもあるというものだ。


そして俺は、以前、連が持ってきてくれて戸棚に閉まってあったおすすめの本を取り出す。

なんでも、俺たちと同じくらいの歳の人が書いたものらしくちょっとした話題になっているらしい。


タイトルは、、、


『生きているってなんだろう?』


なんか道徳とかに出てきそうな題名だな、、、。


と言っても持っている本はこれしかないので、とりあえずページを開く。


連のようにサラサラと読めるわけもなく所々でつっかえたり噛んだりする。零が気を悪くしないかと心配だったが気にしてはいないようで物語に夢中なようだった。


この物語はジャンル的には恋愛もののようだった。


登場人物は主に3人。


病気がちな主人公である少年と幼なじみである少年と少女。


この物語のあらすじはこうだ。


病気がちな主人公はよく幼なじみである二人にお見舞いに来てもらっていた。


子供の頃は3人仲良く過ごしていたのだが、高校生になった時、少年たちは少女に恋してしまっていることに気づく。


そしてお互いに彼女を奪い合うのだが、最終的に主人公は彼女ももうひとりの少年に惹かれているのに気づいてしまう。


もう、病気で余命が幾ばくもないと宣告されていた主人公は彼女を諦めることにした。それを二人に打ち明けて、見守られながら彼は人生に幕を下ろした。


話だけ見ればよくある話のようだが俺は主人公の考え方に惹かれた。


実はこの少年は余命を宣告された時からずっと自分の生きる意味について考えていたのだ。

俺はこんな静かな終わり方で死ぬのかと、好きな人すら手に入れられないのかと、ずっとそんなことをもんもんと考えていたのだが、命が尽きる最後の瞬間彼はフッと笑ったのだ。


なぜなら幼なじみである彼らの中に色濃く自分を残せたから。

それはここで自分が終わる訳でもないし、ある意味彼女の特別な人になることができたと気づいたからだ。

生きる意味とは誰かに自分を残せた時、初めて生まれるのだと気づいたから。


この最後の言葉に俺は感嘆した。生きる意味なんて考えたこともなかった。

連や零に出会う前はずっと死ぬことばかり考えていた。

出会ってからはいつの間にやら死にたいなんて考えはどんどん薄くなっていた。しかし、コアな一番深い部分ではまだ、ドロドロとした黒い感情は残っていた。

俺は今死んだら、誰かの中に残れるのだろうか?

そう考えるとまだ少し残っていた死にたいっていう気持ちが気持ちがサラッと流れていくのを感じた。

生きなきゃ、零が成仏しても、、、連やクロマン、、、これから出会うであろう愛する人たちと、、、


『あぁ、やっとだ、やっと本気で生きたいって思ってくれた』


そう零から聞こえると零の体から何かがポンッと抜け出した。

髪は長い金髪で白いローブを纏い、まさに神話で見た神様そのものだった。


『誰!?』


するとその人はクスクスと笑った。


『僕は”生”の神の弟子。一応神様の卵だよ』


『え?』

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