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墓に添える花の名は  作者: 春鏡凪/ちゃんす
金平糖
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零とのちょっとした夜

夕飯を食べて、また零のことについてパソコンで調べる。

どれだけ探してもないと言っても検索にヒットしているものは一万ほどあるから、その中に重要な何かがないとは限らない。


『勝星〜?』


零が来た。

俺の肩や頭の上をしばらくプカプカ浮遊すると俺の膝の上に落ち着いた。勿論通り抜けてしまうから俺の膝の上で浮遊しているって言うのが正しいのだろうが、、、。


カタカタカチカチとその音だけが病室に響き渡る。しばらく零はじっとしていたが、急に俺の顔を見上げだした。俺はその視線があまりにも頑なだったため少し居心地が悪くなる。


『零、どうした?そんなに見つめて』


俺はたまらず聞いた。

すると零は少しだけ笑って俺の頬に手を伸ばした。


『いや、ちょっと懐かしいような、寂しいような気持ちが溢れてきたの。前にもこんなことあった気がするなって』


『!!?何か思い出したのか!?』


俺は前のめりになって聞く。

零は俺の膝で寝返りをうって寂しそうな目をした。


『全然。でも体がね、懐かしいな悲しいなって呟いてるんだ。よくわかんないの、この気持ち』


そこから俺は何も言わなかった。いや、なぜか口から声が出なかった。

何かを恐れているような感覚だった。

そこから沈黙が続く。

俺はまたパソコンにかじりつくことにした。

カチカチカタカタ。またそんな音だけが響く。

スー。スー。

そんな音が混じっていることに気がついて俺は膝を見る。

零が寝コケていたのだ。


『子供みたいな見た目してるけどこいつは中身も子供なのか?』


一応百年ほど彷徨っている霊である。多少お婆さんみたいでもおかしくはないと思うのだが、零はどう見ても子供だ。

もしかして百年前にこの見た目の歳でなくなったのだろうか。

そう思うと零が不憫に思えて俺は通り抜けるとわかっていながらも零の頭を撫でる。

すると少しだけ触った感覚があった。


『!!?』


さらりとしてツルンとした艶髪だった。

俺、つまり今、零に触れたのか?


俺は確かめるためにもう一度触ろうとする。

しかし手は零を通り抜け俺の膝にあたる。


何だったんだ?気のせいか?


しかしあれは確かになにかに触れた感触だった。

しかもあのさらりとした髪、どこかで触ったことがある気がする。

思い出そうと頭を巡らせる。


『グッ!!?』


俺は突然の頭痛に襲われる。この感覚、あの原因不明のあの失神するときの感覚だ、、、やばい、意識飛ぶ、、、。俺は消えそうな意識の中でナースコールに手を伸ばす。しかしあと少しで届くところで俺の意識は途切れた。

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