響く声
俺たちが笑い合っていると急に連の部屋の方から声が聞こえた。
『連!!』
『離せよ!!お前ら何なんだよ!!僕はまだ死にたくないんだ!!』
『うるせぇ!!さっさと大人しく観念しろ!!』
連と零の声だ!!襲われているのだろうか!?
俺は急いで連の部屋のドアに向かって走り、ドアを開けようとした。
ガチャン!!
ドアの鍵が空いていない。
中の奴ら、わざわざ鍵閉めたのか!?
『坊っちゃん?どうされました?』
扉を壊そうと必死にタックルしている俺を心配そうにクロマンは見つめた。
『俺の友達、、、(ドン!)色々事情があって、、、(ドン!)悪い奴らから狙われてるんだ、、、(ドン!)このままじゃ、、、』
『なんとなくですが事情はわかりました。坊っちゃんは危ないですから下がってください』
『え?』
そう言ってキョトンとする俺が後ろに下がるのを確認するとウラーーーーと声を上げて壁をぶち破った。
『何だ!?こいつ!?』
『あの壁、ぶち破ったのか!?』
その後ドゴッ、バキッ、と音が聞こえたかと思うと砂埃の中からクロマンは連を抱えて戻ってきた。
『連!!』
『勝星!!』
連は俺を見るなり、クロマンに降ろしてもらって俺に抱きついた。
零は後ろから心配そうに出てくる。
『僕、もう殺されるのかと思った、、、。ありがとう』
『連が無事で良かった〜』
零が安心したように飛び回り出した。
『お礼ならクロマンに言えよ』
そう言うと連は振り向いてクロマンに深々と頭を下げた。
『ありがとうございます、、、本当に、、、』
『いえいえ、当然のことをしたまでです』
『連、こいつらは?』
『急に窓を割ってきて僕を殺そうとしてきたんだ』
ブルブルと顔を青くしながら連は下を向く。
『あの、、、どういったご事情があるのでしょうか?宜しければお教え頂いても、、、?お力になれるかもしれません』
連を襲っていた奴らを縛り上げながらクロマンは聞いてきた。
『クロマンさん、、、でいいんでしょうか?もちろんです。助けて頂いた恩もありますし、何より勝星も信頼しているようですから』
そう言って俺を見て信用していいのかと目配せをしてきた。
俺は力強く頷いて連は安心したように息をはいた。
そこから連の置かれている状況について事細かく説明した。
クロマンは頷きながら、本当に真剣に俺たちの話を聞くとしばらく考え込むように顎に手を当てた。
俺たちの間に沈黙が流れていると、プルルルルルと着信音が鳴り響いた。俺たちははっとして周りを見渡すとそれは連を襲いに来ていたやつの携帯だった。クロマンは何か思いついたかのようにポンと手を打つとその携帯を拾って躊躇なく出た。
『え?ちょ?クロマn、!』
俺が声を上げようとするのを人差し指に自分の唇を当てて制す。
『はい』
クロマンがそう言った瞬間俺と連は顔を見合わせた。
声が全く違うのだ。しかもこの声どっかで、、、
『この声ってさっきの奴らじゃない?』
連が俺に耳打ちしてくる。
あぁ!そうか!確かに同じだ。
声帯模写と言うのだったか、、、クロマンってかなりすごいんじゃ、、、
『おい!?もう終わったんだろうな?あの娘、始末できたんだろうな?』
スピーカーモードにしてくれているのかよく電話主の声が聞こえる。
『はい、滞りなく』
『それは良かった。あいつ始末しねぇと本家がうるさくてな、、、ところで娘の母親だが、、、』
『はい』
淡々と返していくクロマンに俺たちはポカーンとしていた。
零なんかちょっと目が輝いてる。そして連は母さんという単語に反応した。
『アイツは殺す事になった。息子を返せって暴れたらしくてな。邪魔だから今日の夜中2時頃に殺そうと思ってな、、、後処理任せられるか?』
『はい、それでどこに向かえばよろしいですか?』
『今日は九番で処刑だ!!必ず来いよ!』
『了解です』
ピロンと通話が切れる音がすると連が膝から崩れ落ちた。
『母さんが、、、今日殺される?、、、嘘だ、、、嘘だ!!』
連の目からポロポロと涙がこぼれ落ちる。
するとクロマンがハンカチを差し出す
『連様、心配無用です。きっとお母様は助けられます』
『え?』
『これから私の部下を救出に向かわせます、優秀な方ばかりなのできっと大丈夫です』
『でも、九番とか、、、場所わかんないし』
『九番の場所は分かります。だって、、、私はたぶん元その組織のメンバーですから』
『え?』
『え?クロマンが入ってたのってそのチームだったのか!?』
『ええ、恐らく。隠語も昔と変わってないんですね』
『どういうこと?』
『説明は後で、、、私はちょっと仲間に連絡してきます』
そう言ってクロマンは去って行った。
俺と連と零はポツンと置いていかれた。




