自販機ヘgo
零は笑った後、壁に戻っていった。
俺は喉が乾いていたことを思い出し、財布を持って病室の外に出る。光っているのは足元だけで先は真っ暗だ。
少し不気味だが、霊感がある俺が怖がっていてもきりがないので、できるだけ無表情でいく。
怖いって思うから怖いんだ。出たってボーッと突っ立てる生霊か亡霊だ。そうだそうだ、
ダイジョブ、ダイジョブ
そんなことを考えながらちょっと自販機のとこまで来て水を買う。
パ水を飲みながら、部屋に戻ってくると、部屋の扉の横に何かあることに気がついた。
なんだろう、、、生霊か?
いやでも、霊なら光るはずだし、、?
『ん?』
ソーッと近づくと、シクシクと声が聞こえる。
泣いてるのか?
よく目を凝らすとそこにいたのは膝を抱えた大男。
つまりクロマンだ。
あんな体格な人はそうそういないだろう。
『クロマンか?』
恐る恐る声をかけるとクロマンはハッと顔を上げた。
『坊っちゃん!!』
そう言うなりクロマンは俺の前に土下座してきた。
『クロマン!?おいやめろよ!?そんなこと!!』
クロマンを立ち上がらせるとクロマンはウッウッと嗚咽しながら、頭を下げた。
『すみません!坊っちゃん!!わだじは(ズビッ)坊っちゃんを傷つけてしまいまじだ(ズビッ)どんな罰でもうげます!どうかゆるじでくだざい!!』
その言葉を最後にウワーンと泣く大男。
俺の八つ当たりでここまで、、、
本当に真っ直ぐな人だな、、、。
それはいいけど、、、ヤバい、、、罪悪感が、、、
『クロマン、さっきは俺が悪かったんだ。本当にごめん。クロマンは何にも悪くないんだ。』
鼻水を拭いながらクロマンは言った。
『それでば、、、ゆるじてぐれまずか?』
『もちろんだよ。逆に許してほしいぐらいだ。』
『坊っちゃん、、、、ありがどうございまず』
そしてまた泣き出すクロマン。
泣き虫なんだな。
クロマンが落ち着くまで背中を擦って、やっと落ち着いてきた頃、俺は少し気になっていた事を聞いてみた。
『なぁ、クロマン』
(チーン)『はい、何でしょうか?』
鼻をかんでスッキリしたのか語彙がはっきりする。
『クロマンってさ、何でそんなに母さんのことを慕ってるの?』
ここまで忠実になるのには相当何かあったのではないかという俺なりの推測だ。何の縁もないただただ、雇われただけなら、ここまでにはならないだろう。
『それはですね』
クロマンがサングラスを外して拭きながら答える。
意外にクロマンの目が小さくクリッとしてて少し驚く。
『実は社長は私にとって、命の恩人だからですよ』
クロマンは満面の笑みを浮かべてそう言ったのだった。




