クロマンとお話
『あの、、、』
『はい!』
クロマンは少し誇らしそうに顔を引き締めながら俺を真っ直ぐ見下ろす。
『と、とりあえず怒ってるわけじゃないんですよね、、、?』
するとグロマンは慌てたように手をブンブンと振って全力で否定してきた。
『滅相もないです!!私のようなものが坊っちゃんに怒るなんてありえません!!』
俺は目の前の光景が理解できなかった。大男が俺に向かってペコペコと頭を下げている。
ちょっと優越感、、、
『あの、、、あなたはどうして俺にそこまでペコペコするんですか?』
クロマンはバッと顔を上げるとたぶんサングラスの下にある目をキラキラさせながら言った。
『ぜひクロマンとお呼びください!』
『ア、ハイ、、、クロマンさん』
『”さん”は不要です!』
『はい、クロマン、、。』
『それで、どうして私が坊っちゃんにペコペコするかでしたね。
色々ありますが一番は、、、』
ゴクリ、、、
『坊っちゃんが社長の身内だからです!』
、、、
『マジで?』
『マジです!』
『待って、、、どうして俺が母さんの身内だからってペコペコする必要があるの?俺、別に母さんと仲が良い訳ではないのに、、、』
するとクロマンは優しそうな顔になった。
『主人、つまり坊っちゃんのお母様が大事にされている方やものは私も大切にしたいのでございます、そういう理由です』
、、、
俺は急に腹がたってきた。
母さんが俺を大切にしているだって?
母さんと俺のどこを見ればそんなことが言えるんだ?
俺が病院に送られても知らんぷり。
久しぶりに話しても自分の都合ばっかり
そんなの、、、大切にしているなんて言える訳ないだろう。
『クロマン、、、』
『はい、何でしょう?坊っちゃん』
俺の顔を見たクロマンは顔を急激に真っ青にした。俺の顔に相当怒りの感情が現れていたんだろうか、クロマンはアワアワと慌てだした。
『何か失礼がありましたか!?それとも何か気に入らないことでも、、、』
『クロマン』
『はい、、、』
クロマンが俺の一言で黙り込む。さっきの誇らしげな顔や優しそうな顔はしていない。ただただ、やってしまったと顔を下に向けていた。
『出ていってくれないか、、、悪いんだけど、今、すごく機嫌が悪いんだ、、、何言うかわからないから、、、出てってくれ、、、。』
クロマンは完全に肩を落としていた。大男なのにやけに小さく見える。
『わかりました、、、、何か御用があればお電話ください、、、。』
ガラガラと扉を開け、出ていくクロマン。
俺は膝を抱えてベッドにうずくまった。
『かっこ悪いな、、、俺、、、』
今のは確実にクロマンは悪くない、、、。
俺と母さんの現状を知る訳もないのに俺は何でキレてなんているんだよ、、、。
今のって、、、確実に八つ当たりじゃん、、、。
『あぁ〜〜〜、、、もう嫌だ』
俺は罪悪感にのまれながらも気づけば寝こけていたのだった。




