こんにちは
母さんとの電話が切れたので幸子さんに子供電話を渡す。
『どうだった?』
俺はぎこちなく首を縦に振った。
『俺が欲しいものは取ってきてもらえることになりました、、、。でも、、』
『なんだい』
『母さんはやっぱりいつもの母さんでしたよ』
『、、、』
幸子さんはどんな顔をしてやれば分からないといった顔をしていた。
俺はそんな幸子さんをチラッと見て
『それじゃあ、、、母さんにお使い頼まれた人が来るらしいんで、、これで失礼します。』
後ろから『あっ』って声が聞こえたけど、聞こえないふりをした。
どうせ何言われても俺のよくわからない憤りは消えないのだから。
病室に戻ると零が俺の周りを飛び回りだした。
『勝星?どうしたの?顔怖いよ?何か嫌なことあったの?』
それに反応するように連が話しかけてくる。
『勝星?平気?まさか奴らが、、、』
連が勘違いしだした。
『あぁ、違うんだ。ちょっと母さんと久しぶりの電話で疲れただけで、、、あ、パソコンとスマホ取ってきてもらえることになったから連が嗅いだ匂いのこと分かるかもな』
『本当!?』
母さんとの会話はもちろん、お告げのこと以外はモフモフもどきに襲われたことは黙っていよう。連には霊感がないらしいから、境界に入ることは無いだろう。無駄な心配かけても無駄だし、、、
『それとさ、俺、霊が見えるだけじゃなくてお告げみたいなことを聞く力があるみたいだ。』
『ヘ?勝星、頭大丈夫?零、勝星どこかに怪我してない?』
『どこも怪我してなさそうだけど、、、まさか服の下!?』
そう言って俺の服を通り抜けようとする零を止めながら俺は連の方を向いて
『嘘じゃないし、頭もおかしくなってねぇよ!?まず、霊が見えるって時点でおかしいだろうが!?』
『あっ!それもそっか、ハハハ』
『ハハハじゃないだろう!!零も俺にセクハラするんじゃねぇよ!?』
『私、そんなことしないよ!?勝星のこと心配しただけだもん!!』
ぐぬぬ、零がムッチャ純粋な目してる、、、。罪悪感半端ねぇ、、、
『とにかく!俺はお告げを聞くことができるようになったんだ!!何でできるようになったのかとかどうやったらできるようになるかはわからないけど、練習してみるからってことを伝えようとしたんだ!!』
『待って、待って、、、まず、どうやってそんなことに気づいたの?経緯を説明してよ、、、』
『それは、、、えっと、、、いろいろ』
俺はお茶を濁す
『いろいろは、なし!本当のこと言ってよ。隠し事はなしだよ!』
せっかく黙ってようと思ってたのに、、、
連には敵わないな、、、。
俺は仕方なく今までのことを洗いざらい話した。
モフモフもどきに襲われたこと、モフモフもどきに助けられたこと、走馬灯で見た人のこと。
『うーん、テレビみたい』
『だろ?信じるのもきつい嘘くさい話だ。だから黙っていようと思ったのに』
口を尖らせてブーブーと言っている俺を見て
『勝星、変な顔してる!!』
零がそういった。
『え?どんな顔?どんな顔?』
零はそれを聞くと壁をすり抜けて連の部屋に行く
『こんな顔!』
それと同時に連の笑い声が聞こえてきた。
零のやつ、、、どんな顔してるんだ?
しかし俺もつられて笑ってしまう。
2つの病室から笑い声が響く
あぁ、やっぱり俺はこの空間が一番好きだ。
そう思った瞬間にコンコンとドアが鳴る。
『失礼します。勝星様のお部屋で間違いないでしょうか?』
そう言って現れたのはこちらもテレビに出てきそうな黒いサングラスにパリッとした黒いスーツとズボンを着た大柄な男だった。




