穴の先
ビュオオオオオオオ
俺どうなるんだ?あのフワフワもどきに落とされてこのままもしかして落下死とかか?
思わず顔が引きつる。
目を瞑ると連の顔や零の顔やモフモフが出てくる。
これが走馬灯ってやつか、、、。
ちょっと待て俺の走馬灯に何で俺を喰おうとしたモフモフがいんだよ!?
消去、消去!
俺は頭をブンブンと振る。
また俺の瞼の裏に人が出てくる。母さんに写真でしか知らない父さん、幸子さん、、、
ちょっと待て待て?
なんか俺の知らない人出てきたんだけど?
きれいな黒髪、、、俺がさっきモフモフと見間違えた人に似てるな、、、
フード被ってるけど、、、
フードのせいでよく顔は見えなかったがチラッと見える輪郭や唇はとてもきれいだった。
『ア、、ナタノ、オカアサン、、、デンワ、、、デナイ。』
うぉ!?最近の走馬灯って喋るのか!?
『ア、ナタ、、、ノ、、、スクイ、、、ビト、、デンワ、、、ツナガル』
え?スクイビトって誰だ?
救ってくれた人、、、幸子さんか?
『ジャア、、、ネ、、、イ、、キ、、』
『え?ちょ!?』
驚いて目を開けるとそこはあの黒いモフモフにあった場所だった。
戻って来られたのか、、、?
良かったーーーーーー。
それにしても、さっきのは何だったんだ?
もし言ってたことが本当だったら、
俺もしかして霊を見るだけじゃなく、予言っぽいものまでできるようになったのか?
そんなことができるなら連の母さんの場所もわかるかも知れない、、、、よし!
俺はそそくさと幸子さんのいる病室に向かった。
今はお昼休みの時間だからいるはずだ。
幸子さんがいつもいる休憩部屋に行く。
休憩部屋とは名ばかりでただの物置なのだが、、、
『幸子さん!!いますか!?』
幸子さんは案の定いて、カップラーメンを啜っていた。
医者なんだからもうちょい良いもの食べたらいいのに、、、
『勝星くん!?どうしたんだい?そんな大声出して、、、』
幸子さんに言われて気づいたが俺はかなり走っていたらしく、息も上がっていた。
『それよりも幸子さん!!幸子さんが、母さんの電話と必ず繋がる方法を知ってるって本当ですか!?』
幸子さんはそれを聞いた瞬間目を見開いた。
『何を言ってるんだい?君にも言っているが君のお母さんとは連絡がつかなくて、、、』
『嘘ですよね?幸子さん。目が泳いでますよ』
幸子さんは嘘が下手だ。
だからこそ、信じられるんだけど、、、。
『はぁ、、、何で分かったんだい?君には分からないようにしてたんだけど、、、』
『夢のお告げですよ』
流石に異次元で誰か知らない人に教えてもらったなんて言えないのでカッコつけて言ってみる。
『夢のお告げね、、、昔から勘が良かったが、何で毎回バレてほしくないことばかりバレてしまうんだろうね』
『そんなに俺、勘が良いですか?』
すると幸子さんは困ったように笑った。
『あぁ、我々が必死に隠そうとしても君はすぐ気づいてしまう、、、いっそそんな能力ない方が幸せだっただろうに』
『どういうことですか?』
『いいや、なんでもないさ。昔の話だよ、、、。』
『とにかく、幸子さんは母さんと話す方法を知ってるんですね?』
しばらく沈黙が流れて
『あぁ、知ってるよ』
そう幸子さんが答えたとき、病室はとても静かだった。




