モコ
『どうしよ、、?』
連が呆れたように笑った。
『逆に何で今まで気づかなかったの?
それら全部もれなく毎日使う生活必需品なのに。』
『じゃあ、逆に連は持ってんのかよ?』
『奴らに取られた』
『あ』
それにしてもどうしたものだろうか?
家に取りに帰るって言ってもこの病院から車でも一時間ぐらいかかるんだけど、、、
え?緊急搬送されたからそんなにかからないだろうって?
俺の学校はな、、、全寮制なんだよ!?
だから、実家はすごい遠い場所にあるし、ちょい田舎だからバスも少ない。
さて、、、どうしたものだろうか?
母さんにたのむ、、、。
無理だな、、、。
母さんからは毎月お金が振り込まれるだけで連絡が繋がることはほぼない。
そんだけ俺のことどうでもいいんだろうか、、、。
俺一応あの人の一人息子なはずなんだけどな、、、。
いやでも、、、電話かけてみるだけかけてみるか?
よし、ものは試しだ、、、。いって見るか、、、。
連と零に軽く言って、俺は病院の公衆電話の所に向かった。
カス、カスとスリッパが擦れる音だけが響く。
今日はやけに静かだな、、、。
そして公衆電話にお金を入れて、母さんの電話番号を押してみる。
『トゥルルルルル、トゥルルル、トゥルルル。
現在、電話に出ることができません。ピーという、、、、』
やっぱ出ないよな〜
俺は肩を落として帰ろうと後ろを振り返って歩き出す。
カス、カスと異様に鳴り響くスリッパが妙に怖くなって、走り出そうとしたときだった。
『もフリー!!』
その声は!!
『モコモコ!!』
いつぞやに見た俺の天使!!
前より少し黒いな、、、。
『もフリー!!モコモコ、、、モッモッモッ』
そう叫ぶとモコモコはどこかへ走って行ってしまう。
『あ!待てよ!!』
俺は走った。だけど、ある一定の距離を保っているのかなかなか追いつけない。
『おい、どこに行くんだ!?お前、そんな姿だから見つかったら駆除されるかもしれないんだぞ!?』
そうは言うものの、さっきから廊下には誰もいない。
いや、ちょっと待て、、、。
俺は思いとどまって立ち止まった。
『もフリー?モフッ!!モフモフモフモフリーー!?』
モフモフが焦ったように飛び跳ねて声を上げる。
『俺、今どのくらい走った?』
感覚的に500メートルはまっすぐ走った気がする。
そんな曲がってない病院なんてあるか?
少なくとも俺の今の病院はそんなにデカくはないはず、、、。
ってことは、、、
『ここ、境界だろ。』
モフモフはまた焦ったように飛び跳ねる。
このモフモフは大方何かの感情の残穢ってとこか?
人間に何かしら仕掛けて道連れにしようとする、悪霊の一歩手前の存在、、、。
つまり俺はあのまま走り続けていたら危なかったってことだ。
てか、俺、、、。あの本、相当好きだったんだろうな。無茶苦茶覚えてる、、、。
体に染み付いているような感じもしなくはない。。
俺、そんなにオカルト好きだっけ、、、?




