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イヴに関して少し初期より微訂正があるかと思いますが些細なものであると判断しました
違和感はあまりないかと思いますが…気になった方はすみませんm(__)m
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過去から帰還し持ち帰った記憶の魔石から操りの術の陣を解析し無効化して安堵したのもつかの間、3階が聖域化したおかげで時折イヴが降りてくるようになった。
今日もイヴが降りてきていたので3階のプライベートエリア内のリビングで大きなソファを陣取るように寝転んでいると胸の上に頭を乗せるように神力を共有していたイヴが思い出したように恐ろしいことを報告してきた。
「未報告案件があります。地球神の降臨が本日この場にあります」
「え」
思わずイヴを見る。
「地球神?」
「はい」
「冗談ではないよな。イヴはそんなことを言えるようには作っていないし……」
「はい、ですが時間は聞いておりません」
「リリスが………。マジか…」
さすがに驚愕で放心してしまった。
リリスというのは地球神の個体名である。
この世界と対になっている世界が地球であり上位の世界になるのも人の数がこの世界よりも多いためである。
神界において世界創造の際には必ず対となる世界が必須でありこの世界を創造した際には地球はすでに創造されていて対となる世界を失った時だった。
この対システムをパートナーシステムといいお互いの世界に干渉しつつ神同士で濃厚な関係になるため別名を伴侶システムという。
そう、伴侶と名つくあたりパートナーは自分の異性が最低条件だ。最低条件であり例外もある。
何故異性が最低条件かといえば神力移譲のためである。
神力移譲はイヴと同じで口から行われるためお互いが良い感情を持っていないとできないためだ。
イヴが俺に指輪を与えウィリアムにも強制した未婚という条件と理由がこれである。
リリスの悋気を恐れたためだ。
最後の転生体である俺の体の履歴に婚姻歴を残すわけにはいかなかったのだろう。
リリスははっきり言えば我が強いのでパートナー選択にも難航を極めた経緯がある。
誰だって自分より強いパートナーは選ばないものだ。
この世界が創造した時ですら神力保有でずっと上位を位置しており、なり手が誰も居なかった。
そこでリリスに手を差し伸べたのがアルフの両親である。
アルフの両親はさかのぼれば銀世宗主ともいえる高貴な血筋で当時のアルフの軟弱さに心を痛めアルフの育成を兼ねてリリスを伴侶、パートナーにすえたのである。
アルフに拒否権はなく流れるようにパートナーに決定したときのアルフの驚愕さが俺の記憶にも刻まれている。
リリスとは家族ぐるみの付き合いなので気心も知れているというのが理由だ。
リリスの姿はイヴの姿である。背丈こそ大きく違いイヴはあまり背の高くなかったアルフでさえもイヴは見上げる背丈で子供並みだがリリスは違う。恐らく俺よりも背丈が高いか同じくらいの高身長でモデルも真っ青なプロポーションを持っている。
何しろ黙って立っていれば美の女神ということでも有名だったりする。
イヴがリリスに似ているのにも理由がある。
神力移譲のためパートナーもしくは好む姿を取るのがイヴシステムであるからだ。
このイヴシステムはアルフが作った最高傑作ともいえるものだ。
アルフは身体的なものの鍛錬などはからきしであったがそれを補うように無から有を作り出すことには天才的であった。
所謂、一点天才というやつだ。その才能はアルフが穢れて転生の儀を行った時点で失われた。
俺はアルフではないからだ。
アルフの記憶と神力を継承した存在であり能力と人格は失われた。
穢れのために失われたのだ。
記憶もばらつきがある。
アルフに関わった存在は記憶しているが世界創世に関わる知識なとは断片であり失われたものもある。
故に神格化をした際には一度神界に戻りその知識を再び埋める必要がある。
今の自分は半分以上が神格化されてはいるものの、人の部分も確かにあるので神界には立ち入れない。
立ち入れないはずだ。
「…………。リリスは俺の顔か見たいだけならいいんだがな……」
振り回された記憶しかないので何だか嫌な予感が消えない。
俺は目を瞑った。
その後、胸の上のイヴの感触が消えた。
満足したのかと思い目を開けると目の前に金髪美女の存在があった。
「……………!」
俺は驚きのあまり声が出なかった。
美女は笑みを深くする。長い金髪の髪はウエーブが掛かるようにきれいな曲線を描きながら俺と彼女の顔を周囲から隠すように垂れ下がっていた。
「良い器だ。とても私好みの……な」
彼女の名を呟くしかできなかった。
「リリス…」
そのまま口を塞がれてしまう。
初めはただの口づけだったが口の中を丁寧に犯されると押し込まれるように大きな神力を飲まされた。
さすがに大きすぎるのでやめさせようと手を動かすがそれすらも封じたまま、さらに神力を押し込まれる。
「………う………」
顔を背けようとしてくぐもった声が出る。
だが顎をがっちりと持っているのでうまくできない。
さらに神力を押し込むように飲まされ胃もたれでも起こるように腹部が重くなっていた。
押し込まれた神力が体内をめぐり隅々に巡ると余った神力が暴れだした。
暴れる神力から息が上がりだしたがそれでもリリスは神力を送るのをやめなかった。
さすがにこれ以上は危険すぎたので顔を大きく背けることに成功して言葉が出る。
「よせ……、これ以上は………!」
やっと満足したのかリリスは笑みを浮かべたまま呟いた。
「お前の神力は相変わらず甘くて美味いな。だが転生して少し後を引くようなものになったな」
リリスは感想をそう漏らして舐めるように俺の全身に視界を移す。
「背も随分と高いようだし……私と変わらんのはなお嬉しいな」
俺はといえばこれ以上何かされても困るのでソファに横たえていた身を下ろし普通に座った。
「今日来るなんて今聞いた所だったんだが…」
「それはそうだろう。今日イヴに言ったからな」
「お前な……」
俺は呆れるしかできなかった。
リリスは飛び越えるように俺の隣に座る。
そのまま俺の肩を抱いてきた。
空いた手で目の前に瓶を置いた。
「お前と飲もうと思ってな」
日本酒だった。
「懐かしいな日本酒とは…」
「だろう?献上されたお神酒を複写して持ってきた」
「器を…」
立ち上がろうとした俺を遮り座らせたのはリリスだ。
「どこだ?」
「…………あれだ」
おれは指さしてリビングにある食器棚に視線を向ける。
リリスは棚を見て持っていた酒から手を離し人差し指をくっと上げて棚の扉を開けると中から最近入れたばかりの徳利と御猪口を取り出した。
ふわふわと二つ分寄せてきた。
「相変わらず、便利な能力だな」
「お前はないのか?」
「いろいろ特技はあるがサイコキネスはないな」
「そうか……」
そう言っている間にも日本酒は封が空き、徳利に酒が注がれてリリスの手元にやってくる。
「ほれ」
「悪いな」
持っていた御猪口に注ぐのを見て俺は徳利をリリスから貰いリリスの御猪口に注いで目の前の机に置いた。
キンと軽く接触してお互いが一口で飲み干す。
「………くぅ………。お前と飲む酒ほどうまいものはないな」
「久しぶりの日本酒は美味いな」
「しかし、お前、随分とガリガリじゃないか」
俺は苦笑するしかなかった。
「まだ覚醒して半年も経っていないんだぞ。その上、半分だけだし神力不足でガリガリに痩せているのは当たり前だ」
「それもそうか」
「それよりもお前だ」
「ん?」
「なんだその太り具合は?」
「……女性に向かって太ったとはなんだ。いただけないが…事実だしな」
「言いたくはないが、お前に今更だろ」
「それもそうだ。だがな半分はお前のせいだ」
「おれ?」
「ああ、この五千年間できるだけ神力を貯めてきたからな。お前が転生の儀を行ってなら始めたことだから、しこたま肥えてるのはお前のせいだ」
「だからなんで……」
俺のせいなのかと聞こうとしてやめた。いやな気がしていたからだ。
「もう、神力をなじませたのか早いな」
リリスは笑みを浮かべた。
リリスの俺の肩に乗せている腕に力がこもる。
御猪口を取り上げられた。
嫌な予感が当たっていることを知る。肩口から抱き寄せられて再び口を奪われた。
覆いかぶされるようにソファの上に倒されてもなお口は解放してはくれなかった。
押し込まれるように神力を飲まされる。
リリスの手のひらが俺の腹部に探るような手つきで愛撫してきた。
俺はその仕草からリリスが何を探しているのかを知った。
さすがにこれ以上はいただけないのでやめさせようとリリスの手を引きはがしにかかるが目的の物を見つけたのか遅かった。
リリスの手のひらから神力が俺の腹部に注がれる。
その神力はおれを硬直させることに成功してしまった。
零れるように俺の口から息が漏れる。その息は酷く甘いものになったことは自覚していた。
「………は…ふ………」
口を離してリリスは俺を見降ろした。その目はとても歓喜の色に満ちていた。
「ふふ、成人しているとは予想外だったが嬉しい誤算だったな」
「……リリス。お前……」
リリスは俺を見降ろし笑みを浮かべて言い放った。
「いただきます」
その後、俺はリリスに人としても神族としてもガッツリ頂かれてしまった。
「しかし酷く便利な場所を聖域化させたな」
リリスが3階の俺のプライベートエリアを全裸で散策しての言葉だった。
「させたんじゃない。成ってしまったんだ」
おれはベッドの上からそう答えるしかできなかった。
半人半神の身で神のリリスを受け入れたのだから動けないのは当たり前だった。
初めて神族を受け入れたから体が変わるかもしれんな
「ああそうか、ここで覚醒したのか」
「ああ」
俺はベッドの上で窓を開けてうんざりしていた。
というのも称号に地球神の福音と祝福が入っていたからだ。
しかもなんだこれ、レベル10って…
「もう少し待てなかったのかよ…」
「悪いな、お前を見てると啼かせたくなった」
「……………」
「お前、本当に俺の好みの姿、性格みたいだから…」
そう言ったリリスは笑みを浮かべたその姿に俺は少し見惚れた。
「……………。それだけど、この器に関して言えばお前の好みが反映されていても当たり前なんだ」
「?」
その言葉にリリスは不思議に思ったのか傍に寄ってきた。
「イヴシステム。あれの影響がこの器に反映されているから、性格はともかく器の容姿なんかはお前の好みが反映されてると思うぞ」
「どういうことだ?」
「イヴシステムは基本パートナーのその思考が複写される。姿もそうだが判断材料としてパートナーの嗜好や思考が複写されるから転生の際にイヴにとっての好む姿というものに反映されがちなんだ。俺の場合はパートナーのお前の嗜好がイヴに複写されてる。当然だがイヴの好む姿、つまりお前の好む姿というわけだ」
「なるほどな。それでか、イヴシステムを導入してからやたらと神族が増えたからな何故だろう、と思ったら…」
「導入って………。上に報告したのか」
「もちろん。革新的なシステムだったからな。アルフの成果として認められたんだぞ。喜べ」
「あのシステムは意図的に性格を消しているからな。見た目は好む姿や理想が反映されるがアレに溺れるようなことが無いようにそういう感情を向けたときは反映を複写した存在へと向かうように設計したからうまくいけば仲が取り持つことになる。その成果だろうな」
リリスはジッと俺の眼を見た。
「?」
「やはりお前は変わったな。もう、アルフじゃないんだな…」
「……………。わかっていた事だろう。アルフの人格や能力はもう失われた。おれはアルフじゃない。リュウだ」
「ああ……」
リリスは俺の頬を撫でる。
「俺が気に入らないか?」
「……………。いや、そういう事じゃないんだ。ただ、あの守るべき甥っ子はどこにもいないだなとおもったら…さ」
その言葉に俺は彼女の想いを知る。
彼女リリスはアルフの母の兄の子で正確にはいとこになるのだが甥っ子と言えるほどの歳の差がアルフとはあった。
年の離れた兄弟のように育った。
「…………。記憶の継承はうまくいかなかった。あまりにも穢れで犯されていて人格と能力は保全できなかった。それどころか記憶すらも完全じゃない。誰が誰なのかといった関係性は覚えているがアルフとして覚えた技能のほとんどは失われた。神力だけは保持できたがそれだけだ」
おれは失われたものの多さをリリスに打ち明けた。
「仕方ないさ。元々転生の儀、自体が神力保全として最優先されることだからな」
神族にとって神力は同じものの無い唯一のもので個人の存在理由のすべてだ。
神力さえ無事であればその存在は何度でもやり直せる大事な力。
器はその次に必要で人格等も優先されることではない。
神力こそが神族を形付けるもので子孫を残すのも神力ありきなのだ。
遺すべきは神力なのだ。
同じ神力を持っていればそのものは以前のものと同じ存在ということが認められている。
とはいえ、何も思うことがないわけではないということも事実だ。
「私は今のお前は気に入ってる。姿もそうだが何よりもアルフにはなかった男らしさがあるのが嬉しい。次代の銀世宗主としても申し分ない。今代も喜ぶだろう変化だ」
「次代?」
「ああ、千年ほど前に銀世宗主が代替わりしてな。今代はお前のアルフの父、アルフレード様がお就きになった。次代はお前ということも確定事項だ」
「え、アルフレッド様はどうしたんだ?」
「ああ、アルフレッド様は神力に難があるとして宗主に就くべきにあらずと決まってしまってな。かのご子息も次代として神力に難があることが見つかってしまったので候補から外れた。お前の帰還待ちだった」
アルフレッドとはアルフの父の兄にあたる。アルフ時代に置いて次代宗主だった方だった。
予想外の事態だった。
銀世宗主とは読んで字のごとく銀河の宗主。神族を束ねる王だ。つまりアルフという俺は次代、後継者として名指しされたという事だった。
さすがに考え込んでしまった俺にリリスがさらに言った。
「半人半神でも神覚醒したのなら早めに連れて来いともいわれている」
「今回はそれもあって来たのか」
リリスは頷いた。
「帰還時はこの時間軸に戻るように設定してやるから一緒に神界に行ってくれるか、リュウ?」
「帰還に時間がかかることも想定しているのか…」
「ああ、恐らく設定しなければ百年単位で時間経過するからな。それは困るのだろう?」
「当たり前だ。ここには俺の大事がたくさんいる。この時間に帰れないのなら行く気はないぞ」
神界の時間はこの世界の時間とは誤差があり、酷く早い時間経過が特徴だ。故に帰還時間を設定するのは当然だった。
「お前の大事か…。少し興味があるな。側室なんだろ?」
「ああ。お前の事だ。いやだと言っても連れて行くんだろうが…」
「ふふ、その通りだ」
リリスは撫でていた俺の頬をなぞるように顎に手を置いてきた。
そのままキスを口に落としてきた。
押し込まれるように神力をリリスから受け取る。
幾分かこのリリスのキスに慣れ始めている自分に気がついた。
「神界中は毎日貰ってもらうからな。もう少し太ってくれ。お前が太ってくれれば私が痩せられるんだから」
「………お前な……」
さすがに俺は呆れてしまった。




