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異世界に戻った異世界賢者の備忘録  作者: 夏
二章 城と王位
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ブックマークが増えるのは嬉しいものですね

同時に途中で投げ出さないようにという責任感も出るものなんですね

知り合いの方もそうでない方もありがとうございます

スランプという名のネタ切れにならないようにがんばります


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ウイリアムズ覇王連合国首都カイエル。自他ともに認められている交易の中枢都市。

中央にありながらも海にも隣接しており交易が盛んな理由の一つでもある。

海に隣接しながらも山肌に都市が築かれ見た感じは港町ではなくどちらかといえば山岳都市のようだ。死火山に沿うようにある都市なので見上げる感じで都市は繁栄している。

死火山にも理由があり都市エネルギーを火山のエネルギーから魔法で変換しているため噴火は都市が築かれてから千年間一度たりとて噴火したことはない。

噴火するエネルギーごと市民の生活に流用されている。不必要な分は常時魔力という形で変換され魔石と化し保管されている。魔石産出国世界一なのはそのせいでもある。

魔石は魔道具作成に必須の道具で国によっては高額で取引されることもある。

基本魔物から手に入るものだがいいものほど魔石で増幅され強い魔物になるため貴重品でもある。

スキル生成で魔石を作れるようになってから魔道具生成に手を出したのには魔石が手に入りにくかったためでもあった。

そういう意味でも資金は潤沢でじつによくできた都市だと思う。


首都の検問を抜けるとそこはお祭り騒ぎだった。

疑問に思っていると理由はすぐにわかった。

入ってすぐに大きく文字で歓迎の垂れ幕がかかっていたからだ。

《覇王様ご転生される。まもなく帰還。皆で祝おう!》

この文字である。

さすがに驚きしかなかった。

 なんなんだ。タイミング良すぎだろコレ

ふと思い出す。予言師という職。

 予言…ね。転生は知られているということか。どこまで知っているのかがカギだな

とりあえず宿を確保するのに動き出したがお祭り騒ぎで宿探しは困難を極めた。

結局普通の宿は満室で見つからなかったのでギルド内にあった格安の部屋を確保した。

cランク以上の冒険者のみ利用できる宿だ。

一か月間を先に契約した。ここには長期にわたると覚悟していた。

なにしろ前世の拠点である。調べることもある。

 宿も確保できたことだし王立図書館で調べよう

翌日宿から出て通りに出る。ギルドの通りは大きな通りで山頂のほうを見るとおおきな森で山は覆われていた。森の前には大きな頑丈そうな門扉がその行く手を阻んでいた。

ギルドのある通りは一等地らしく豪華な建物が並んでいた。目の前には大きな噴水広場と広場を囲うように十字路になっていた。

大きな噴水広場の噴水の上には立派な銅像が立っていた。

見たことあるその銅像はヴェリアス王国の絵でも見た俺の前世の銅像だった。

 なんだか妙に恥ずかしくなるな。自分じゃないのに自分だから居たたまれないぞコレ

噴水広場を横切り山頂のほうに歩いていく。

王立図書館はギルドでリサーチ済みで森を遮る門扉のすぐ隣に隣接している。

建物自体は相当古いらしく覇王手ずから設計し作り上げ建てたという。千年たっているわりに出来立てのような建物だが状態保全がかかっているため劣化もしていないのだという。

一階は案内所があり読むための場所で本は置いていないせいか、二十四時間常に解放されていて宿がとれない冒険者たちもそこで風雨をしのぐのだという。本のあるフロアはさすがに夜になると鍵が閉められる。ちなみに盗難防止の魔法が本全てにかけられているため貸し出しの許可を受けていないと建物を出るとたちどころに拘束の魔法が持ち主に襲う機能付き。

案内所で入館の手続きをして覇王関連の書のフロアの三階にやってくる。


三階にも読む場所はあるのでほっとした。

だが、本を調べていると歴史書がほとんどで今の自分には必要には思えない本ばかりだった。

いい本が見つからないので引き上げようかと考えていたころ一冊の本が目にとまる。

豪華な装飾の施された本でタイトルは《覇王の死と共に封じられし王城》とあった。

宝物庫にあってもおかしくのない本だと思った。

その直感はある意味正しかった。末裔にしか開けられない本だったから。

手に取り表紙を見た。見慣れた紋章が描かれてあった。

右手首にある印だった。

その時その右手首からチリリと軽く痛みが走った。

「!」

そんなことは初めての現象だった。

 共鳴……した?

この本だと思った。近くの椅子に座り本を開ける。また印が痛んだ。

スキルに速読があるので苦にはならなかったがそれでもおれが知りたかったことだった。

そう、城の封じられた経緯が記されてあったのだ。



一方その頃、連合国議会は動揺が走っていた。

予言師の最高位に当たる人物から覇王様が十五年前に転生していたという事実が過去視で一週間前に発覚したことも衝撃が走ったのだがそれ以上に今この状況が衝撃に包まれていた。

というのも議会を一望できる場所には一脚豪華な椅子と燭台が置かれているのだが問題は燭台のほうだった。

この椅子は覇王様専用の椅子でこの千年毎日手入れされ主の帰還を待ち望む者にとって希望の椅子だった。この椅子、魔道具でできており劣化はもちろん主以外座れない椅子だった。

隣にある燭台は首都に覇王が存在すればその魔力を感知し火がともる魔道具なのだ。もちろん劣化などしないので幾度も転生する覇王を迎えるために用意された認識用の魔道具だった。

燭台は煌々と蒼い炎がともっていた。

リュウの首都到着と同時にともったのである。

議会は炎が昨日から灯ったことを確認すると事態は急変したのである。

昨日首都入りした者を洗う必要が出たのである。

だが首都は絶賛お祭り騒ぎ中で出入りが多すぎた。

リュウまでたどり着くには普通ならば三日を要した。

そんな周囲の喧騒をよそにリュウはその日図書館で本をあさり城封印解除に必須の特技である《魔力操作》を覚えたが、時間を食いすぎて日が暮れてしまったのである。


翌日リュウはギルドで食事をした後、周辺の魔物情報収集のため依頼掲示板を見ていた。

首都だからか高ランクの魔物は依頼書すらなかった。

おそらく治安維持警備隊といわれる覇王国の軍隊の兵強化の一環で強い魔物は討伐されるのだ。

掲示板の依頼書はどれもDやEとFばかりで雑事がほとんどだった。

 今日は討伐でもと思っていたが必要ないな。魔素もさすがは覇王国だけあって安定しているし普通ならほかの国に行くところだが様子を見るか

ギルドを出た。

 今日ももう少し調べてみるか。おそらくはあの森がカギだろうな

昨日で前世の覇王ウィリアム=ガルド=カイエルのことも少し調べたのだ。

記憶のスキル《覇王の覇道記》が使えない以上調べるしかない。このスキルもどうすれば解放されるのかよくわかっていないが城を起動させればなにか変化があると確信している。

だがその城を起動する場所は普通に伝わっていなかったのかどんな書を荒らしてもついぞ発見できなかった。仮にも覇王国の王立図書館で、だ。

あとは閲覧禁止の四階を調べるしかないのだが望みは薄いだろうなと思っている。

しかし俺自身はあまり不安にはおもっていない。

というのも前世とはいえ自分だ。魔力の質は前世も前々世も変わらない。おそらく魔力に反応する魔道具があってもおかしくはない。

今日の予定をどうするかと思案していたところ指輪が光りだした。

人気の少ない路地に入ると頭に声が掛かる。

この感覚には覚えがあった。そうイヴの声だ。

【聞こえているかと思いますが貴方に一つ言い忘れていたことがあります】

 言い忘れていた事だと?

【はい】

思っていただけで通じていたことに驚いていると声は淡々と聞こえる。

【貴方の前世であるウィリアムにも課していた子孫繁栄の使命についてです】

 子を多く残せというあれだな

【はい。ですがウィリアムは数多の女性と関係を持ち多くの子孫を残しましたが一番重要な力を子孫に残すことができませんでした。聡明な貴方ならば何の力か予想がつくでしょう】

 浄化スキルか

【そうです。貴方が思う通り、貴方に課した子孫を多く残す使命は浄化スキルを世界に増やすことでもありますがこの浄化の力を受け継がせようとするならば二つ条件が揃わなければなりません】

 条件だと?

【その条件とは相思相愛であることと一定の聖と回復属性対応の魔力の多さが必要になります。ですがその条件を判断するのは難しいことですので貴方には一つ条件発動のスキルが組んであります】

 条件発動のスキルだと?

【そうです。先ほどの条件にあう女性と接触することで発動するスキルです。名を《魅了》といい、相手に対する愛を増幅させ接触時において性交渉を促す強力なスキルです。その名の通り永続効果を相手にもたらします】

 ちょっと待て、相思相愛といいながらそのスキルが発動すると相手の心は置き去りになるのではないのか?

【違います。あくまでも本人の貴方への想いを増幅するのであって生み出すことではありません。また相手が貴方に異性として愛を持たなくなれば効果は消えます】

 なぜ今頃になって言ってくる?

【もうじき魅了に該当する女性と接触するからです。今までのスキルと同じように該当する条件が満たさない限り発動はせずスキルとして表示もされませんでしたが一度発動したスキルは表示されますのでお気をつけたほうがいいでしょう。貴方には非表示のスキルがたくさんありますのでお気をつけてください。ではまた逢いましょう】

 おい!

言うだけ言ってイヴは通話を切ってしまった。おれは呆れと共に茫然としてしまった。





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