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新章です。ハーレム要員が章ごとにしばらく増えます。
ラブ度が上げれればいいのですが難しいですねえ
主人公が堅物なのか…?
そうじゃないと思うんですが…ははは。精進あるのみ
2章 城と王位
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バイク旅は順調そのものだった。国境も三時間ほどで到着し検問を通り再び走り出す。
普通の馬車であれば国境までに丸一日半以上かかる距離だったが少し早く移動していたため三時間ほどで済んだのだ。
途中で食事休憩をとった後二時間ほど進むと覇王国に入って初めての町が見えた。
覇王国は世界で一番領地が広い国だ。町同士との間にもかなりの距離がある場所も多い。
「ん?」
入るために速度を落とすとバイクのサーチの隅にたくさんの赤い点の中に青い点が二つ囲まれるように点滅していた。
赤い点は魔物。青い点は人だ。点滅は戦闘中であり命の危険信号でもある。
「まずいなこれ」
バイクで近くまで走り寄って降りると収納して目的まで走り出した。
すぐに到着すると走りながら修羅を抜刀した。
オーガの群れに襲われている女性二人が見えた。一人は倒れており意識がないようだった。
「間に合えよ」
オーガは時折縄張りをはなれ繁殖のために人を襲う。
繁殖のためなので襲いはするが命までは取られないのだが一度襲われれば使い物にならなくなるまで性の奴隷にされる。
オーガには人の理性を奪う能力が備わっていて一度でも襲われればその人間は植物人間になる。二度と意識は戻らないので厄介な魔物でもある。
突進するようにオーガに修羅を振りぬく。
密集していたためか二匹まとめて倒し女性二人を守るように前に立った。
「大丈夫か?」
「…あ。は、はい」
意識のある女性はどうやら僧侶のようで、浅葱色の真っすぐな髪が肩先まであるいかにも清楚系の僧だった。
「魔力があるなら回復をつづけろ。こいつらはその間に片づける」
「でも!」
オーガの多さに無勢と思われたようだ。
「心配いらん。多数は慣れている」
言ってオーガ殲滅に集中した。
その言葉通りオーガを瞬く間に殲滅して見せたリュウだった。
オーガの血糊を振り払い修羅をしまうと二人を見た。
だがもう一人は意識がない状態のままだった。
「襲われたのか」
「いえ、回復は効いたのですが出血が多かったので意識までは戻らなかったようで…」
「町まですぐそこだ。背負っていこう。君は歩けるな?」
立ち上がることで肯定してくれた。
街に到着するとわらわらと町の住人が集まってきた。
背負っている背の女性は町長の一人娘だったようだ。
町長の屋敷に案内されそのまま居間のソファに下した。
「娘を救っていただき感謝しますぞ」
「いや、当たり前のことをしただけだ。間に合ってよかったよ。でも町の外にいた割にはずいぶんと軽装備だったな。術師?」
「はい私は魔術師なのですが彼女は外でもすぐそこだからと杖も持たずに行ってしまって…」
俺は顎に手を置き少し考えた。
そんな中領主は怒号を挙げた。
「これが危機管理が薄すぎるのだ。最近はオーガの増殖が早いと聞いていたはずなのに身軽でいくなどと」
おれはそれに違和感を持った。
「普通ならあの距離なら襲われることはないはずだけど、あの距離であの量のオーガは普通ではない気がするな」
「旅の冒険者なら知らなくとも無理はない」
「最近この近辺ではオーガの増殖が問題になっているのよ。その調査も兼ねて私がこの町に来ているのだけどさすがに異常な多さで手が回らなくて」
「ギルドにも調査と討伐を出しているのだが討伐よりも増えるほうが多いのだ」
「討伐よりも増える?」
「ええ」
「それってカイザーオーガの仕業じゃないのか?」
「カイザーオーガ?」
「まさか!」
心当たりがあるのか術師の女性は驚いた。
「まれにキングオーガがカイザーオーガに進化することがある。カイザーオーガが生まれれば増殖は納得の現象だ」
俺は言ってサーチを町の外を対象にかけてみた。
手元に地図が現れる。
街の外には赤い点が多かったが地図の端のほうにひときわ赤く輝く点があった。
「これだな。この明るさから言ってもおそらく間違いがないな」
「あなた…魔術師?」
「まぁ、そうだな」
おれは言葉を濁した。
「カイザーオーガが出たとなると討伐は早めにしたほうがいいとおもうぞ。時間経過はオーガどもに力を与えることになるからな」
「たしかにキングでも大変なのにカイザーオーガだと時間と共に手下のオーガが増殖し討伐出来なくなる可能性も出ます」
「ですが確認もせずにというわけにはいきますまい」
俺は地図をしまい『シーラ』の呪文を唱えた。
「この町から北東1キロの辺りだ」
呪文で出てきた鏡を覗くとそこにはカイザーオーガの姿があった。
「…すごい。『シーラ』の呪文ね。でも確かにカイザーオーガだわ」
「この町にもギルドはあるんだな?」
「ええ」
「ギルド依頼という形をとれるのならおれが討伐してこよう」
「え」
「ほかのオーガはまかせるからカイザーオーガ周辺にいるやつは討伐する。早期に討伐しないと手遅れになる」
「でも、ギルドでもBランクの魔物よ?」
「Bランクなら問題ない。おれはCランクだがBまでなら受けられる。報酬は任せるが宿代だけは欲しい」
「わかった。報酬は金貨百枚だす。今夜の宿もこの屋敷で泊ってくれればいい。大したもてなしはできんがそれくらいはさせてほしい」
俺は頷いた。
金貨百枚とはBランク討伐の妥当な相場だった。金貨一枚は日本において1万円に相当する。
ちなみに銅貨・銀貨・金貨・白金貨とありそれぞれ百円・千円・一万円・1千万円に相当する。
だいたいの宿屋の相場は銀貨2.3枚だ。
早速俺は討伐の用意を始めた。
元から腕にはソウルオブサマサがはめられており魔法増幅と消費軽減は付いていたのだがさらに道具収納から回復効果のあるアクセを出し反対側の左手首に装備した。
さすがに回復する時間はないだろうと考えてのことだ。
道具収納を見て術師の彼女は声をかけてきた。
「貴方、末裔?」
「…ああ」
「私ステラよ。同行するわ。回復くらいなら私でも役に立つわ」
「カイザーオーガ相手に他に気を回せるほど器用じゃないぞ、おれは」
「わかってる。自分の身は自分で守る」
「俺はリュウだ。よろしく」
「よろしくね」
屋敷を後にして道すがら戦闘の確認をしていた。
「支援系の術はつかえるのか?」
「もちろんよ。私も末裔だから回復は使えるからきにしないで」
「ならおれが突破を。支援と砲台をたのむ」
「道は作るわ」
オーガの巣を見つけた。物陰からようすをうかがっていると最奥に一回り大きなオーガがいた。あれがカイザーオーガだった。
すぐ足元に人が数人いた。ほとんどが男ばかりだったが皆、目は虚ろでメスのオーガに種馬にされているのか数匹のオーガに組み敷かれ犯されていた。おれの眉根が寄る。
さすがに気分が悪い光景だった。
先手はステラが周囲のオーガをまとめて焼き払う手筈だった。人がいたところで理性は戻らないのでどうしようもない。
オーガ調査と討伐に任じられる程度には手練れの術師だった。
ステラは砲台と支援を任されはしたが手練れのリュウに支援ははじめだけだろうと判断していた。
なので焼き払う前にリュウに攻撃と防御の強化呪文を唱える。
『ブレイブ・エクステンション』『ガード・エクステンション』
唱えると目の前に中規模の魔方陣が現れる。
効果を確認して次の詠唱に入る。
『ギガフレア』
目の前に大き目の魔方陣が描かれた。
巨大な熱の塊がオーガたちに向けて放たれる。
着弾と同時にほぼすべてのオーガたちは消し炭になった。
生き残ったのはカイザーオーガと瀕死の数匹のキングオーガだった。
リュウはその威力に感心した。
やるじゃないか。炎ではなく熱呪文にしたあたりまわりも考えている
『ハイ・エンチャント・ブレイブ』
武器強化を施し残りのオーガ向けて飛び出した。
数匹いたキングオーガをそれぞれ一撃で首を飛ばし、間を置かずにカイザーオーガの虚を突く形で両腕を胴から切り離した。
突進してきたカイザーオーガをさらりとかわし背後から胴を一なぎして切り離しとどめを刺した。
倒れたオーガたちの動かないことを確認してから修羅の血糊を振り払い鞘に納めた。
オーガたちの体が素材を残し霧散するとリュウはカイザーオーガの素材を拾ってその場を後にした。
途中でステラと合流をして街に戻る。辺りはすっかり夕暮れ時にさしかかっていた。
しばらくして街の外のオーガの増殖が止まったので街の住人は歓喜であふれていた。
ギルドに途中寄ってカイザーオーガの討伐を報告し報酬の金貨を受け取った。
ステラは領主の屋敷に案内したがったのだがおれは丁重に断った。
行ったところで何があるわけでもないからである。歓待されるのは御免だった。
ギルドの隣に併設されてあった宿に泊まることにした。
夜間の移動は魔物出現率も高くなるためできるのなら移動はしないほうがいいのだ。
移動にそれなりにつかれていた俺はその日は夢も見ず休んだのである。
翌日おれは宿を出て周辺の魔物状況を確認するのにギルドにいた。
掲示板を確認していると周辺の魔物は高ランク依頼はなくオーガの掃討がほぼすべて埋まっていたのでこの町での滞在は必要ないと判断した時だった。
「リュウ。よかったまだいたわね」
背後から声をかけられて振り返るとステラが駆け寄ってきた。
「ああ君か。どうかしたのか?」
「どうかしたのかじゃないわ。領主から怒られたじゃない」
「悪かったな。歓待されるのは好きじゃないんだ」
「あきれたわ」
ステラは笑った。おれはそんな彼女に見とれた。魅力的な女性だと俺は思った。
「これからどうするのか聞いておきたくてね」
「この町は首都のカイエルに行く途中で寄っただけだからな。いい依頼もないからこのまま移動しようと思っていたところだ」
「あらカイエルにいくの?」
「ああ。調べたいことがあってね」
「そう。私は今回の後始末を確認出来たらカイエルに戻るつもりよ。向こうで会うかもしれないね」
「向こうの出身なのか」
「ええ」
「げんきでね。また逢いましょう」
「機会があればまたな」
ステラと別れ、おれはギルドを出た。
そのまま町の東出口から出てバイクに乗って街を後にした。




