6話 回復役(僧侶)
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さっきまで、ガヤガヤしていたギルド内も一瞬で静まり込んだ。そんな空気の中、口を開いたのはさっき怒鳴った偉そうなギルドの人だ。
「ふぅ~。まぁ怒鳴ったのはすまなかった」
少し怖いギルドの人も、怒鳴ったことには反省している様子だった。
「いや、こちらこそ毎日毎日すみません」
マコトはそうスラスラと言いながら、一礼した。
(え?スラスラと話せるんだ)
マコトが、子供魔法団のメンバー以外の人にスラスラと話していた。そんなところを私は初めて見たのだ。
「で、こっちも時間無いんだよ。昨日と一緒なら俺は仕事に戻るぞ」
がたいの良いギルドの人は、後ろに振り返り仕事に戻ろうとしていた。そう、マコトや子供魔法団の話を聞こうとせずにだ。
「いや、今回は違います。ちゃんと約束通り……」
マコトのそんな言葉にあのギルドの人は動きを止め、マコトの方に頭を向けた。
「回復役を連れてきたとでも?」
「はい」
マコトは静かに、そして冷静に答える。
「嘘をつくな!回復役がこの町に居るわけねぇだろ!」
あの男は、先程まで後ろに向いていた体を、マコトの方へと向けた。私はびっくりして、一歩後ろへ下がってしまった。だが、マコトはただ男の目を睨んでいるだけだった。
「お前ら許可無く町からでたのか!立派な犯罪だぞ!」
「いえ…ギリギリ町の中です」
マコトは少し焦りながらもちゃんと答えた。そんな中、子供魔法団のメンバーは、この二人の会話に恐れながらもちゃんとマコトの後ろに立っている。勿論誰も何も話さないが。
「まさか……チッ」
ギルドの男は不機嫌そうな顔をとる。
「覚えていますか?1ヶ月前の話を」
「くっ…嫌でも覚えてるよ」
ー1ヶ月前ー
今ギルドのドアが開く。ギルドのドアは1日に数百回開くが、一回一回に反応するほど冒険者達も暇ではない。だが、そこに全身黒い服の子供が立っていたとなれば話は別だった。
「また来たかw」
「ここ最近毎日来てるよなw」
そう、子供魔法団のことだった。マコトを先頭に、いつも通り受付へと向かい始めた。
「あ、あのぉ…副ギルド長呼んでもらえますか?」
マコトは緊張しながらも、受付の女性の目を見ていた。
「あ、はい。待っててね」
受付の女性はすぐ後ろのドアに入っていった。その間ギルドの中にいる誰も口を開かなかった。だが、副ギルド長が出てきたら、空気は変わる。
「はぁ~またガキ達かよ~」
そう、この男はがたいの良いギルドの人だ。
「単刀直入に言います。私達を冒険者にすることは可能でしょうか?」
マコトは、真剣に問う。
「何度も言わせるな。18歳未満は冒険者にはなれないんだよ」
「そこを何とか。お願いします」
マコトは深く頭を下げた。
「いつもそれかよ。もう飽きてんだよ。帰って良いぞ」
副ギルド長は、子供魔法団に手で「帰れ帰れ」とした。
「まだ帰れません。お願いします」
マコトは食らいつくかのように、何度も何度もお願いした。
(このガキがぁー面倒臭ぇー……バレなければセーフか)
副ギルド長は、髪を何回もかいた。「まぁ大丈夫か」と小声で呟き、大きな口を開いた。
「もうー面倒臭い。じゃあ冒険者になる条件つけてやるよ」
副ギルド長は、子供魔法団に都合の良いことを言い始めた。だが、態度は真逆だ。マコトのことを上から睨み付け、見下している。
「その条件というのは」
マコトも恐れることなく、そう問う。
「そうだな……僧侶、分かりやすく言うと回復役を連れてこい。まぁ一つの町に1,2人はいるだろうな」
副ギルド長はすぐに背中を見せて、何も話さずに戻っていった。残されたのは、子供魔法団だけだ。「18歳未満が冒険者?」「まぁ回復役か…」そんな声がギルド中から聞こえてくる。
「で、団長どうする?」
ソウシは問う。
「よし!今から探しに行くぞ」
そんな感じで子供魔法団は、しばらくの間回復役を探すことになった。
「副ギルド長。こんな約束勝手にして良かったんですか?バレたらギルド長に怒られますよ」
受付の女性は副ギルド長のもとへと駆け寄った。
「あいつらには『回復役は一つの町に1,2人』と言ったが、実際は町に1人いるだけで奇跡だ」
「子供を騙すなんて…」
先程の受付の女性は、少しひいている。
「まぁ、4,5ヶ月ずっと来る方が悪い」
そう副ギルド長は言い切った。
―そして現在―
「その新メンバーが回復役とでも?」
副ギルド長は私に指をさす。指をさされて私は、「私?」と自分に指をさした。
(いやいや、まだ私入るなんて……)
そんなことを考えてると、後ろからソウシがマコトの頭を軽く叩いた。
「いた!……ちょっソウシ何するんだよ」
ザ・いつもの団長て感じに雰囲気が戻る。
「団長。ミオさんはまだ入ったとは…」
ソウシは私の方をチラチラ見ていた。
「あ…そっか。じゃあどうしようか」
マコトはゆっくりと私の方に顔を向けた。そして、マコトは1人で考え込んでしまった。いつもなら他のメンバーが、こそこそ話すところだ。だが今回は違った。副ギルド長が、口を開いたのだ。
「は?回復役がまだ仲間じゃない?もうお前ら帰れ!もう2度と顔見せんな!」
副ギルド長は、見ていた中で一番覇気を出していた気がする。その覇気にマコトも押し負けて、子供魔法団のメンバーはドアへと向かった。勿論私もだ。
(どうしよう……このまま終わるの?)
私の心拍数はドンドン上がっていく。それにつられるように、一歩一歩が重く感じてきた。
(私のせいで帰るの?ヤダ。じゃあ仲間に今なる?私を求めてくれたんだから。私はここで終わって良いの?だけど怖い…)
私はもうごちゃごちゃだった。決定的な理由もなく、私は子供魔法団の後ろをついていった。
「じゃあ失礼しました」
マコトは軽く一礼して子供魔法団はギルドから出ていった。
「危なかった~。子供を冒険者にしたら、ギルド長に殺されるからな」
副ギルド長は、そう呟いた。ギルドの中の気まずい空気もいつのまにか、なくなり騒がしいギルドが戻ってきた。
もしかしたら、2日に1本のペース無理かもしれません……。まぁ学校があるので…
夏休みの間に、ストックしていたのもほとんど無くなり、まずい状態です。
2日に1本ができなくなる時は、言います。




