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学校外の波乱 (金)

しばらくして、莉緒さんの言うとおりシュクレガトーの隣のケーキ屋の前に着き、莉緒さんと合流した。

「ようやく来たのか、陽奈。」

「莉緒さん、いくらなんでも昨日の今日で取りに来るなんて………」

「だって仕方ないじゃないか!!久しぶりに女の子の服を見てゆっくりじっくり選べるんだよ!?こんなに楽しみなのは久しぶりなんだよ!!そ、それに、ガロとのデートにも着ていけるかもしれないし、男用の服の予備も増えるしね。フェンリルとして活動し始めてから女の子らしい趣味があまり出来ないし………」

「なんかそう聞くとすごく優遇されてるよな………?私は。」

「そういえば陽奈の趣味って?」

「同人誌のトーン貼りのバイトとコスプレ、後はゲームとアニメですね。莉緒さんも少女漫画とか読んでますけど………」

「あれはこっそり通販で買ってるんだよ。他の趣味は音楽とか買い物だけど、リルになってからはこれまでの女子の友達とは会いづらいし………。他にも色々あるけどね。水着とかはなんとか男用のトップ水着とかもあるし、基本は事情知ってる兄さんが同席して隠して貰ってる。兄さんは基本巨乳にしか反応しないから問題ないよ。それに、見られたら基本ブン殴るって言ってるしね。」

「…………フェンさんも大変なんだな……」

「僕の方が大変だよ!!ガロに告白も出来ないんだから!!早くしないと君と同じの事務所にいる九条に盗られちゃうし…………。」

「………なんかものすごいややこしい事に巻き込まれる感じがするなぁ…………。」

「とりあえず服を見にいきたいからシュクレガトーの事務所に入らせて貰おうかな………」

莉緒さんはものすごくウキウキした顔で店を出ようとしたが、俺はそれを制止した。

「莉緒さん!!まだ頼んでたケーキ来てませんよ!!」

「はっ!!しまった!!まだ頼んでたモンブランが来てないんだったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「私の頼んだショートケーキも来てないんですが………。」

とりあえず来るのを待つ間にこれからの事を話し合った。


「大体お互いが正体を………特に莉緒さんの男装がバレないようにしないといけないんですよ?ここだといつかバレますよ?今回はたまたま防音の個室があったから良いものの、ここが開いてなかったら確実にってわけではないですけどバレますよ?」

「まぁ、そうなんだけど………」

そう考えるとあまり教えたくはないのだけど、背に腹は代えられぬというアイディアが浮かんだ。

「莉緒さん、ケーキを食べ終えた後私はシュクレガトーに行って服をとってきます。とりあえず段ボール二つ分ですね。そしたら私に着いてきてください。」

「………分かった。陽奈の言うとおりにしてみるよ。」

「莉緒さんが女だということはシュクレガトーの人には話していないので…………。」

「そういえばそうだったね………僕が女の格好で入ったら逆に誰ですか?と言われそうだしね………」

「クラスメイトって言うわけにもいきませんし。今日は夏音がクラスに来ててクラスメイトの顔は知ってることになってるので………」


しばらくしてから個室がノックされてケーキが来たのを確認してからドアを開けた。

「ここのも結構おいしいんですね………まぁ、クレープ無いのは正直どうかと思いますけど。」

「……………仕方ないと思うけどね、ここケーキ屋だし。一応。」

「まぁ甘い物は好きなんですけどね。」

「そうなんだなぁ…………僕もできれば毎日食べたいけどリルの好きなものとしては書けてないんだよなぁ…………あまり乙女らしいところは見せないでいくってことにしてるし………」

「それで私は二人がBLしてるのかと勘違いしたんですよね…………はぁ……勿体ない……」

「ははは………でも僕とガロはお似合いってことでしょ?初対面でそう見られると嬉しいなぁ。」

「あ、ここの勘定はどうするんですか?私が払おうと思うんですが………」

「服を貰ってしかも奢って貰うなんてできないよ。それにはたから見たら僕が奢らなかったらなんか変な目で見られそうだし。」

「………じゃあ、任せます。私は先にシュクレガトーに取りに行くので………」


とりあえず余りになっている段ボール箱の内の中から二つ選んでから運び出す。一応だが今の自分の体型用では無い物にしておく。リルさんは胸が元々無いために男装できているのだからと、アッシェ用は選ばないでおいた。


「じゃあ、着いてきてください。後、着いた場所については他言無用でお願いします。」

「分かったよ。でも、どんな場所なの?」

「ちょっと穴場ですよ。今のところは私だけ知ってるような………」

「う~ん、危ないところではないんだね?」

「そうですね~。それに、もしそこで手を出そうものなら………いや、なんでもないです。イルミさんに殺されたくないので、サポートだけですよ。ガロさんとつき合うための。」

「できれば九条弧鉄をロイとくっつけて欲しいけどね……」


そしてゲハイムトスについた。

「ここは、私が昔から入り浸ってるケーキ屋です。」

「ケーキ屋なの?ここ?」

「だって私の家というわけにもいかないでしょ?妹とよく入り浸ってくる幼なじみがいますので。それに服を広げられる場所もありませんし。ここならまだ使われていないスペースが多いんですよ。」

「おいおいおい、また俺の家を浸食するつもりか?」

「仕方ないだろ?私は莉緒さんの秘密知っちゃってるんだから。あ、言っておくけど莉緒さん襲ったらこの店潰して路頭に迷わせるよ?」

「お前は色々と伝手できちまってるからリアルで怖いからな、その脅し!!あと俺が襲えるわけねぇだろ!!こう見えても婚約中の彼女いるんだよ!!」

「まぁ、了解取れたのは良しとして、さっそく服選びとしますか、莉緒さん!!」

「うん!!」



そして、五時間後に、莉緒さんが服を選び終えた。

「これって、非売品なんだよね………。」

「まぁ色違いで販売をするかもしれないけどね………っと、これ新作のだったかな。公開されてないやつ。」

「このブランドは基本的にデザインが良いからね………。そこまで高くないし。」

莉緒さんが一息ついていると、おじさんがケーキを持ってきた。

「とりあえず客がヘルト来ないからな、ちょっと味見してみてくれないか?」

「おじさん…………………後でそれ私にも。」

「ヘルト…………太るぞ。」

「一時間高速テトリスを生き残ればカロリーは減るから平気だって!!!」

「それが常人には無理っつってんだろがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「それにしても新作って今度は何で作ったの?」

「イチゴとかだよ。」

おじさんと言い合っている間に莉緒さんが食べ終わったらしい。

「あ、これ美味しいです。」

「だろ?まぁ、あんまり口外しないでくれると助かるんだよ。彼女曰く『私があなたから離れるまで私のお眼鏡に叶ったヘルト君と、そのヘルト君が連れてきた子以外にはお店に入れないでよね!!ヘルト君はあんまり人連れて来ないだろうし!!ボッチ認定してるし!!』だそうだ。この店は隠れ家って意味だからな。何か隠し事があって、それを隠すためなら、俺はこの店に入ることを許すから。まぁ、ヘルトは隠れ家見つけられて追い出そうとしてケーキだしたら入り浸って来やがった。」

「だって穴場だし。」

あまり客のいなくてかつおいしい店を見つけたら入り浸るにきまってるじゃん。リクエストもやってくれることあるし。

「まぁ、そういうわけで、よろしく頼む。あ、そういえばあの子に会わなくてもいいのか?ヘルト?」

「………莉緒さんの紹介もかねて会おうかな。」

「あの子って?」

「俺の飼っているペットの猫で名前はアサギ。下手したら妖怪かもな………尻尾がいくつかに分かれてるし。まぁ、長生きしてる猫だ。」

「おとなしくても勘は鋭いよ。フェアが私だってすぐ気づいたんだから。」

「へ、へぇ……………」

なんか莉緒さんがかなりそわそわしている。

「莉緒さんって猫は好きですか?」

「う、うん!!だから早く開けてくれないかな!?」

そして、俺がアサギの部屋を開け、アサギの姿が見えた瞬間に、莉緒さんはアサギに飛びかかっていた。


「にゃんこしゃ~んにゃ!!なでなで~。」

『にゃ、にゃーーーーー!!!』

アサギが急な来訪人に驚いて叫んでいたが、数秒後にはおとなしく莉緒さんに抱かれていた。

「にゃんこかわいいにゃんこかわいいにゃんこかわいい……………」

「り、莉緒さん?いきなり何を…………?」

「僕は猫が大好きなんだよ!!リルになってからできなかった女の子のような趣味の一つが猫カフェに行くことなんだよ!」

「分かりましたから、分かりましたから。だから落ち着いてください。この後にそこの穴からアサギの友人……いや、友猫か入ってくるときがありますから。」

それからしばらくして、莉緒さんが落ち着いていた。

「じゃあ、そろそろ帰らないと………オフなのは今日だけで明日はまた仕事あるしね。そういえば、陽奈も仕事だっけ。」

「まぁ、そうですね……………。」

「お互いがんばろうね。お互い性別を偽って生活する部分がある者同士。」

「そうですね。あ、ここには他言無用にするなら来ても良いですよ。多分おじさんも納得しますから。」

すると、アサギの部屋のドアが開いた。


「もちろん、私も許可するわ。」

「あ、響さん。」

響さんというのはおじさんの彼女で婚約者だ。

「だってこの子友達を連れてきそうにないしね。何か事情ありそうだし。ね?」

「ま、まぁ…………そうですけど………」

「というか通ってた女子校でボッチだったからってここに友人を連れてこなさそうな人を見分けるのやめてください。」

「別にいいじゃない!!ビャッ君とは高校一緒に通えなかったんだから!!」

あ、そうだ、この人まだ高校三年なんだった。

「というかな、ヘルト……………俺一応24なんだがな………。」

「別にいいじゃないですか。如月って言いにくくて。」

「けっ…………まぁコイツの親に言われてるように、年齢は気にしないが世間体は気にしろって………とりあえずここで株やってるから稼ぎはあるけどな、せめて響が卒業してから籍を入れろっ言われてんだよ。」

「実質私も同じようなことになってますけどね…………何にもなければ嬉しいけど……さすがに無理矢理重婚の流れにはされたくないですよ。いや、されますけど………姉妹二人分を。」

「お前はなんで戸塚財閥のトコのお嬢様に気に入られてんだって話だが………」

「コミケでトトと会ってからたまにコスプレの衣装合わせしてたからその関係でイルミさんに会うことも多くなったんですよ。はぁ…………。まぁ、二人だけで重婚も終わりそうですけど。」

「おい、フラグだぞそれ。絶対にメンドいことになるぞお前から聞いている親の情報だと。」

やべっと思いながらも俺は話題を少しずらさせてもらった。

「そういえば莉緒さんは冴狼さんと結婚するとしたら、どんな結婚式にしたいですか?」

「…………いきなり聞かないでよ………ウェンディングドレスでガロに抱きしめられる妄想何回もしてるんだから!!」

すると今度は響さんがおじさんに話しかけていた。

「そういえばビャッ君、私達はどうするの?結婚式場とか調べてるんでしょうね?来年よ、早くて来年の今頃よ結婚式!」

「まぁ、式場の手配なら色々と父さんがらみで伝手はあるというか無理矢理調べさせられますから。」

「そこが怖いんだよ。」



「とりあえず実家にこれは運んで貰うよ。」

「まぁ、ジュピターの事務所の寮にいつまでもおいて置くわけにはいかないでしょうしね………。」

「まぁ兄さん以外に兄妹はいないし。」

こんな事を言って解散となった。



















「………………………あ、頼まれてたサイン忘れてた。」

まぁ、プライベートで会っているとバレない方が良いだろう。

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