歌対決ライブステージ 本番編
そろそろ本番と言うことでほぼ強制的に引っ張っていかれ、ステージの裏に来た。
「さ~て、今回の歌対決ライブステージは………この二人!!まず一人目は~フェンリルの副リーダー、ガローーーーー!!!!」
司会がそう叫ぶと、ガロさんがステージに出る。
「ガローーー!!!」
「格好いいーーーー!!!」
「ガロ様ぁーーーーーーー!!!!!!!」
と、観客のほとんどの席からの大歓声だ。
「さてさて、そのガロに立ち向かうのはぁ~、まさに!!突如現れたシュクレガトー初の男性アイドル!!その美声に何人のガロのファンの心変わりを促してしまうのかぁーーー!!!」
そこまで大袈裟な紹介をしないで欲しいなぁ………。
俺はそこまでの人間じゃないと思うんだが………。
ステージに出ると、突然歓声があがる。
「フェアーーーーー!!!」
「ガロなんてすぐに追い越しちゃえーーーー!!!」
「生フェア見れて良かったーーー!!」
「フェア様ーーーーーーーーー!!!」
………典型なのか?これ?
まだフェアとしての活動はドラマとあのお披露目会だけなんだけど。
司会者が静かに笑った。
「それでは、歌っていただきましょう……。シューティングスター・スナイパー。フェンリルで初めてランキング一位に輝いた一曲ぅぅぅぅぅぅ!!フェアはどこまで着いて行けるのかぁーーーー!!!!」
イントロが流れ初めてから心の中で一言。
ごめん、多分ミスる。
それだけ吐いたらスッキリした。
自棄でも足掻いてやろうじゃないか!!
そして、最初のフレーズをデュエットで歌い出す。
「最初は単なる好奇心でさ………………。」
途中までは順調に歌っているが、途中の間奏に入るまで、何か吹っ切れない………のもそうだろう。
これまではただ立って歌っているだけなんだ。
しかし、このままだと、あそこで練習してきた意味が無い。
だから、もう恥なんか捨てていく事にした。
「え………いきなりアクションついたよ!!」
「しかも段々着いてきてる………。」
「ガロ様が最高だけどフェアもいいかなぁ………なんて………。」
飲まれるな、むしろ飲み込む勢いで歌え!!踊れ!!
観客が喜んでくれている。失望させたくないと思う気持ちがさらに俺の心に拍車をかけた。
左右対称にガロさんのダンスに合わせると、仲の良いコンビみたいに呼吸が合う。
ガロさんも負けじとさらに激しくなっている。
「狙い撃ちだよシューティングスター!!」
最後のフレーズが終わった後に大歓声が鼓膜が破れるほど響いた。
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」
「ガロサイコーーー!!」
「二人ともスッゴい上手い!!!」
「フェア様ぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ガロ様ぁぁぁぁぁぁ!!!」
司会はそんな中、飄々と出てきた。
「さてさて、大歓声が響いている中、お二方、感想をどーっぞ!!!」
「やっぱり、先輩には叶わないかなぁなんて思いましたけど、いつか抜いて見せます!!」
「またデュエットはやりたいと思わせる後輩だった。次に対決するときは俺も新人の頃を思い出しながら闘ってやろうと思う。」
「さ~て、今回はここまで!!と言いたいけれど、その前にドキドキ抽選会だぁ~!!!!!」
すると、ガロさんが小声で司会に耳打ちしている。
「………そんなの聞いてないぞ………俺らの時は無かったし…。」
「いえいえ~。ジュピターとシュクレガトーからは許可貰ってますし、毎回歌対決だけで終わり~なんてつまらないからこの催しを今回からやることになったんだよ。」
「…………ならなんで最初に教えない。」
「元々こんなのがあると思ってなかったんですよ………。アンコールじゃないだけましですけど。」
フェンリルの曲をあまり知らない俺には致命的だ。
自分一人じゃなくてガロさんもいるからだけど。デュエットなら間違いなく失敗するだろうし。
「………ちなみに提案者はフェンだよ。」
「………あの人ならそう言いそうだな………。」
すると、司会者が大声で叫ぶ。
「さ~て!!チケットの番号をご覧ください!!と言いたいけれど、ナンバーを発表が面倒なので席番号で指名させてもらうぜ!!」
まぁ、何万もいたら一々発表するのも面倒だろうなぁ…………。
「じゃあ、11の885の席の人~!!」
と呼ばれて出てくる人へのプレゼントとしては………。
箇条書きにしておく。ちなみに、ガロさんも同じ事をやらされている。
・司会が用意した色紙にサイン。(任意と書かれているものを断った場合もこれになる。)
・おでこにキス(任意)
・頭を撫でる(任意)
・写真撮影(希望すればもう片方とも撮れる)
・握手(任意)
・あすなろ抱き(任意)
などをさせられたのだった。
終了後………。
「最後のが精神的に疲れた…………。」
「なんなんだよ………つーかなんでこんなのまでしないといけなかったんだよ………。」
会場から出ると、途端に司会者に腹がたってきた。
「まぁまぁお二人さん、連絡先の交換とかが無くて良かったやん。つーかおでこにチューとか俺もやりたかったわ~。」
「………本心でやったわけではないですよね?冴狼………。」
「まぁ、そうなんだが………。」
九条さんは、ホッと胸をなで下ろしていた。
「ガロ~、どうせならこてっちゃんにもやってやりぃや~。」
「どうせ喜ばんと思うがな………。」
ガロさんが頭を撫でると、九条さんの頭から湯気が出ていた。
「は、は、は…………恥ずかしいです~。」
九条さんはそのまま走っていってしまった。
「じゃあガロ、こてっちゃんの事は俺に任せてぇなぁ~。」
と、ロイさんも行ってしまう。
………まぁ、男同士ですが、ガロさんと二人きりになったわけです。はい。




