チェンバロサークルは波乱が多い。
トーン貼りを進めて後30ページ分という所でヤオさんが帰ってきた。
「まただめでした………。ユカナはこんなに素敵で落ちこぼれじゃないって言っても馬の耳に念仏………。しかも今度は僕の趣味すらやめなさいって言ってくるんですよ!!」
ヤオさんこと、櫻井 駿夫さんは、ユカナさんこと梅野 由香奈さんの恋人で、父親が警視総監、母親が大手出版社である講鋭社の社長をしている。ちなみに、俺の購読している月刊誌は別の出版社で、宝鮮社だ。講鋭社はお堅い経済誌やら辞書やらが多く、小説も純文学などしかないほどだ。だから、あまり講鋭社の本を買うことがない。
そんな二人の息子が同人誌を書いていることに反対しているらしい。父親は馬鹿らしいと言っているし、母親は二次創作の方を否定しているらしい。
同人誌や同人ゲームはすごいんだぞ!!と叫びたいとヤオさんは言っているが聞く耳持たず。アイドルの追っかけレベルの認識らしい。しかも遊びレベルの追っかけの。
「駆け落ちしてもいいですけど、そしたら結婚式とかが難しいですし………。」
「私はこの趣味がやりにくくなる教師はしたくないしな。ネット塾の講師は色々と融通が効くんだ。」
「まぁ、私には分からないが。そもそも恋人ならさっさと子作りして出き婚でいーだろが。私なんかそれをやる相手すらいねぇ。まぁ、妹もできてないから問題はない。さっさと恋人を作りたいが、今は趣味が優先だな……。まぁ、OLでもあるからな、私は。」
「結婚前に子供を作ったら絶縁するとかほざいてるんですよ。家の親は親バカですからね………。それは避けたいんですよ。」
「そんなもんなのか………。」
海さんは確か化粧品の会社で働いていたはずだ。それも、大手の
「試供品とかよく使っては感想を言うという貢献はしている。それに、社員だと少し安く商品が買えるからな。」
「そーなんですか~。」
「メイク用のやつ使ってこんなのが必要だとかは言いやすいしな。それに、私や他の社員の意見から男用の化粧品も作り始めたんだ。」
まぁ、一段落したので役割分担でも話しておこう。
ユカナさんとヤオさんは企画、作画だ。
男キャラはユカナさん、女キャラと動物、ロボはヤオさんが描く。二人とも絵がとても上手いのが人気の一つだろう。
ココはコスプレ作りもだが、ベタや枠線引きもたまに手伝う。コスプレ作りが終わってない場合、この仕事は俺がやることになる。コスプレは作品に合わせてやることもあるため、作る物を限定することもあるらしい。
海さんは漫画の方では背景、効果、小物の担当だ。本物っぽく見えるので、たまに他のプロの漫画家さんの緊急アシスタントに行くこともある。その時の報酬としてもらったらしい有名漫画家の色紙を一回妹さんにしわ付けられたと憤慨していたときもあった。
そして俺はトーン貼り担当だ。最初はトーンを覚えるのが大変だったが必死にやっていたら自然と覚えていた。この仕事で手に入れた集中力はクレーンやなんかにも役に立つ。
「とりあえず企画としてはやはり最近アニメ化したボルケイNO!!をやりたいが、まだ資料がないからな……前回は美少年鎮火隊をやったから連続投下は無理だ。かといって百合は書きづらい………。」
「僕は女性のサービスショット的な裸はなんとか描けますけど、濡れ場は書けませんからね………。」
「ヴァンパイアとご義兄弟!?はどうですか?俺はテスタ×ルフルンで良いと思いますけど。」
「それはいいが………夏コミには五冊同時発売!!しかも新ジャンルも!!と書いてしまってるんだ。新ジャンルをどうするか………。」
「コスプレ写真集にするにしてもヘルだけじゃあコンビが難しいです………。カップルとか………婚約者のユカナさんにさせられないです!!」
そんなこんなで話は進むが、今やっているおまけ用四コマのトーン貼りの手は休めない。これは先着100名限定の四コマだ。他にも購入得点のシールも準備済みだ。
「二つは決まったが…………残り三つだな………。」
とりあえず夏コミまて時間があるのでどうにか考えるということで今日はさっき出した案を二人が書くということになった。
「ヘルゥゥゥ。これどうしましょう………ユカナさん用に作ったつもりで胸を私サイズで作っておじゃんになったコスプレ……もう完成してたんですよぉ……。私が着てもいいんですけど………。量が多すぎて家の倉庫に入らないんですぅ……。」
「とりあえずもらっとくか………。高校でいる人があるかもしれないし。」
「じゃあ半分貰ってくださいです!!これとかこれとかは普段でも使えるデザインです!!」
そう言われてそこにあったコスプレを紙袋に丁寧に入れられて、渡された。
ちなみに、ユカナさんはBカップ、トトはGよりのFカップらしい。
「まぁとりあえず写真集というよりは、ヘルのコスプレの生写真(少し過激な表現あり。)のセット販売で問題ないか。」
なにか悪寒がしたけど気のせいだろう。
多分。




