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第23話 御経塚・魔物進軍掃討戦 終結

 第23話 御経塚・魔物進軍掃討戦 終結


 御経塚ダンジョン十階層。


 遺跡の構造物や岩と草木、地面や上空に至るまで、そのすべてが、少しずつ本来の色を取り戻しつつあった。


 それが物語っているのは、十階層の魔物総数が、想定されていた許容値を大きく下回り、御経塚・魔物進軍掃討戦が、すでに収束へ向かいつつあるという現実だった。


 そうして現実が確定していく、その途上。石碑広場から遠く離れた通路を、迷彩塗装のダンジョンジープが土煙を上げて疾走していた。


 車体の左右側面にはギルドGメンの精鋭二人が張り付き、地面に這いつくばる涙目の人馬兵を、飛ぶ斬撃で次々と薙ぎ払っていく。車輪が跳ね飛ばした石と、斬撃で千切れた魔物の肉片が、後方へと派手な軌跡を描いた。


 車内の空気は、妙な静けさと緊張で満たされていた。ぎこちない空気だ。


 運転席では赤槻さんが、前方とミラーを忙しなく見やりながらハンドルを握っている。この場の赤槻さんがギルドGメンの無線と端末を交互に操作し、業務連絡だけを淡々と口にしていた。


 後部座席の二人、小恋路と優斗兄さんは、それぞれまったく別の顔をしている。


 ルームミラー越しに映る、後部座席から外を眺めている小恋路は、ニッコニコの満面の笑みだ。初めての大規模戦闘が、半分くらい観光か遊園地のアトラクションに見えているのかもしれない。


「ねえねえ兄さん、今どんな感じ? 新人のわたしに討伐数で負けてますけど。さて、ご感想をどうぞ」


「くっ殺せ……」


 その反対側で、優斗兄さんはどこか不機嫌そうな表情を浮かべ、膝の上で借り物の弓をいじっていた。時々、弦を指で弾いては、ため息を小さく吐いている。


 サイドミラー越しに映るギルドGメンの男子二人組は、何か言いたげな顔でときどきこちらを振り返るものの、結局、口を開くのは報告や確認くらいで、それ以上は踏み込んでこない。僕の顔色を窺っているのが、ありありと分かった。


 即席パーティのリーダー役であり、運転を一手に担ってくれている赤槻さんはというと――


「黒田さん、こちら赤槻です。ダンジョンジープ、石碑広場の手前まで出られそうです。そちらの状況は?」


 ハンドルを片手で押さえながら、肩と頬でスマホを器用に挟み、黒田さんとの通話を続けている。合流地点の細かい座標や敵の密度、石碑周囲の安全圏の有無を、手短に確認していく。


 そんなピリついた空気を、容赦なくぶった切ったのは、小恋路の一声だった。


「ああ、楽しかった~!」


 車内に、場違いなほど明るい声が響く。


 ギルドGメン三人の肩が、同時にびくりと跳ねた。ルームミラー越しに見えた優斗兄さんが、分かりやすく目をそらす。


 今回、もし「ダンジョンジープ車内対抗・魔物討伐ランキング」なんてものを作るとしたら――一位と二位は、外側に張り付いて魔物と直接刃を交え戦っていたギルドGメンの二人で間違いない。飛ぶ斬撃でバッタバッタと人馬兵を斬り捨て、車体を押し潰そうとしてきた敵を片っ端から吹き飛ばしていた。


 大人の面目を保てて、内心ホッとしていることだろう。


(ええ、そうですか~? この二人も、翔太様にビクついて、必死に外面とりつくろってるだけですけど~)

(フェアさん、お口チャック)

(はーい)


 さてさて、気を取り直して。


 三位入賞は、小恋路さんだ。ピクニック帰りみたいなテンションのまま、後部座席から身を乗り出し、ジープ後方の手摺りポールにつかまりながら、魔法をぽんぽん撃ち込み、確実に数を稼いでいた。


 四位は優斗兄さん。女子受け抜群の聖騎士ジョブ持ちだけど、参加時点では飛ぶ斬撃なんてハデな技は覚えていないし、聖魔法も回復に全振りだったせいで攻撃手段が限られていた。仕方なく、ギルドGメンスタッフから弓矢を借りて応戦していたけれど、素人感が拭えず、正直あまり戦果は上がっていなかったように見える。


 赤槻さんは運転にかかりきりなので、そもそもランキングの参加対象外だ。


 ちなみに、いつの間にか二十匹以上に膨れ上がり、急降下攻撃を繰り返しながら、こちらに向かう攻撃のすべてをその身で受け止めて大活躍だったウッドガーゴイルのみなさんと、石碑近辺で奮闘していた三匹のウッドゴーレム、そのほか枠の木製人馬兵のみなさんだけど、用がなくなったら「はいさよなら」とフェアさんに捕縛用卵の中へ封じられ、ただいま卵BOXの中で休眠中の身となっている。当然、この場にいないから、ランキングの参加対象外とした。


 そして僕はというと、助手席からこっそり憑依中のフェア念力を行使し、卵BOXの中で生成したフェア特製モリモリ卵を、車の上空に次々と浮かべては味方に向かって投げ続けていた。こっちに突っ込んでくる人馬兵たちに関しては……これ以上目立ちたくなかったので、後方の攻撃陣に全部丸投げである。


 ――そうこうするうちに、ダンジョンジープは石碑近辺の開けたエリアへと抜け出した。


 広場の外れに、白いローブと白い軽装鎧をまとった一団が見える。彼らは、宙に浮かぶ黒い穴から、渋いチャコールグレーの木製棺桶を一つ、また一つと取り出し、この戦いで倒れた人たちの亡骸を丁寧に収めていた。


 棺を運ぶ所作も、祈りの仕草も、どこか儀式めいている。


「あの人たちも、探索者なんですか?」


 運転席の横顔に向けて、思わず訊ねてしまった。


「知らないの? ――ああ、そうだったわね。新人なら知らないのも当たり前か」


 赤槻さんが、ほんの少しだけ表情を和らげて笑う。


 走行ルートを微調整しながら、彼女は手短に教えてくれた。


 あの白い一団は、大手クラン、女神教団の精鋭部隊。女神の聖棺騎士団。


 迷宮内で亡くなった探索者やNPCの遺骸を回収し、地上まで運び、遺族への引き渡しから葬式の手配まで、一括で取り仕切るパッケージを確立した、全国規模の超大手クランだという。


 遺族が迷宮そのものに憎しみを抱いているなら、女神信仰という「受け皿」を勧める。そうして日々、信者数を着実に増やしているらしい。


 迷宮内では、回復活動や遺体の収容を基本的に無償で行う、有り難い存在――表向きは。


 だがその裏では、女神の教えを広め、信仰グッズや供物を全国規模で売りさばく、巨大な宗教ビジネスでもあるのだと、赤槻さんは淡々と説明した。


「集合場所に着いたわよ。みんな、お疲れ様。さあ、降りていいわよ」


 赤槻さんの説明を聞き終えるころには、ダンジョンジープは石碑広場に到着していた。全員が車から降りたのを見届けると、赤槻さんは探索者カードを取り出し、宙に浮かび上がった専用ウインドウを手早く操作する。


 お役御免となったダンジョンジープは、見る間に大地と同化するように沈み、そのまま跡形もなく消えた。


 大きく連なる石碑の周りでは、無数の魔物の襲来から第二防衛拠点を守り切ったことで、あちこちから歓声が上がっていた。


 他の三人と合流するため、人混みを分け入っていくと、誰彼かまわず声を掛けられた。


「おめでとう!」

「お前らも生き残れてよかったな」

「君たちもよく頑張ったわね、偉いわよ」

「新人かよ。その成りでよく助かったな」


 何度も肩を叩かれ、この場にいる生還者たちは、全員が熱い興奮に酔いしれている。そのなかで、白いローブの列が、チャコールグレーの棺を抱えて広場を横切っていく。その胸元の紋章に刻まれた、棺を抱く女神の横顔が、妙にこちらを見ている気がして、僕は思わず視線を逸らした。


 そんな光景を眺めながら、それぞれの持ち場から抜け出した僕たちは、石碑のそばで合流していた。


「なんか、よく判んねえうちに終わったみたいだけど、なあ、俺達、いつまでここにいればいいんだ? もう時間、十時過ぎちまったぜ」


 武田がぼやく。


「確かにそうだな。俺達は新人研修を受けに来た。心に湧く疑問に蓋をして、魔物進軍に参加して今に至るわけだが、いつまで続くんだ、この新人研修は」


 上杉は、いつもの真面目な口調で嘆息する。


「普通の新人には味わえない濃密な新人研修でありんした。あたしはもう治療魔法を使い過ぎて、お腹がペコペコでありんす」


 マリアは両手で自分のお腹を押さえながら、力なく笑う。顔色は悪くないが、その足取りには、確かにどっと疲れが出ているのが見て取れた。


 そんな愚痴まじりの雑談をしていた、そのときだった。


『――御経塚ダンジョン十階層、魔物進軍掃討戦への参加者各位に通達します』


 頭上の石碑から、拡声魔法を通したギルド職員の声が降ってきた。ざわめいていた石碑広場が、みるみる静まっていく。


『これにて本作戦は終了とします。戦闘不能者・負傷者の搬送と、帰還経路の安全確認が完了次第、順次解散となります。新人研修参加者は、各自の担当指導員の指示に従ってください』


「お、やっと終わりかよ……」


 武田が大きく伸びをする。


「どうやら、“地獄の新人研修”も一区切りはついたようだな」


 上杉が小さく肩をすくめる。


「よかったでありんす……これでようやく、ご飯にありつけるでありんしょうか……」


 マリアのお腹が、タイミングよく、きゅるると鳴った。


 石碑の周囲では、あちこちで安堵の笑い声と拍手が起こり始めている。戦いの終わりを告げるその空気の中で、ようやく僕たちは、「新人研修」という日常へと帰っていく実感を、少しだけ取り戻しつつあった。


 石碑広場の喧騒が、少しずつ落ち着き始めたころだった。


「――やあ、朝倉君。みんなも、無事で何よりだ」


 聞き慣れた、落ち着いた声が背後からかかった。


 振り向くと、人混みの向こうから、一人の男がこちらへ歩いてくる。黒い軽装鎧に、ギルドGメンの腕章。胸板が厚く、肩幅も広い。鍛え上げられた体つきなのに、足取りは静かで無駄がない。


 髭剃り跡がうっすら残る顔は小ぎれいなのに、目だけは鋭く、獣のような警戒心を宿している。その視線に射抜かれた瞬間、背筋が自然と伸びた。


 ギルドGメン、黒田庄兵衛さんだ。隣には、戦闘装備を解いた赤槻さんの姿も見える。


「黒田さん!」


 思わず声が跳ねた。小恋路も、ほっとしたように小さく息をつく。武田と上杉、マリアもそれぞれ頭を下げた。


「まずは、お疲れさま。御経塚ダンジョン十階層、魔物進軍掃討戦モンスターパレードウォー――よく、生きて戻ってきてくれた」


 黒田さんは一人一人の顔を順に見てから、ゆっくりと僕に視線を戻す。


「朝倉君。少し、時間をもらってもいいかね?」


「……はい」


 みんなと別れ、石碑から少し離れた、静かな通路脇まで歩く。途中、小恋路が心配そうに裾をつまみかけて、しかし何も言わずに手を離した。その指先の温かさだけが、じんと残る。


 人の気配が薄くなったところで、黒田さんが口を開いた。


「覚えているかな。あのとき――君に、『政府の管理下に入るか』『探索者ギルドの管理下に入るか』、二つの選択肢を提示したことを」


「……はい。忘れるわけ、ありません」


 喉がひゅっと鳴る。御経塚の石畳の上で、あの日の通話が、頭の中で蘇る。


『今日この日、“人類の味方にも敵にもなり得る存在”が生まれる――』


 迷宮省の審議官からのあの電話。人類側につくなら、御経塚の魔物進軍で力を示せ。政府か、ギルドか。どちらかの管理下に入れ。


 あのとき黒田さんは、「答えは生還してからでいい」と言ってくれた。いま、その「生還したあと」が、目の前にある。


「では、改めて訊こう」


 黒田さんの声が、御経塚の静かな空気に溶けていく。


「朝倉翔太君。君は、これからどちらの庇護を選ぶ? 政府か、それとも――探索者ギルドか」


 迷わない、と言えば嘘になる。

 でも、もう一度、自分の中で答えを確かめる。


 政府の管理下に入れば、きっと手厚い保護と監視がつく。

 ギルドの管理下なら、自由度は高いが、責任も増える。


 どちらを選んでも、もう「ただの中学生」には戻れない。


(……それでも)


 僕は、石碑広場の方へ視線を向ける。人混みの中で、小恋路がこちらをじっと見ていた。気づいた彼女が、小さく手を振る。


(僕は――小恋路と一緒に歩く道を選んだ)


 深呼吸を一つ。

 震えていてもいい。格好悪くてもいい。


「……僕は」


 言葉を、ひとつひとつ、確かめるように口にする。


「政府の管理下には入りません。探索者ギルドの管理下に入ります」


 黒田さんの眉が、わずかに動いた。


「理由を、聞いてもいいかね?」


「はい」


 自分で決めた言葉を、もう一度、胸の奥から引き上げる。


「僕は……探索者になる夢を持つ小恋路の背中を守るために、同じ道を志しました。人類の敵とか味方とか、僕にとってはその次の話です。小恋路を守れれば、一緒の道を歩き続けられたら、それでいい。……さっきも言いましたけど、それが僕の本音です」


 握りしめた拳に、爪が食い込む。


(……それに、小恋路と引き離された挙げ句に、自衛軍に入隊させられるとか、本気で勘弁してほしい)


「だから、政府の“保護対象”としてガラスケースに入れられるより、同じ現場で戦える場所を選びたい。僕の力が、人類の役に立つなら、それは探索者ギルドの一員として示します」


 言い終えたあと、黒田さんはわずかに目を細めた。


「……自衛軍行きの線も、まったくの絵空事とは言えないからね。君が嫌がるのも、よく分かるよ」


 少しの沈黙。


 黒田さんは、まっすぐに僕を見つめ、その視線の奥で何かを量り続けていた。やがて、ふっと表情を緩める。


「……そうか。その答えを、聞けてよかった」


 黒田さんは、小さく息を吐くと、ゆっくりと頷いた。


「朝倉翔太。君の希望通り、君は探索者ギルドの管理下に入る。――ギルドGメンとしてではなく、一人の大人として約束しよう。君の力が暴走しないように、そして、君が“人類の敵”にならないように。私たちは、君を全力で支える」


「……はい」


「もちろん、見返りもそれなりに求めることになるがね。それでもいいかい?」


 冗談めかした口調に、思わず肩の力が抜ける。


「ギルドに借りを作るのは、いまさらなので……」


 そう答えると、黒田さんは静かに笑った。


「なら、契約成立だ。――改めてようこそ、探索者ギルドへ。朝倉翔太君」


 そう言って差し出された右手を、僕はしっかりと握り返した。


 握手を終えると、黒田さんはいつもの無表情に近い顔に戻り、小さく咳払いをする。


「詳しい手続きや今後の取り扱いについては、地上に戻って、日を改めてから説明しよう」


「え、この後でなくていいんですか?」


「いきなり最初から、肩に力を入れなくても大丈夫だよ。それに今日は、精神的にも肉体的にも相当疲れただろう。明日と明後日は、できるだけゆっくり体を休めなさい」


 黒田さんは、ほんの少しだけ声をやわらげる。


「君は今日、大きな決断をした。その一歩だけで十分だ。今は……仲間のところへ戻ってあげなさい」


「……はい。ありがとうございました」


 頭を下げてから、石碑広場の人混みの中へ戻る。

 あちこちで笑い声と溜息が入り混じり、誰もがそれぞれの「生還」を噛みしめていた。


その時――


『朝倉翔太がC級御経塚ダンジョンを支配下におきました』


 乾いた機械音声のようなアナウンスが、突然、頭の中に落ちてきた。

 一瞬、足が止まりかける。

 フェア絡みの“何か”だということだけは、直感的に分かった。

 だが、詳しく考える前に――


「翔太!」


 人の波の向こうから、小恋路が手を振りながら駆け寄ってきた。

 その後ろには、優斗兄さん、武田、上杉、マリアの姿も見える。


「翔太、さっき黒田さんと何話してたの? なんか、すっごく真剣な顔してたけど」


「おうおう、なんだ、個別面談か? まさか、このままスカウトされてA級パーティ入り、とかじゃねえだろうな」


 武田がニヤニヤしながら、肘でつついてくる。


「それはそれで、少しは興味があるが……翔太、何かあったのか?」


 上杉が真面目な顔で尋ねてくる。

 視線が一斉に集まるのを感じて、思わず頭をかく。


「えっと……」


 一瞬、さっきの会話が頭をよぎる。

 政府か、ギルドか。人類の敵にも味方にもなりうる存在。九十五パーセントの預言者。自衛軍行きの未来。


 全部を正直に話せば、きっと場の空気が重くなる。

 まだ、自分の中でも整理しきれていないのに、それをそのままぶつけるのは、何か違う気がした。


「まあ、なんていうかな、お試し期間としてなのかな、ギルド関係者から“特注のお仕事”を発注してもらった、って感じかな」


 なるべく軽い口調を心がけて、肩をすくめる。


「特注のお仕事?」


 小恋路が首をかしげる。


「うん。ざっくり言うと……まだ話は全部決まったわけじゃないんだけど、探索者ギルドに僕オリジナルの特別な回復薬を置いてもらえるかもしれないんだ。で、いまのところそれを作れるのは僕だけだから、ギルド的にはちょっと“保護対象者”扱いになるかもって話。だから、これから危ないことしたら、まずギルドに怒られることになるかも」


「……えっ、それって」


 小恋路の目がぱちぱちと瞬く。


「なんだよ、それ。すげえんだか、面倒なんだか、よく分かんねえな」


 武田が笑う。


「ギルドの保護下に入れば、悪質なクランから守って貰える、まだ話が通じる相手で良かったと受け取るべきだろう」


 上杉が腕を組んでうなずいた。


「朝倉はんにとって、一番やりたいことがやれる場所を選べたんなら、それで十分でありんす」


 マリアが、ふわりと笑う。


 小恋路は、少しだけ不安そうな顔をしてから、ぎゅっと僕の袖をつまんだ。


「……その“特別なお仕事”のせいで、翔太がどこかに連れていかれたりしない?」


「しないしない。少なくとも、僕が嫌がる方向には、黒田さんは持っていかないと思う」


 さっき交わした握手の感触を思い出しながら、できるだけ穏やかに笑ってみせる。


「それに、僕の“仕事場”は小恋路と同じところがいい、ってちゃんと伝えたから」


「……そっか」


 小恋路の表情が、ようやくほっと緩んだ。


「だったら、あたしは安心でありんす。さっきからお腹が鳴りっぱなしで、それどころじゃなかったでありんすけど」


 マリアのお腹が、またきゅるると鳴る。

 みんなの間から、自然と笑いがこぼれた。


 御経塚ダンジョン十階層、魔物進軍掃討戦モンスターパレードウォー――終結。


 大きな戦いのあとで、それぞれの胸の内には、まだ言葉にならないものがたくさん渦巻いている。

 それでも僕たちは、ひとまず、「中学生の夏休み」という日常へと帰っていくのだった。


 応援よろしくお願いします!


「面白かった!」


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「この後一体どうなるのっ……!?」


 と思ったら


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 面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


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