22話 ハルちゃん、結婚したの!?
晴夏が谷村姓になってから初出勤した日は、特技は隠密の三木とあやちゃんと同じシフトだった。
「ハルちゃん、名字が変わったの!?」
(ハルちゃん、谷村ってまさか、高校の時にあの嫌味言ってきた先輩じゃないわよね!?もしかしてスピーカー鈴木の影響だったりしないわよね!?)
(それにしても、雰囲気色っぽくなってるわ!?)
三木は普段の涼やかな表情を崩さずに内心は暴れていた。
「先日結婚しまして、谷村になりました。これからは日勤パートになります。よろしくお願いします」
「えっ!?まだ2年目なのにパートになっちゃうの??」
あやちゃんは、呆然としながらも内心悩んでいた。
(この前私が鈴木さんもいたのに聞いちゃったから、院内中に告白の話が広まっちゃった。私が何か聞いたらまたハルちゃんを困らせる事になるかもしれない……)
「そうなんだね、おめでとう〜」
あやちゃんは、本人から何か言ってくるまで待つ事を決めた。
(GPSを切らさないって事しか契約書に書いてなかったし、スマホはロッカーに入れてたら問題ないよね?)
(誰かの前では触らないようにしないと)
晴夏はいつものように輝く笑顔で働いた。……昼休憩に湊からの、『初出勤はどうだったか?問題無いか?』というメッセージを見そびれるほどに。
帰宅後スマホを見た晴夏は、青ざめた。
「旦那様から、お昼休みにメッセージが届いてた…」
慌てた彼女は、『今日はあやちゃんと同じシフトでした。おめでとうって言ってもらえましたよ。心配してくださってありがとうございます!』と打った。
晴夏の退勤後、夜間シフトのスピーカー鈴木が出勤して院内はカオスとなっていた。
「ハルちゃんが結婚したんですって!?なんで私は今日シフト被らなかったの〜!?話聞きたかったわー」
「谷村さんになってたらしいですよ。あと日勤パートに変わったそうです」
「え?それって呼吸器科の谷村先生??」
「そういえば、もう引退されたおじいちゃん先生も谷村先生で、サラリーマンの息子さんが3人いるって聞いた事がありました」
「そういえば、総合病院にも複数人、谷村先生っていますよね」
夜勤メンバーはみんな混乱していた。
(いったい、どの谷村妻になったのー!?)




