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Private Investigator  作者:


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4 銃撃

「はぁっ...っはぁ.....!」 

 

俺は走る、"ソレ"から少しでも距離を取る為に、振り返ると、奴は俺を喰い殺さんとばかりに追ってくる。もし捕まれば俺は間違いなく惨たらしい最期を迎える事になるだろう。


「クソッ!!どうすれば奴を振り切れる?」

 

脳がそんな思考に支配されていた所為か、俺は木の根に躓いて転んでしまう。

 

「ぐっ...!何も見えない.....」


どうやら先程の衝撃で眼鏡が外れてしまったようだ。


「グオォォォォォ!!!」


化物が迫ってきている、絶体絶命だ。 

24歳にして俺はその人生に幕を下ろしてしまうのか、俺がそう覚悟した時だった。


 

 

 

         バンッ!!!


  


      

突如響いた轟音に俺は戸惑いながらも音のした方を見る、そこには拳銃を構えた俺の見知った顔の男がいた。

 

「こっちに来い」


「お前...!?なんでここに」 


「死にたくなかったらこっちに来い!!」


後藤春之、俺にこの化物の調査を依頼した男はそう俺に叫んだ、化物のいた方を見やると奴は身悶え、苦しんでいた。俺は素早く眼鏡を拾い、言われるがまま彼の元へ駆ける。 


「こっちだ」


言われるまま彼についていくと車が停まっていた、どうやら事前に停めておいたものらしい。

 

「乗れ」

 

言われるまま俺は助手席に座り、後藤は運転席に座る、そして俺たちはそのまま森から逃げ出した。

 

しばらく経つと町へ出た、化物ももう追っては来ていない。俺たちは喫茶店に寄り身を休める事にした。俺は周囲を窺いながら小声で囁く。

 

「お前、なんであの場所に?それに...何で銃を?」


俺がそう聞くとそいつは、少々ばつが悪そうにしながら。

 

「...実はどうしてもあの化物の事が気になって、様子を見に行ったんだ、そしたらちょうどあんたが襲われている所だった」


「お前.....勝手な事を」 

 

まぁそのおかげで助かったんだからいいか...とういうかこいつ、いつの間にかタメ口になってるな、まぁ俺もだけど、っと...そんなことよりももう1つ気になることが.....


「んで、その銃は?ここは日本だぞ?」 


「護身用さ」


護身用って...この事と言い、この前化物のことを知りたい理由を聞いた時に好奇心と言ったり、こいつには秘密主義のきらいがあるようだな。詳しく聞いたところで答えてくれそうにもないし、ここはやめておくか。それよりも.....


「お前、あの化物の正体について何か心当たりがあるんじゃないか?」


俺がそう後藤に聞くと、そいつはほんの一瞬動揺したような素振りを見せた。 


「.....何故そう思った?」

 

「元々、あそこに様子を見に来たって時点で不自然に思ってたんだ、それにその銃、やはりただ護身用の為だけに持っているとも思えない、あの化物対策にか?化物には銃が効くと知っていたんだな」


「........」

 

後藤は少しの間無言になった後、こう告げた。

 

「やっぱり探偵相手にあんなぬるい嘘は通じないか、危険な目に遭わせてしまったし、これを教えよう」


俺は黙って聞く。

 

「小学生の頃、俺が家に帰ってきた時に両親が死んでいた、体には大きな爪痕が残っていて頭を喰われていた。俺には訳がわからなかった、警察も言ってたよ、こんな遺体は初めてだって、犯人も未だに分からずじまいだ」


「なっ...!?」


こいつにそんなことが...?それに、小学生の頃に両親が死んだって.....




(俺と同じだ.....)



 

「それから数年後、たまたま父が使っていた部屋のタンスの裏で写真を見つけたんだ」


「写真?」


「ああ」

 

後藤はそう言いながら、写真を懐から取り出し俺に見せてきた、二人の男が笑顔で写っている写真だったが、俺は向かって左側の男に見覚えがあった。

 

「この男を知っているか?」

 

「知っているも何も...権座(ごんざ)研究所の所長だろ?」


権座研究所とは新宿に構える、主に化粧品や医薬品を製造している大手の研究所だ、俺もその会社の製品には何度かお世話になっている。元は小さな製造工場だったが、それを一代で大手研究所にしてみせたのが写真の男、権座重蔵(ごんざじゅうぞう)だ。

 

「もう片方は俺の父親だ、父が勤めていた会社は権座研究所の下請けだった、父はしがない会社員だった。それがどうして元請け会社の、しかも所長と笑顔で並んでツーショットなんか撮っているのか、それが気がかりだったんだが.....そんな時、ある筋から情報を掴んだんだ」


「情報?」俺は問い返す。

  



「権座研究所は秘密裏に"ある実験"を行なっている」




「...何?」


ある実験だと?それで化物との繋がりを疑ったのか。 


「だがその情報、本当に信じていいのか?」


「信じてみる価値はある...実は前にあの森に行ったのはハイキングなんかじゃなくって、そいつに言われたのさ、あの写真はその時に撮った」


成程、それなら確かに信憑性はある。何故そいつがそんな情報を持っているのか気になるところではあるが...

  

「正直...今は詳しいことは何も分からない、だからこそ探究するんだ、俺は両親の死の真相が知りたい」


後藤は本気のようだ、俺は........


「そうか、お前がその気なら俺も協力する。これからくる依頼は全部拒否だ」


「いいのか!?」


「ああどうせほとんど依頼は来ない、来たとしても浮気調査や、犬猫探しだ。いくらでも替えは利く」

 

「菅原...心強い仲間ができて嬉しいよ」


「秋一でいいよ、よろしくな...春之」


「ああ、よろしく秋一」

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