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男子力ってつまり女子力?


 夕食を食べ終わった俺達だが、ここには大浴場があるらしく風呂にはいることになった。

「なぁ、実夏料理メッチャうまかったな」

尚が話しかけてきた。


 「あぁ、うまかったな」

「そ、そうだよな」

尚の様子がおかしい、どこかソワソワしている。


 周りを見てみると他の男子もみんなソワソワしている。

「どうしたんだ、さっきからソワソワして?」

「べ、別になんもないぜ」


 俺は一旦落ち着いて考えてみる。

『異世界、勇者、世界を救う、豪華な食事を食う、風呂に入る・・・風呂?まさか』

「おい、尚お前まさか覗きをしようとか考えてないよな」

俺の言葉に男子全員の肩がビクッとなった。


 「そ、そんなわけねぇだろ、そうだよなみんな」

「「「「「そうだ、そうだ」」」」」

「ふーん、まぁ良いけど、もし覗きなんてしたらお前らの息子切り落とすぞ」

「「「「「ヒィィィィィィィィィィ」」」」」

男子全員が顔を青くして、股間を抑えた。


 「あれれ、どうしたのかなみんな、そんな股間抑えちゃって、まさか覗こうとしてたの?」

「いや、そんなことないから、ほんと大丈夫だから」

「まぁ、俺は尚の親友だからその言葉信じるけど」

「ふぅー」

尚は安心したのか膝から崩れ落ちた。


 『あほらし、さっさと風呂に入っちまおう』

俺はここに居るあほ共を放っておいて風呂に入った。

中は当然の如くメッチャ広かった。


 壁には映画などで見る。ライオンの顔があった。

俺は先に体を洗って、浴槽に浸かる。

「ふぅ、いい湯だな。ここだけだな気が休まるのは」


 俺が浸かる事十分たった時にやっと他の男子が入ってきた。

俺はしっかり男子共が覗きをしないように監視していた。

『あの二人は何をしているんだ?』

俺は端っこの方でもじもじしている怪しい二人を見つけた。


 俺はそっと駆け寄って、ワッと声をかけた。

二人はビクッと肩を浮かした。

「なぁに、してるのかな?かな?」

「「ナンデモアリマセン」」

「ねぇ、教えてよ。仲間外れにしないでよ」

二人はビクビクしながら抱き合っている。

「そっか、二人は仲良しなんだね。友達はほしいけど、オホモダチは

ごめんだよ、それじゃくれぐれも、覗きなんてしようと思わないようにね」


 俺はそれだけ告げるとすぐに上がった。






 部屋に戻るとすでに三奈羽がベッドに座っていた。

「お帰り」

「誰か覗きの被害とかにあってないか?」

「大丈夫だよ、でも男湯の方が騒がしかったけどなんかあったの?」

「いや、特に何にもなかったけど?」

「ふーん」


 今の三奈羽の状態を言おう。

風呂上がりなだけあって顔が紅く、髪も濡れている。

髪の先についている滴が鎖骨の方へと流れていく。

『正直、めちゃくちゃエロ可愛い』


 俺は頭の中の邪念を振り払って自分のベッドに座った。

「当たり前だけど、スマホ圏外だね」

「そりゃそうだろ、逆に電波があったら怖いわ」

「明日から本格的になるんだね」

「いきなりどうしたんだそんな暗い表情して」

「実夏が死んじゃうんじゃないかって思うとさ」


 三奈羽の瞳が俺を捕らえる。

「大丈夫だって、こう見えて俺って結構ビビりだし、ヘタレなんだから、危なくなったら逃げるからさ」

「そんなこと言って、昔近所の不良グループに一人で殴り込みに

行ったのは誰だったけ?」

「はい、私でございます」


 三奈羽は俺の近くに座った。

「お願いだから、私にこれ以上心配を掛けないでしょ」

涙目+上目使いで俺を見ている。


 「だ、大丈夫だって」

「大丈夫じゃない、今日だってほんとはあのとき行って欲しくなかったんだよ」

「でもほら、大丈夫だっただろ」

「それでも、偶々うまくいっただけでしょ、実夏が死んだら・・・」

「悪い、でもさあの状況で冷静に動けたのは俺と先生だけだった

さっきも説明したように、先生が死んだらみんなもっと混乱したり

するだろ、そんなことになったらもっと大変になるだろ」


 すると三奈羽が俺に飛び付いてきた。

その結果、俺は三奈羽に押し倒されているような絵になっている。

「だからって実夏が危ないことしないでよ」

「三、奈羽」

「お願いだから、私これ以上ミカが危ないことしてるの見たくない」


 そのときだった。ドアが開いた。

「ミカ、お姉ちゃんと・・・」

「大好きな可愛い妹と・・・」


 真美と香代が入ってきた。

「「何してるのぉぉぉぉぉ」」

二人が叫ぶ。

俺は慌てて三奈羽から離れて事情を説明しようとする。

「誤解だって、待って話を聞いて」

「何で、三奈羽のこと襲って私のことは襲ってくれないの」


 真美がいきなり訳のわからないことを口走っている。

「何言ってるんだ。それに俺らは兄妹わかったかな」

「知らない、何で私じゃなくて三奈羽を襲ってるか聞いてるの?」

「だから誤解だってば」

「おにい、おにい、おにい、嘘だよね」


 香代はこの世の終わりって位の顔をしている。

「落ち着け、三奈羽も手伝ってくれ」

三奈羽の方を見ると顔を真っ赤にさせて、ベッドの上に正座している。

「わたしってば、何て大胆なことしてたんだろ、恥ずかしい」


 悶絶していた。

「これはちょっと、家族会議が必要だよね」

「そうだねお姉ちゃん、おにいも家族会議するよ」

「なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 



 俺は二人にあの後二時間位OHANASHIした。

「ふぅ、あれは誤解ってことね」

「よかったてっきりやっちゃったのかと」

「だから誤解だってずっと言ってたっだろ」

「あぁもうこんな時間明日も早いだろうし、私たちもう戻るね」


 二人は風のように去っていった。

ほんとあの二人は嵐のような姉妹だ。


 「ほら、三奈羽ももう遅いから早く寝るぞ」

「う、うん」

まだ悶絶をしていた。

俺もベッドに入った。


 俺がベッドに入って五分くらい経つと布団の中がもぞもぞと動き出した。

「な、なんだ」

俺はゆっくり布団をめくりあげた。


 「約束忘れてないよね」

とても魅力的な微笑みを浮かべていた三奈羽だった。

「で、でもまたさっきみたいなことに」

「大丈夫だって、約束したでしょ」

「いやですね、でもやはり男女七歳にして席を同じうせずって言葉があるように」

「約束したのに・・・守ってくれないんだ」


 捨てられた子犬のような顔をして俺をそんな目で見るな。

「分かった。分かったからその顔をするな」

「わーい、それじゃお休み」


 三奈羽は俺に抱き着いて眠った。

『ヤバい、寝れない』

俺はずっとドキドキして眠気が吹っ飛んでしまった。

俺はチラリと三奈羽の顔を見る。


 気持ちよさそうに寝ている三奈羽の顔

『ほんと、可愛いよなこいつ』

俺は幼馴染だったこともあってか、中学の時は異性と見れなかった。

『いつの間にこんな綺麗で可愛いいや、昔から可愛かったか』

高校に入って異性として見るようになってからは俺の心臓はバクバク跳ねたままだ。

『俺ってやっぱりこいつの事が好きなんだな。俺にはそんな資格はないのに』


 俺は脳裏に苦痛に歪む三奈羽の顔が過ぎた。

俺が落ちてしまったせいで足が動かなくなる。自分の足で動くことが出来なくなった三奈羽の顔

今でもよく覚えている。


 高校二年生になってやっと松葉杖で歩くことが出来た三奈羽

『やっぱり、俺にはこいつと一緒にいる資格なんてないのかもな、こいつだっていつかは好きな人が出来てそいつと・・・いやだな、三奈羽が他の誰かに取られるのなんて見たくない』

俺は自分でもわかっているのだが、やっぱりこの気持ち()を捨てることは出来なかった。


 『考えてても仕方ないな、もう寝よう』

俺は少し冷静になったのかさっきよりドキドキはマシになっていた。








 目が覚める。目の前に二つの大きなプリンがあった。メロンとも言う。

俺はすぐに三奈羽から離れた。


 『全く、人が真剣に悩んでるのに、こんな事されたらもっと好きになっちまう』

俺は頭を冷やすために外を散歩しに行った。





 とりあえず、あんまり遠い所には行かないように気を付けて散歩することにした。

部屋を出て少し歩くと綺麗な庭があった。

俺はその景色を見るために庭を歩いた。

 

 「はぁっ、はぁっ、せいっ」

奥の方から誰かの声が聞こえてきた。

気になり様子を見に行った。


 「えいっ、せいっ、はぁっ」

綺麗な蒼い髪をした少女が拳を振るっていた。

蒼の少女は頭から耳が生えていたため、昨日言っていた獣人と言う奴なのだろう。

パキッと俺が踏んだ枝が折れる音がしてしまった。


 「誰っ」

少女はこっちを振り向く。

「す、すみません、散歩をしていたら声が聞こえてきた物ですから気になって」

「えぇと、君は昨日召喚された中でも冷静だった子だよね」

「まぁ、そうだと思います」

「ふーん、ねぇ少しお話しない?」

「お話ですか、良いですけど」


 俺は少女の近くに座った。

「私はレイネ・ベルゲル」

「俺は早乙女実夏って言います。こっちの世界風に言ったらミカ・サオトメですね」

「どうして君は一人だけ冷静だったの?」


 レイネさんは面白いものを見つけたかのような顔をして俺を見てくる。

「元の世界でこういう感じの話の小説とか読んだことがあっただけですよ」

「でもそれだけだったら、興奮するだけで、あそこまで冷静に動けないよね」

「それは多分元の世界でスポーツやってたからだと思います」

「スポーツって競技のこと?」

「そんなところですね、それで俺はチームの事を見て作戦を決めたりする役目をやっていたからだと思います」


 実際にキャッチャーと言うポジションは一人だけみんなとは逆の方向、バッターと同じ向きを見ている。

そこから俺はチームのみんなの位置などを見て判断したりするのだが、それも一応冷静に対処できた

理由の一つなのではないかと思う。


 「ごめんね、私達の勝手な理由で召喚しちゃって」

「そうですね、最初は俺も色々思うことはありましたけど、召喚された時になんか良く分からないですけど

足が悪かった幼馴染の女の子の足が治ったので召喚されて良かったとかも思います」

「確かに、あの召喚するための魔法陣には召喚された人の身体能力を上げたりする効果があるから

多分それが足が治った原因だと思う」


 レイネさんはタオルで汗を拭きながら説明してくれた。

「レイネさんって結構すごい方だったりします?」

「・・・なんでそう思うの?」

「いえ、昨日王女様の後ろにいた女性の方たちって多分全員すごい方と言うか王族だったりしそうなので」


 レイネさんは更に面白いものを見つけたかのような表情になり俺の横に座った。

「すごいね、そこまで冷静な判断が出来るって」

「ってことはもしかして王族だったり、獣人の国の王様とか」

「あったり、私はベルゲル獣国の第二王女レイネ・ベルゲルだよ」

「やっぱりですか、失礼しました」

「良いよそんな喋り方しなくても」


 レイネさんは手を振って止めてくれと言ってくる。

「レイネ様って呼びますね」

「もう、やめてって言ってるじゃん」

「すみません、じゃあレイネさんって呼びますね」

「うん、そうしてくれると嬉しいよついでに敬語もなしにして」

「分かった。それでレイネさんは鍛錬ですか?」

「まぁね、って言うか動いてないと落ち着かないだけなんだけどね」

「ははは『王女ってイメージが付かない』」


 シュッと俺の顔の横にレイネさんの拳があった。

「失礼なことを考えてない?」

「考えてませんよ」

「ほんとかな・・・まぁいいや」

拳が離れた。


 『なんでこうも女性は感が鋭いんだ』

俺は昨日からずっと疑問に思っていた。

「君達の世界はどんな世界だったの?」

「この世界とは違って魔法とかなかったですね」

「えっ、じゃあどうやって生活してたの?」

「科学って言うものを使って生活してましたね」

「聞いたことはあるけどにわかには信じがたいな」


 どうやら先代の勇者たちからも話を聞かされていたようだ。

それで分かったことがあるんだが、召喚された勇者は五百年前にも関わらず、俺達がいた時代をほぼ同じ

ようだった。俺の考えが正しければもとに戻ってもあまり召喚された時間と変わらないと思われる。


 「いつか行ってみたいなミカたちが住んでる世界」

「まぁ平和ってことは確かですね」

「いいなぁ、私達がこんな平和を作り出せたのはちょっと前だもん。それまでは奴隷制度とかあったせいで

獣人や亜人は奴隷にされることが多かったから」

「でも、今は無いってことは皆さんが頑張ったってことですよね」

「まぁね、奴隷制度はなくなったけど今度は魔獣が相手か」

「大変ですね、そう考えたら俺達が住んでいた世界がどれだけ幸せだったことか」


 「そう言えば男子力って何なんですか?」

「あぁ、説明してなかったね男子力って言うのは家事、裁縫、料理、その他の四つがあるんだ。

それで男性は魔法が使えないから女性の方が立場は上ってことになってるけど、男子力が高い人も

強い権力を持つことが出来るんだよ。

男子力にはランクがあるんだけどC,B,A,Sの四つがあるけどずっと昔に料理でEX出た人がいたんだ。

男子力が高い人は求婚を求められたりするんだよ。男子力って他の呼び方があってね嫁度とか読んだりするんだよ」


 『うん、待ってくれ、つまりナンダ男子力って俺達の世界で行ったら女子力的な事なのか』

俺は自慢ではないが自他共に女子力が高いと認めている。(自分では認めたくないが)

「へ、へぇ」

「どうしたの?なんか分からない事とかあった?」

「その他ってどんなのがあるの」

「例えば、ふとした仕草とかかな」

「へぇ、ソウナンダ」

「まぁ、世の中には女尊男卑を主義にしてる人もいるけどね」

「そうなんですか」

「あと、この世界じゃ男性って貴重なんだよ」

「なんでですか」

「百年くらい前から男の子が生まれるのが少なくなってきたからだよ」

「へぇ、それじゃ男子力が高い人って」

「すっごいモテるね」


 ここに来てのチョー展開男子力によってモテるかモテないかだと

『俺って・・・いや考えるのは止めよう』

「そう言えばどうやって男子力とか測るんですか?」

「そう言うアイテムがあるんだよ、オリジナルスキルとかもある人は映されるね」

「オリジナルスキルって誰にでもあるんですか?」

「いや、ほとんどの人は無いけど、王族とかはあるかな、あと異世界人の人は全員すごいスキルとか

持ってるから、戦闘ではお願いね」


 レイネさんは思わず息をするのも忘れてしまいそうな表情で俺にそう言った。

「そう言えばなんでレイネさんは自分の国じゃなくてここに居るんですか?」

「あぁそれはね、召喚するって言うから全ての国から王族が最低でも一人は個々に来てるの、さっきミカが

言ったように、王女様の後ろにいた人は全員王族、昨日ミカが話した灰色の髪をした人も竜人の国

ドラグナ帝国の第一皇女セイラ・ドラグナ」

「やっぱりですか、ほんと俺ってあそこで切り殺されてもおかしくなかったってことですよね」

「うーん、女性だったらあるかもだけど、男性だったら大丈夫だよ。だから気を付けないとね

いつ誰かに襲われるかもだよ」


 「まさか、そんなぁ」

「ウソじゃないよ、男性は貴重でしかも異世界人、過去の資料でも過去に召喚された勇者は全員男女問わずに強かったらしいから、そのうち誰かに襲われちゃうかもね」

レイネさんは二ヤリと笑った。


 「はぁ、異世界って滅茶苦茶ですね」

「そんなことないよ、私達からしたらミカたちの世界の方が意味わかんないよ

ナンデ鉄の塊が空を飛ぶの?」

「まぁ、人間に不可能は無いってことですよ」


 「あっ、もうこんな時間だごめんね長く話しちゃって、もうすぐご飯だよ」

「そうですか、俺の方こそすみません鍛錬の邪魔しちゃって」

「良いよ、あれは鍛錬じゃなくて運動だから」


 




 





 


 

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