7.人間そっくり
7.人間そっくり
1930年代のアメリカでラジオドラマ「宇宙戦争」が放送されたときのことだ。音楽番組の途中で緊急ニュースとして”火星人による地球侵略が発生した”ことを報じる、という体裁で制作されたこのドラマはあまりに真に迫っており、多くの視聴者がパニックになったという。
1970年代にはイギリスで「第三の選択」というタイトルのドキュメンタリー風ドラマがテレビ放映されたことがある。科学者、技術者の連続失踪事件を追っていた番組スタッフが、やがて来る地球規模の気候変動から逃れるために政府高官など一部の人間が火星に逃亡移住しようとしている事実を突き止める、という内容だったらしい。
さて。
一昨日からテレビで繰り返し報じられているニュースは本当なのだろうか。
人間そっくりの姿をした、しかし人間ではない化け物がこの社会に入り込んでいるというニュースは。
その化け物は手をかざすだけで生き物を殺すことも生かすこともでき、また脳細胞の組成を変容させて人間の記憶や認識、感情までも書き換えてしまう。
そういった恐ろしい能力を駆使し、じわじわとこの社会を浸食しているという。
以前ならこういった奇妙なニュースを耳にしたときは、インターネットで情報を収集して真偽を確かめたものだったのだ。だが今はそれができない。
先日由希子さんがプロバイダ契約を解約してしまったからだ。
お金が無いのは悲しいことだと、しみじみ感じる。




