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36. 【マンダン地下五階③】私は覚悟を決めます!

ハチャほのの番外編も更新しました!

今回更新したのは一章第一部12話の裏側「魔法が使えない三日間 <二日目>」です。


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 いや、敵に会えたのはいいんだけどさ⋯⋯。周りが氷に覆われていて見えないってどういうこと!?


 なんと、イカは、私たちに気がつくなり、すぐに攻撃をしてきたのだ! 今も現在進行形で水中で大きな氷をぶつけてくる。氷で攻撃をしてくるってことは、このイカは、水魔法使いなのかな? きっとそういうことだよね。


「さて、どうやって倒しますか?」


「まずは、闇を取り除いたほうがいいんじゃないかな?」


「そうだな。レベルを下げたほうが戦いやすいに決まってるしな」


 まずは、闇を取り除く。それが決まったのはいいんだけど⋯⋯どうやって取り除く? 現在、イカに氷で攻撃されているから、イカのほうに杖を近づけるのは難しい。杖をイカに当てるのはもっと難しい。不可能では? え⋯⋯どうしよう?


「問題は、どうやってイカに杖を当てるかですね。この状況では、不可能に近いでしょうし」


「「う〜〜ん⋯⋯」」


 みんなで考えていると、少ししてライムが言った。


「リズムさん、この杖は触れていなくても操ることができますか?」


「あ、うん。ルカ様が、できるって言っていた気がする。操って、イカに当てる作戦?」


「はい。まずは、この杖をフィアルさんに思いっ切り投げてもらいます。それを僕が操り、イカに当てる、という作戦です。イカは相当大きいので、その分取り付いている闇も多いでしょう。リズムさん、追加で光魔力を付与してくれますか?」


 うん、勿論! ライム、この短時間で作戦を思いつくなんてすごいなぁ⋯⋯。流石! なんか、日に日にライムの頭が良くなってきている気がする。


「“浄化(サンクチュアリ)”」


 私がそう唱えると、杖が私の魔法を纏って光る。この光景はもう見慣れた筈なのに、こんな状況だからかな、癒やされるわぁ⋯⋯。


「フィアルさん、よろしくお願いします」


「おう! 任せとけ! えいっ!!」


 ライムから杖を受け取るや否や、フィアルはそう言って杖を投げた。行動早っ! 


 フィアルが投げた杖は、すごい速さで私の“星の盾(スターライトシールド)”から出ていく。イカの氷の攻撃を食らいながらも、止まることなく、イカに向かって前進している。すごい⋯⋯。流石はフィアルだ。


「ここから、僕が操ってイカに当てます!」


 ライムがそう言うと、杖の軌道は異常な方向に曲がり始めた。杖は少しふらついているけれど、しっかりとイカの方に向かってはいる。イカは、攻撃をするのに夢中で杖が近づいてきていることに気が付いていない。杖を当てるなら今がチャンスだ!


 杖は、ゆっくりと、でも確実にイカとの距離を詰めていき、ついにイカにちょんっと当たる。その瞬間、杖は今まで見たことがないくらいに、まばゆい光を放った。


 ま、眩しい! なになに!? 今までこんなに光ったこと、ないよね!? どうして!?


 数秒後、再び目を開けると、闇を纏っていないイカが目に入った。勿論、暴れている。元々凶暴な生物なのに、闇が取れた衝撃のせいでさらに凶暴になっているため、とても暴れている。生き物って、こんなに暴れることができるんだ⋯⋯。魔法は放ちまくるわ、水中を泳ぎ回るわで、すごく忙しそう。それに、動きがとても速い。


「レベルは⋯⋯三十九になっています。無事に闇が取れて、レベルも低くなりましたね。どうやら、結構な量の闇が取り付いていたようです。杖があんなに光を出したのも、大量の闇を吸い込んだ所為でしょう」


「そういうことかぁ」


 なるほど、杖があんなに光ったのは生物についていた闇の量が多かったからなんだね。よかった、イカの闇が取り除けない、なんていうことになったわけじゃなかったんだ。まあ、あの超万能で有能な杖にそんなことがあるわけないか。


「ここから、どうやって仕留めるんだ?」


「そうですね⋯⋯。普通に攻撃をしても、あの速さで動き回っている相手には当たらないでしょうし⋯⋯。フィアルさんの動きを止めたときのように、リズムさんの“想いの歌《フィーリングメロディー》”を使おうにも、きっとイカ相手には通用しませんよね⋯⋯」


 確かに、“想いの歌《フィーリングメロディー》”はイカには通用しなさそう。水中だし、なによりイカに耳があるのかわからない。そもそも人間の声を聞き取れるのだろうか。


 う〜ん⋯⋯。どうやってイカの動きを止めよう⋯⋯? フィアルの炎魔法は使えないも同然だから、炎系はダメでしょ? ライムの水魔法を使うか、私の草魔法や光魔法を使うかのどちらかかな。私の音魔法は、そもそもイカが音を聞き取れないかもしれないっていう問題のせいで効かないだろうし。


 光魔法⋯⋯いや、今は使っても意味ないな。うん、役に立たないと思う。ライムの水魔法は⋯⋯これも無理かな。水で攻撃しようにも、水中で生活しているイカに水攻撃は通用しないだろう。氷を使うっていう手もあるけど、さっき、ライムの“氷の盾(アイスシールド)”が溶けていったのを見たばかりだし。


 ん? ⋯⋯あれ? でもそうすると、ライムの氷は溶けるのに、イカが放つ氷は溶けないっていうのはどういうことなの? イカ、水中で氷の魔法を使えているよね? もしかして、この水にはイカの放った氷だけが溶けないという不思議な効果とかがある?


 よくわからない。でも、一つわかるのは水温が最初よりも下がっているということ。今は“星の盾(スターライトシールド)”に守ってもらっているから、寒さを感じないけれど。これ、“星の盾(スターライトシールド)”を使い終わったら、凍死するのでは? え、普通に不味くない!? 


 いや、焦るのは良くない。一旦焦りは置いておこう。うん、それがいい。


 えっと、ライムの水魔法、私の光魔法、音魔法、フィアルの炎魔法が使えないとなると、あとは私の草魔法のみ? 


 草魔法でどうしよう⋯⋯? イカの動きを封じるために、一番効果的なのは、ツルでイカを拘束すること。ただし、使用するツルは、太くて大きくて頑丈なものでないといけない。そんなもの、今まで出したことがない。きっと、広範囲魔法でも使わない限りこのツルを出現させるのは難しいだろう。


 私に、そんなことできるかな⋯⋯? 他に、方法は⋯⋯。


 何も、思いつかない。ライムとフィアルも、真剣に考えているようだ。まだ、何も良い案が浮かんでいないということだろうか。


 今の私たちには、ツルで動きを封じる作戦しかないということがわかってしまった。


 え、これ、私に懸かってるじゃん! 責任重大じゃん! 私、広範囲魔法、一回も使ったことがないんだけど!? さらに、ツルを出現させる広範囲魔法、今から作んないといけないし!! いやいや、無理でしょうよ!!


 ⋯⋯でも、ここで私が成功させないと、“星の盾(スターライトシールド)”の使用時間が終わった後、みんな揃って凍死することになる。それは絶対に嫌だ! 絶っっっ対に!!


 それなら、やるしかないじゃんか! もう、覚悟を決めることにしよう! 今までも、何とかなってきたんだから! 今回も、何とかなる! ここは、人間の思い込みを信じよう! 私は、ツルを出現させるという広範囲魔法を成功させ、イカに勝利することができる!! よし!!


 私は、覚悟を決めてから、ライムたちにこの作戦のことを説明した。


 二人とも、最初は驚きと不安が混ざった顔をしていた。でも、私の覚悟を決めている表情を見て、二人も覚悟を決めてくれた。


「リズムさん、無理はしないでくださいね」


「リズムなら、必ず成功するぞ!」


「二人とも、ありがとう。頑張るね!」


 “星の盾(スターライトシールド)”の使用時間、残り三分。作戦開始だ!

怒り(イカり)狂っているイカ。

⇧このエピソードを執筆しているときに思いついた、渾身のダジャレです。(^ν^)


お読みいただきありがとうございました!\(^o^)/


次回更新予定は10/10(土)です。

次のエピソードが二つに分かれる関係で、次回は10/10,10/11と、二日連続更新します。m(_ _)m


次回予告:マンダン地下五階にて。リズム、初めて広範囲魔法を使用する!(/ω・\)チラッ

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