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31. 【マンダン地下四階②】可愛い鳥が焼き鳥に変身⋯⋯しなかった!?

すみません、今日はこちらの事情で土曜日に投稿しました。m(_ _)m

 フィアルが会場に着くと、またもやあの陽気な声が聞こえた。


『さて、次の挑戦者が会場に到着しました! 挑戦者さん、あなたのお名前を教えてくださ〜い!』


「フィアルだ!」


『フィアルさんですね! ありがとうございま〜す! それでは早速、始めていきましょう! フィアルさんと対戦するのは〜⋯⋯!』


 声がそう言うと、またポンッという音とともに敵が数匹召喚される。もう驚かないよ! どうやってやったのかはわからないけど、そういうものなんだ〜って思って流すことにしたから!


『こちらのとっても可愛い鳥さん五羽で〜す! でも、こちらの鳥さん達、見た目に反して少〜し凶暴なんですよね〜』


 いや、あなたの少〜しは少しじゃないから。もう信用しない! 少しなんて絶対嘘だ!


 そして、相手は五羽か⋯⋯。フィアルもそれくらいなら大丈夫だとは思うけど、やっぱり不安⋯⋯。


『レベルは右から順に、三十、三十一、三十三、三十五、三十二です! 魔法属性は火、水、風、草、草、火!』


 はい! レベルも安定の高さですね! なるほど! 大変だということはとってもよくわかりましたよ!


「中々ですね⋯⋯。なるべく早く終わらせてほしいのですが、長期戦になっても仕方ありません」


「ライムもそう思う? やっぱり手強いのかな。そして、そんなに時間を気にしなくても⋯⋯」


 確かに、今は絶対夕方だけど! 休憩も大事だとわかっているけど! 


 それは置いといて⋯⋯。私はフィアルの様子を見てみる。


 うん、大丈夫そうだね! なんか目を輝かせているエルフさんが私の目に入ったもん! 


 ⋯⋯本当に、フィアルって謎だわ。私だったらあの状態で目を輝かせるとか絶対に無理!


 それをライムにも言ったら


「まあ、フィアルさんのことはよくわかりませんが⋯⋯僕にとっては、リズムさんのこともよくわからないんですよね」


「どういうこと!?」


「⋯⋯そういうことです」


「いや、わからんて!」


 よくわからない返し方をされた。ライムは苦笑しながら言うけれど、意味不明だ。どういうことなのか、一から説明してほしい。私もフィアルと同じく、よくわからない場面で目を輝かせることがあったとか!? いや、ないない! ない⋯⋯よね?  


『対決を開始する前に、フィアルさん! なにか言いたいことはありますか?』


「ん〜、じゃ、俺も広範囲魔法使ってみるから、見ててよな!」


『おお〜! 新たなことに挑戦すると! それは良いことですが、油断はしないほうがいいですよ〜?』


 フィ、フィアル!? ちょっ、広範囲魔法使うって、それマジですか!? こんな大変そうな場面で実験とか、正気!? 挑戦って⋯⋯フィアルの頭は理解不能だ。言っておくけど、悪口じゃないからね!


 そして、声さん。その忠告、ライムのときにも聞いた! あなたがそう言うからには、きちんと手強い相手なんでしょうね! あの可愛い鳥さん達は! 見た目詐欺すぎる⋯⋯。


『準備は良いですか〜? そろそろ戦闘開始しますよ』


「おう!」


『は〜い! それでは、観客席にいらっしゃるお二方も一緒に開始の合図をしましょう! 私の声に合わせてくださいね〜! 五、四⋯⋯』


『「「三、二、一⋯⋯」」』


『始め!』


 ライムが犬と戦闘するときと全く同じカウントダウンをして、試合が開始された。


 声さんの始めの合図が響くと、今まで一ミリも動いていなかった鳥たちが一気にフィアルに襲いかかった。フィアルは鳥たちのこの行動を予測していたようで、すぐに炎の盾で身を守っていた。


 フィアル、流石〜! 鳥たちはフィアルの炎の盾を破壊しようと、それぞれの魔法で攻撃をしていた。それでも、フィアルの盾は壊れない。びくともしていない。すっごい硬いんだね。


「流石、フィアルさんです。盾はすごい強度ですね」


「本当に。鳥五羽の攻撃を受けても平気だなんて⋯⋯!」


 私とライムがフィアルの盾の強さに驚いていると、フィアルは狼の姿に変わる。おっ、これは、フィアル、本気モードだ!


「よっし! いくぜ!」


 フィアルは目を瞑った。多分、これから使用しようとしている広範囲魔法をのシミュレーションをしているんだろう。すごい、本格的だ。


「フィアルさんなら、きっとできますよ」


「うん。私もフィアルならできると思う!」


 ファイルの集中が途切れないように、大声で応援はしないけど、代わりに心の中でめちゃくちゃ応援しとくからね! フィアル、頑張れ!! ファ〜イト!!


 しばらくすると、フィアルは目を開けた。


「炎嵐(ファイアストーム)!」


 フィアルがそう唱えると、彼の足元に小さな炎の竜巻みたいなのが生まれた。それはどんどん大きくなっていく。今にも鳥を飲み込みそうなほど大きくなると、今度は竜巻のようにグルグルと回り始める。


 すると、鳥たちが炎の中に吸い込まれていくではありませんか!? すごい!! 鳥さんは焼き鳥になりかけているけれど、私はそれが気にならないほど興奮していた。


 いや、広範囲魔法を見るのは初めてじゃないにしても、興奮しちゃうよ! すごい、すごい! もうこれしか出てこない。興奮すると語彙力がなくなるのはどうにかしたい。


「すごいです! やっぱりフィアルさんはすごいですね!」


「ねっ! すごすぎてすごい!」


 よかった、ライムも語彙力迷子になってる。だよね、そうなるよね〜!!


 熱風がこっちまで届くくらいに、フィアルの炎嵐(ファイアストーム)は凄まじい。もう鳥さんはきっと焼き鳥に変身していることだろう。可哀想だとは思うけど、今はそれどころじゃない! ごめん!


「ほいっ!」


 フィアルがエルフ姿に戻ってパンッと手を叩くと、熱風が一瞬にしてパッと消えた。


 と、突然すぎるってぇぇえ! エグいわ。ライムのときも思ったけど、どうしてこんなにすごいことができるんだろう? 私には無理だよ?


 もう、語彙力消えたわ。この素晴らしい眺め(魔法)をどう表現したらいいのだろう? うん、表現できないよ。すごすぎて。


 ⋯⋯あれ? 焼き鳥が見当たらないけど? どこに行ったんだろう? 


 私がキョロキョロと当たりを見渡していると、陽気な声が響いた。


『すごい威力の炎ですね! まさに、嵐のようでした! 鳥たちの残骸も残さない程の火力! おめでとうございます! フィアルさんの圧勝です!』


 声さんが言い終わる頃には、フィアルはもう私達のところに返ってきていた。速っ! そして、あの鳥さんたちはフィアルの炎に跡形もなく焼かれてしまったのね。焼き鳥を通り越していたとは⋯⋯。手紙は書いておきます⋯⋯。


「楽しかったぜ! 広範囲魔法、どうだった? すごかったろ!」


 フィアルは得意げに言う。


「うん! 本当にすごかった! 迫力満点で、もう、とにかくすごい!!」


「リズムさんの言う通りです! すごいですね、フィアルさん!」


 語彙力が家出している私達の言葉に、フィアルは


「だろ!!」


 と、元気よく返事をしてくれた。


「ライムが言った通り、早く終わらせたぞ!」


「ありがとうございます! 助かります!」


 ほ、本当だ。ライムのときと同じくらい早いのでは!? 二人とも、流石だわ。


『それでは、最後の対戦へ参りましょう! 挑戦者は〜⋯⋯そこの可愛いお嬢さん!』


「は、はい!」


 そ、そっか。ラストは私か。うぅ⋯⋯なんだか緊張してきた。大丈夫かな? 不安!


「リズムさんなら大丈夫です。応援しています!」


「そうだ! そんな不安そうな顔をしなくても、楽しめばすぐに終わるぞ! 頑張れ!」


 そんな私の気持ちを察してくれたのか、ライムもフィアルも応援してくれた。嬉しいな。


「ありがとう! よし! 頑張るぞ〜! じゃあ、行ってきます!」


 私は会場へと向かっていった。

前話にも書いた通り、広範囲魔法は難しく、普通はできるようになるまで一年以上かかります。フィアルもすごいのです。


お読みいただきありがとうございました!\(^o^)/

次回更新予定は9/23(水)です。m(_ _)m

次回予告:いよいよリズムが対戦開始! (/ω・\)チラッ

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