27. 【マンダン地下一階】スライムって、見た目詐欺?
迫力がありすぎる建物――マンダンに入っていった私とライムとフィアル。そこで待ち受けていたのは⋯⋯。
「か、可愛い⋯⋯!!」
「なんか、癒やされるな⋯⋯!」
「そうですか⋯⋯?」
ライムだけ違う感想を言ったのが気になるが、私達が今見ている光景が眼福すぎてやばい⋯⋯!! だから、それどころではないのだ。
だって、カラフルな、可愛い(これ重要!!)スライムがた〜っくさんいるんだもん!! これは、可愛すぎでは⋯⋯!? こんなんでいいのか、マンダン!? ここ、一応危険なダンジョンだよね? 可愛いスライムランドじゃないよね?
「凶暴な生物がたくさんいる怖いところだと思っていたけど、案外大丈夫そうだね」
「俺達なら楽勝だろ!」
いや、本当に、どんなに盛っても、危険って言えないほどの、ほのぼのさだな!! こんなに危険じゃないダンジョンってここだけ? 本当は、もっと危険なところだよね絶対!
「二人とも、油断は禁物です。スライム達のレベルを見てください。全員、二十五以上です」
「「えっ!?」」
いやいや、こんなに可愛いスライムちゃん達がそんなに高いレベルな訳がないじゃん。ライム、疲れてるんじゃない?
そんなことを考えながらスライム達のレベルを確認してみると⋯⋯。
ええっ!? はあ!? レベル二十八!? いやいや、そんな訳ない。今のスライムはたまたまレベルが高かっただけだよね!
他のスライムは⋯⋯。二十五、二十七、二十六、二十五⋯⋯。うおぅ⋯⋯!? マジか!? 幻覚じゃないよね⋯⋯? 流石、適切なレベルが三十以上のダンジョンだ。
「ライム、ありがとう。スライムの可愛い見た目に騙されるところだったよ。油断しないでいくね」
「本当に二十五以上の個体しかいないなんてな⋯⋯。これで地下一階か⋯⋯」
そうだよ⋯⋯! これで地下一階なんだ。これから、地下二階、地下三階⋯⋯と下に行くにつれて、どんどん強敵が待っているという。なんだか不安になってきた⋯⋯。
「え〜と⋯⋯。二階への通路は⋯⋯。ありました! ここを真っ直ぐ進めば、次の階へいけます!」
確認してみると、本当に通路があった。あそこまでたどり着ければいいんだね。⋯⋯結構きつくない!?
だって、ここからあのスライムがたくさんいる広場に出ていけば、絶対大量のスライムが四方八方から襲ってくるじゃん!! それを切り抜けてあそこまで行けと!? 普通にきつい!!
「多分、広場に入った途端一気に襲われるよな」
「ええ、そうですね。ここは、みんなで固まって走っていきましょう」
「わかった!!」
なるほど。みんなで固まってダッシュで切り抜けよう作戦ね。よし、二人について行くことにしよう!
「行くぞ? 三、二、一、今だ!!」
フィアルの掛け声と共に、私達はバッと走り出した。広場に出ると、スライム達は一斉にこちらを見る。
そして、すぐにジャンプして襲いかかってきた。
うわぁ!? ほ、本当に攻撃してきた⋯⋯! こんなに大量のスライムに襲われるの、初めてだよ!!
「“木の葉盾”!」
「“氷の盾”!」
「“炎の盾”!」
私達は同時に魔法を使い、三重の盾を作って攻撃を防いだ。私達の三重の盾なら、いくらスライムが多くても結構持つと思う。私達は盾を出現させながらダッシュし続ける。
スライムの攻撃を一撃も食らうことなく、ついに二階へと通じる道に辿り着いた。
「つ、疲れたぁ〜!!」
「いい準備運動になったな!」
「準備運動!? フィアルの体力ってどうなってるの!?」
全力疾走を五百メートルというハードな運動をしたのだ。普通は私やライムのように疲れるだろう! それを準備運動と言ったよ、このエルフは。恐ろしや⋯⋯!
「少し、休憩してから二階へ行きましょう。疲れました⋯⋯」
「だよね! よかったぁ! ライムもちゃんと疲れてたんだね!」
「フィアルさんが規格外なんです! 普通は疲れますから!!」
ほらね、これが普通なのよ、フィアル!! それにしても、本当によかった。ライムがきちんと疲れていて。彼までフィアルのように元気だったら私、常識を疑っていたから。
「スライム、本当に襲ってきたね。逃げ切れてよかった〜」
「だな。あんなに可愛い見た目して、急に襲ってくるなんて。見た目詐欺だ」
「フィアルさん、それは酷くないですか!? まあ、ダンジョンにいるスライムなんて、そんなものですよ」
ライム、あなたもダンジョン生まれのスライムだってこと、忘れてない? 確かに、ライムは珍しい凶暴じゃないスライムだけど。
「“癒やし”」
私は、周りに人がいないことを確認してから、自分と、ライムとフィアルに回復魔法をかけた。
「ありがとうございます」
「助かるぜ!」
二人は感謝してくれた。でも、「これで次へ進めますね!」「そうだな!」って後で言うところは鬼だと思う。疲れはとれたとしても、私は休みたい!!
私が休みたいとお願いすると、二人は案外あっさりとOKを出してくれた。よかった⋯⋯! あのまま行こうってならなくて。
――♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪――
ゆっくり休んだ私達は、しばらくしてからダンジョン地下二階へと歩き始めた。階段を降りて、二階の扉の前に立つ。
「今度は、ガラスの窓がないですね」
「でけぇ〜!」
「今回は扉だけだから中の様子が見えないね」
そう。一階のときは、窓から中の様子を見ることができたのだ。それが、二階では大きな扉が立ちふさがるだけで中の様子は一切見えない。中にどんな生物がいるのかわからないのだ。
「今回も、扉を開けた途端に固まって行きましょう」
「あっ、事前に盾を用意しておいた方がいいんじゃない?」
「確かにな! 盾を準備しておこう!」
私達は、みんなで固まって先程と同じ三重の盾を作る。よし、これであとは突撃してハードな全力疾走をするだけ!
「行きますよ! 三、二、一、はい!」
今度はライムの掛け声でバンッと扉を開けて走り出した⋯⋯のだが。
予想とは違う光景に、私達は足を止めた。こ、これは⋯⋯。全力疾走作戦で行けないわ⋯⋯。
リズムの体力を五とすると、ライムの体力は七、フィアルの体力は二十くらいになります☆
お読みいただきありがとうございました!\(^o^)/
次回更新予定は9/9(水)です。m(_ _)m
次回予告:マンダン地下二階にて。 (/ω・\)チラッ




