23. イケメンが増えたのだが!?
リビングに着いた私とカリーナは、美味しそうな料理を前に目をキラキラさせる。食卓には、もうライムとフィアルが座っていた。この料理は、クラークさんが作ってくれたようだ。
うわ、すっっっごく美味しそう……!! 食堂で食べた具だくさんシチューと同じくらい光って見える……!
「二人とも、席に着け。今日の昼食はオムライスだぞ〜! 俺が真心込めて作ったものだから、残さず食べてくれよな」
「はい! 勿論です!!」
私は、元気に返事をして席に着く。
くっ! オムライスとの距離が縮んだことでもっと眩しくなった……! これは、すごい!! 目を瞑らずに食べるのが難しいかもしれん。
私の隣には、ライムと人型のフィアルが座っている。あ、フィアル、人型になったんだ〜。ということは、これはエルフ姿かな〜?
……って、え!? フィアルがエルフになってる!! いつ!? どこで!? どうやって!? こうなったの〜!?
気が付いてから少し遅れて、私はこの事実に驚く。
フィアルのエルフ姿は、鮮やかな赤い髪と、きれいなマリーゴールドの瞳を持つ、爽やか美青年である。やんちゃそうな見た目のフィアルだけど、イケメンなのだ!!
ライムの時も思ったことだけど……。どうして異世界の方々はこうもイケメンなのだろうか? いや、本当にさ! クラークさんは、普通の見た目で安心したけど。
ルカ様は神秘的で? ライムはカッコ可愛くて? フィアルは爽やか好青年ですか? おいおい。私の周りイケメンだらけやないかい!
マジで不思議で堪らないんだけど!? どうして、こんなにイケメン遭遇率が高いのか? しかも、みんないい具合にイケメンの種類が違うし! みんなで私の目を潰そう作戦でも立ててるんですか!? 絶対そうだよね!?
よし、わかった。受けて立とう! 絶対に私の目は守り切る!! みんなのイケメン攻撃を回避して、目の健康を勝ち取るのだ! お〜!!
新たな目標を胸に刻みながら、私はクラークさんのお手製オムライスをパクッと一口。
「んっ!?」
な、な、何だこれは!? 美味しすぎる! 卵はふわっとして、中の具はホカホカで野菜の味とお米の味がちょうどよく混ざり合ってて、もう最高!!
クラークさん、果物屋さんだけではなく、レストランもやっちゃっていいよ。こんなに美味しい料理が作れるんだから、そのレストランは絶対に大人気になると思うよ!
「リズム、どう? お父さんの料理は。とても美味しいでしょ?」
カリーナは得意げに私にそう聞いてきた。
「うんっ!! と〜っても美味しいです!! 最高!!」
私は満面の笑みと共に感想をハイド親子に伝える。二人も「でしょ〜!」とか「そうだろ!」とか言って笑顔になる。
「本当に美味しいです! これ、どうやって作ったんですか!?」
ライムも目をキラキラさせて、クラークさんにそう聞いていた。クラークさんは、秘密って言って教えてくれなかったけどね。
「美味い! 美味すぎるな!!」
フィアルはさっきから「美味い」としか言わなくなってるし。本当に、誰もが美味しいって言うね、この料理。クラークさん、料理の天才では!?
私達は、一緒にクラークさんのお手製絶品最高超美味しい料理を食べながら話に花を咲かせた。
――♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪――
今、昼食を食べ終わった私達は、家に帰る支度をしている。
支度が終わり、ハイド親子の果物屋さんから出ようとしたとき、ハイド親子が私達に改めてお礼を言う。
「本当に、ありがとな。食事も、とても楽しかったぞ!」
「リズム、また近い内に会いに来てね。待ってるわ」
「うん! 勿論だよ! 必ず会いに行く! またね」
私はカリーナとそう約束して、歩き始めた。ライムとフィアルも、ハイド親子に簡単な挨拶をすると、私に着いてくる。
しばらく歩いて、私達は村を出た。エルフ姿で着いてくるフィアルに、ライムは質問する。
「フィアルさんは、この後どうしますか? あなたの村に帰るのですか?」
「あ〜、……それは、ないかな。俺、村には帰らない」
フィアルは、少し暗い顔をして、歯切れ悪くそう答えた。フィアルの暗い様子が気になった私は、フィアルに聞く。
「フィアル、帰らなくていいの? あなたの両親や友達が心配しない?」
「…………大丈夫だ。それより、俺はリズムとライムと暮らしたい。いいか?」
フィアルは、暗い顔のまま言った。
何か、嫌な思い出でもあるのだろうか? そんな反応な気がする。フィアルは、これ以上は話したくないのだろう。そんな雰囲気な気もする。フィアルが踏み込んでほしくないところには、踏み込まない! そう決めた私は、フィアルに歓迎の言葉を贈った。そして、ライムに確認する。
「ライム、私、フィアルを家に迎えたいんだけど……。ライムはいい?」
「はい。当然です。僕も、フィアルさんを歓迎しますよ」
「ありがとう……! 本当に、助かるぜ」
フィアルは、ほっとしたようだ。表情を緩めてそう言った。
よかった……! フィアル、暗い顔じゃなくなった! それに、家の中が賑やかになるのはすごく嬉しい!! ……目が潰れないか相変わらず心配だけど。まあ、慣れるよね!
「っ!? リズムさん、魔物です!」
突然、ライムの緊迫した声が響いた。私もフィアルもハッとして周囲を見渡す。すると、目の前にぴょんと犬が飛び出してきた。その犬は、結構な量の闇を纏っている。
「こ、これは……! 闇の量、過去最高ではありませんか……!?」
「レベルは三十五だぞ!」
ライムとフィアルが焦ったような声でそう言った。
ま、不味いかも……! レベルの差は、結構な数。それに、犬ってフィアルのように素早いし、戦闘に長けてそうじゃない? どうしよう……。
私が考えていると、フィアルはエルフ姿から狼姿に変わる。ライムがブレスレットを使って人間に変身した時と同じく、フィアルも光に包まれて狼に変わった。うわぁ……。きれいっ! こんな時なのに見惚れてしまう……!
「俺が相手の気を引く。その間にリズムとライムが犬を攻撃して倒してくれ!」
フィアルはそう言うと、バッと走り出した。フィアル、頭いい! フィアルの言われた通りにしよう。
犬は、突然走り出したフィアルに気を取られている。今のうちに……!
「“浄化”!」
私は自分の杖に“浄化”を付与してそろそろと犬に近づいていく。よぉし……。このまま……。
「! ワンッ!!」
もう少しという時になって、犬は私に気が付き、トゲを出して攻撃してきた。
っ!? これは草魔法!? 不味い、この近さじゃ避けきれない……!
目の前にトゲが近づき、私は「刺される……!」と思って目を瞑る。
……あれ? 痛くない?
少し時間が経っても痛みがないので、恐る恐る目を開けると……。ライムが私の目の前に氷の盾を張って、トゲを凍らせていた。た、助かった……!
「リズムさん、大丈夫ですか!?」
ライムが心配そうな声で私に問いかける。
「うん! 大丈夫! ありがとう!」
私は素早く返事をして、犬から距離をとる。トゲを凍らされて驚いた犬に、一瞬隙ができる。その隙を見逃さなかったライムは、無情攻撃を放って、見事にヒットさせた。ナイス、ライム!
「リズムさん、今です!」
ライムの無情攻撃に包まれた犬は身動きが取れなくなっている。おまけに息もできなくなっている。杖を当てるなら、今だよね! ライムもそう言ったし。
「えいっ!」
私は、犬の所まで走っていき、犬に杖を当てる。すると、杖は光って闇を吸い取った。
これでよし! 闇をきちんと吸い取れた!
「流石です、リズムさん」
「すごいな!」
「ううん。ライムとフィアルのおかげだよ」
フィアルは、何がなんだかよくわかっていない筈なのに、臨機応変に私達に協力してくれた。すごいなぁ。ライムも、私がピンチの時に“氷の盾”で助けてくれた。更に、いつものように相手の隙を見て無情攻撃を当ててくれた。すごいなぁ。
……まあ、心の中でこの子に「ご愁傷様です」と手紙を書かないといけないのは悲しいけど!!
――♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪――
「へぇ〜! そんなことがあったんだ……! 君、フィアルだっけ? 初めまして、ルカだよ。よろしくね」
今、私達はルカ様に、今日あったことを話し終わった。ルカ様は驚いていたけど、すぐに興味深そうにフィアルを見てそう言ったのだ。
「よ、よろ、よろしくお願いします!」
フィアルは、神様を前にしてカチコチになっている。
家に帰ってから、私とライムはフィアルとお互いのことについて話し合ったのだ。そのときに転移のこととか、ルカ様のこととかもライムから話してOKとあったので、全て話した。だから、フィアルはルカ様のことも知っている。
「そんな敬語で話さなくてもいいよ! あ、そうだ。フィアルも杖いる?」
ルカ様は、そう言ってパチンと指を鳴らす。すると、ルカ様の手に杖が出現した。
……この光景、どっかで見たぞ。ライムの時と同じような……?
ルカ様はフィアルにフィール星の闇ことを説明した。そして、案の定、フィアルも一緒に闇を減らすことになったのだった。
それからはライムの時と同じ。あ、フィアルの肩掛けの色、椿色だったよ。私の想像通り!
色々あったけど、私の仲間が増えました! フィアル、これからよろしくね〜!!
「目を守るために、みんなの顔をガン見しよう!」
⇧目標に向かって、リズムなりに頑張ってます。
お読みいただきありがとうございました!\(^o^)/
次回更新予定は8/26(水)です。m(_ _)m
次回予告:深夜の男子会! (/ω・\)チラッ




