22. 人間! 同性! これ、超重要ポイントです
「私と友達になってください!!」
皆さん、こんにちは。私は今、ポカンとしているカリーナさんに向かって、叫んでおります。
遡ること数分前。
「ちょっと待った! 帰る前に、カリーナさん、二人で、ゆっくりとお話ししませんか?」
突然、そう言い放った私に、誰もが理解不能だという顔をしたのだ。どうして急にそんなことを!? と驚いている顔だ。
質問してくる、みんな(主にライム)の言葉を躱しながら、カリーナさんと全力で逃亡して、彼女の部屋に案内してもらい、今に至る。
ライムが、久しぶりに機関銃攻撃を繰り出したので、少々……いや、結構耳が痛かったけどね。
どうしてカリーナさんは部屋に案内してくれたのかって? それはですね……。
私が頑張って、必死にお願いしたからですよ! 彼女は私の剣幕に驚き、ライム達の言葉を無視していいのかと葛藤しながらも、私の逃亡に協力してくれたのだ! 本当に優しい人だ……!
閑話休題、頑張ってここまで来たのだ。私の目的を達成するために、あとはこの言葉を伝えるのみ! そう思って、大声でお願いしたのだが……。
カリーナさんは、固まってしまったようだ。……うん、気持ちはわからなくもないよ? でもさ、こっちも必死なんだよね。
私の目的――それは、人間で同性の友達を作ること!! 人間! 同性! これが超重要なのよ! 私、ずぅ〜っと思っていたの! 人間で同性の友達がほしい!!
いや、ライムもルカ様も私には勿体ない程の、素晴らしく、と〜ってもいい友達だよ!? でも、どんなによくてもやっぱり同性の友達がほしいのよ! ほら、同性の友達としかできない会話とか遊びとかあるでしょう?
カリーナさんは、この条件に当てはまる人である。それに、しっかり者で、優しい! 是非ともお友達になりたいっ!!
「……え、と。私でいいなら、よろこんで」
「ありがとう、めちゃくちゃ嬉しい!」
大分、間があったけどそれは驚いていただけだよね! うん、きっとそうだ。
やったぁ〜!! 人間で同性の友達、できた! 本当に嬉しい!
「これからよろしくね、カリーナ!」
私が満面の笑みでそう言うと、カリーナは一瞬目を見開いて、でもすぐに花が咲いたように笑う。
「うん。よろしく、リズム!」
……あぁ、幸せだな。友達ができるって、それだけでこんなに嬉しいんだ。
地球にいた時は、同性の友達っていなかったから。ずっと、それに憧れていた。どうして友達ができなかったのかは、わからない。いつからだろうか。何故か、女子からは嫉妬のような視線を向けられていたのだ。私は、彼女たちに何もしていないのに。
……でも、今は友達がいる。カリーナに、ライムに、ルカ様。それに、フィアル。それが、とても嬉しい。その事実に、胸が温かくなる。
「カリーナ、あなたのことを教えて!」
「うん。いいよ。私はね、今はここにお父さんと二人で暮らしているの」
カリーナは、語り始める。
彼女の家族構成は、お母さんと、お父さん、カリーナ、そして弟らしい。
お母さんは、昔、魔物にやられて帰らぬ人となってしまった。弟は、冒険者になって世界中を旅している。だから、今はお父さんとカリーナの二人暮らしなんだって。
冒険者は、魔物や人に有害な生物を倒して世界の平和を保つ人のこと。冒険者ギルドで色々と手続きを行うと冒険者になれるらしい。冒険者には、階級とか色々あるらしいけど……。今は、それよりもカリーナの話を聞こう。
カリーナは、私と同じ十六歳。魔法属性は土。
まさかの同い年! こんなにしっかりしているから、てっきり年上なのかと思っていた。そして、土属性の魔法! 見てみたいっ! 後で見せてもらおう。
「リズムのことも教えてほしいな」
カリーナにそう言われたので、私はどうしたものかと少し考える。どこまで言っていいのかな……?
年齢とか、好きなものとか、そういうのはいいんだけど……。転移のこととか、ルカ様のこととか……。これらはいいのかな? 魔法属性のことは……言っていいか。もうクラークさんと治癒した時点で、光魔法所持者だってバレちゃってるし。
……うん? まてよ? さっき、フィアルときちんと仲間になれたか確認する時に、私、ステータス見せちゃったよね? カリーナとクラークさんに、見せちゃったよね!? と、いうことは……魔法属性のこともルカ様のこともバレているということだろうか?
……よし! わかった! もう全部言っちゃおう! 後でライムに怒られるけど。
考えるのが面倒くさくなってしまった私は、もう全てをカリーナに伝えることにした。魔法属性のことも、ルカ様のことも、転移のことも。
カリーナは、呆然として言葉が出ていなかった。おぉ、ライムと似ている反応! まあ、そうなるよね〜!
「……………………へぇ、そうなんだ」
彼女は結構な時間、固まって、やっと出た言葉がこれだった。
「事情はわかったよ。そっか、大変だったね。教えてくれたのは嬉しいんだけど……こういうとても重要なことは、安易に他の人に言わない方がいいよ」
……ライムと同じような言葉が聞こえた。カリーナの微笑みが、少し怖い気が……。
「ご、ごめんなさい」
結構怖かったので、謝ることにした。カリーナはふぅ、と溜息をつくと、こう言った。
「ううん。わかっているならいいの。これからは、こういうことを会ったばかりの人に話しちゃダメよ」
「うん。わかった」
やっぱり、そうだよね。考えるのを放棄するのは、やめることにしよう。
「はい、この話はもう終わり。それじゃあ、私が今、一番気になっていることを聞いてもいい?」
「え? カリーナが一番気になっていること? うん、別にいいよ」
カリーナが一番気になっていることって、なんだろう? 私のことはもうほとんど話したと思うけど。
「リズムって好きな人とか、いる?」
「好きな人? もちろんいるよ」
「えっ!? 誰!? どんな人!?」
誰って……。カリーナと、ルカ様と、ライムと……。あっ、フィアルも好き! それをカリーナに伝えると彼女は苦笑しながら言う。
「ありがとう。私もリズムが大好きよ。でもね、私が今聞いているのは、そういうことじゃないの。私が聞いているのは、恋愛的な意味で好きな人はいる? っていうことよ」
「へっ? 恋愛……?」
恋愛って、付き合いたいと思う、ああいう気持ちのことだよね?
「う〜ん……? 私、誰かをそういう意味で好きになったことはないんだよね」
だから、いないかな。そう言ったら、カリーナは「そっかぁ〜」と言った。
「それでいうと、カリーナは? そういう意味で好きな人っている?」
「私はいないよ。ただ、ライムさんがあなたのこと……」
「え? ライム?」
「ううん。なんでもない」
ライムがどうかしたんだろう? まあ、カリーナがなんでもないって言ったのなら、別にいっか。
――♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪――
私は、その後もカリーナと話した。二時間くらい話していたら、ノックとともにクラークさんの声がした。
「お〜い。カリーナ、リズムさん。昼食ができたぞ〜。食卓に着け」
「は〜い! 行こう、リズム」
「あ、うん。いいの? もう十分お礼もしてくれたのに、昼食までごちそうになっちゃうなんて」
あんな大量の果物だけで、もう十分だよ。本当に。これ以上何かをもらうとかそういうのは、申し訳ない……。
私がそう思っているのを察したのか、カリーナは
「ううん。これはお礼じゃないよ。友達と一緒にご飯を食べるのは可笑しいことではないわ」
と言った。
た、確かに……! 友達とご飯を食べるのは何も可笑しいことではない……!
「そういうことなら、よろこんでごちそうになります!!」
お昼ご飯は、何だろう……? 私はルンルンとしながらリビングの方に向かっていった。カリーナもふふっと笑いながら嬉しそうに着いてきた。
ご飯、楽しみっ!!
ライムの気持ちに気付いているカリーナさんと、全く気付いていないリズムさん。そんなリズムですが、人間で! 同性の! 友達をGETしました。
お読みいただきありがとうございました!\(^o^)/
次回更新予定は8/23(日)です。m(_ _)m
次回予告:ご飯とか、帰路とかのこと (/ω・\)チラッ




