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17. ライムとデート!?

 今、私はライムと村を探検している。


「うわぁ〜! ライム、見て見て、あそこにも回復薬(ポーション)屋さんがあるよ!」


「そうですね。回復薬(ポーション)は大切なので、それを売っている店も多いのでしょうね」


 ちょっと進むと……。


「おぉ! 今度は広場があるよ! ここが村の中心なのかな!?」


「ありますね。どうして広場があると中心だと考えるんですか? 珍しい考えですね」


 ええと……。なんかそう思ったから? 確かに、広場があるからといって村の中心とは限らないもんね。そういえば……。


「この村って、どれくらいの広さなの?」


「杖の“地図(マップ)”によると、普通のダンジョン一つ分の広さらしいです」


「ダンジョン一つ分……?」


 つまり、どのくらい? ダンジョンって、確か大きいものでディ○ニーシーくらいだったよね? 小さいものでも東京ドー○くらいはあるらしいから……。


 その真ん中だとすると……うん? わからん。東京ドー○五個分くらいかな? よし、そういうことにしておこう。取り敢えず、広いということは分かった。


「なんか、二人で村を回るってデートみたいだね」


「ふぇ!? き、急にどうしたんですか!?」


 私がデートみたいって言うと、ライムはボンッと赤くなる。なんか奇声が聞こえたような気がするんだけど……。


「ん? 思ったことを言ってみただけだよ。だって、こうやって男女二人でいるのはデートっていうんじゃなかったっけ?」


「え、と……!? 〜〜っ、た、確かにそうかもしれませんが、その、僕達は、つ、付き合っているとかそういうわけじゃなく……」


「でも、付き合ってなくてもデートすることってあるでしょう?」


「えっ、そうなんですか!?」


 ライムは赤い顔で目を丸くした。え、そんなに驚く? 私、地球にいたときに漫画とかアニメとかで「じゃあ、私は友達とデートしてきま〜す!」って言うセリフを見たことがあるんだけど……? 


 ……なんかルカ様やライムが私をからかうのは面白いって言ってた理由が少し分かった気がする。確かに、からかうのって、楽しいね。普段落ち着いているライムが慌てているところは、なんだか新鮮だ。相手の新しい反応を見られるのって、楽しいよね。


 もう少し、ライムをからかってみたい……! 別にいいよね!? 私、この二ヶ月間やられっぱなしだったんだもん。ライムだけじゃなくて、ルカ様もからかってみたいけど、ルカ様は神様だからなぁ。ちょっと、抵抗がある。


「ライムは、私とデートするのは嫌?」


 言ってしまってから、私はあっ、と思った。これで、「絶対に嫌です!」とか返ってきたら、私が傷つくわ。友達や仲間にそう言われるのは、普通にショックだし。それに、なんだか気まずい空気になりそうだ。


 そう思った私が、訂正しようと口を開く


 ――前に、ライムが真っ赤な顔で言う。


「い、嫌じゃないです!! そ、その……〜〜っ、ぼ、僕は、リズムさんとデートするのも、楽しそうだなって……。そう思いますし、僕は、リズムさんとデート、してみたい、です」


「楽しそうだなって……」までは聞き取れたけど、その後はほぼ聞こえなかった。ライムって、たまに驚くほど声が小さくなるよね。


「そ、そうなんだ。ありがとう。あと、最後の方が聞き取れなくて……なんて言ったの?」


「っ! そ、れは……なんでもありませんっ! 〜〜っ、それよりも、で、デートの続き、しましょう!」


「……へっ? デートって……!」


 自分で言いだしたけど、ライムに面と向かって言われると、結構恥ずかしい……! それに、私、デートってしたことがないんだけど……!? どうすればいいの……?


「り、リズムさんはどこか行ってみたいところとか、ありますか?」


「あ、ええと……。特に行きたいところとかはないかな」


「それでは、村を探検しましょう」


 そう言って、ライムは私の手を取って歩き出す。私は、突然の手繋ぎにドキッとした。


 え、え、これ、手、繋いでるよね……!? た、確かにデート中だったら普通かもしれないけど……。


 チラリと隣を歩くライムの顔を見てみると、彼の顔も今までに見たことがないくらい赤かった。


 うっ! これはまずい。私にもライムの赤がうつったかも。だって、男の子と手を繋ぐなんて、最後にやったの幼稚園にいたときだと思うし! それに加えてライムの顔が良すぎるから! さっきから心臓がドキドキうるさい。この音がライムに届いていませんようにと願いながら、私は村を眺める。


 このままライムの方を意識すると心臓が爆発するという悲劇が起こりかねないから、意識を他に向けよう。そう考えて村のお店や村人達の様子を見ることにした。


 この村は、日本の商店街と住宅地が混ざったような雰囲気をしている。でも、村の周りが大自然()だから、なんか新鮮だな。


 あ、あのお店、“大銅貨ショップ”って書いてある。物価的に、日本でいう百円ショップみたいな感覚なのかな? フィール星にもそういうお店があるんだ……。ちょっと驚き。


 あ、あそこには果物屋さんがある! 私が元々住んでいた場所では、果物屋さん単体であるのって、中々見なかったんだよね。この村には、果物屋さんが単体でもあるんだ!


 果物屋さんでは、きれいな黒髪に、黒曜石のような瞳を持つ女の子がお客さんにミカンをお勧めしている。あの子は、私と同い年くらいだろうか。すごいなぁ。もう、働いているんだ。おぉ、お客さんがミカンを買った。すごいなぁ。もう、商売が出来るんだ。


 悲劇が起きないように、私がライムから意識を反らしていると、ライムが声を掛けてきた。


「その、リズムさん、今は僕と、で、デートしているんだから……〜〜っ、僕のことだけを考えてくれませんかっ?」


「え……!? ら、ライム、どうしたの?」


 な、何!? 私の意識を逸らす作戦がバレただと……!? そしてその言葉は、どういうこと!? ライム、普段はこんな事言わないよね……? 一体どうしちゃったの……!?


 私が驚いたような声を上げると、ライムはハッとしたように慌てて言う。


「っ! 〜〜っ、僕はどうしてこんな事を……!? え、あ、い、今のは忘れてください!!」


 更に赤くなったライムは私から顔を背けてしまった。


 変なライム。本当にどうしたんだろう……?


 まあ多分、私の顔も赤くなっているのだろう。頬が熱い。


 何ともいえない空気のまま、私達は村の探検を終えた。あ、流石に、ずっと無言だったわけではないよ!? きちんと会話もした。……いつもよりかは言葉が少なかったけど。 



 ――♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪――



「こんばんは、リズム!」


 その夜。ライムと一緒に夕食をとり、部屋で杖に“浄化(サンクチュアリ)”を付与していると、ルカ様が現れた。突然の出現だったけど、もうこれに驚くことはないんだよね! ふふ、成長したでしょう!


「あれ? ここはどこ……? 家じゃないよね。ライムは?」


「ここは、家から一番近くにある村の温泉宿です。ライムは別室にいますよ」


「村……あぁ! そっか、リズム達は今日、回復薬(ポーション)を買うために村に行くって言っていたよね。そういうこと」


 そういうことです。いやぁ、それにしても、今日は色々な発見があって楽しい日だったな。まあ、いつも楽しいけどね。今日は新しいことがたくさんだったから……。


「今日はどんな事をしたの?」


「今日は、まず魔物饅頭に手紙を送って、次に回復薬(ポーション)を買って、そして、宿を取って、具だくさんシチューを食べて……」


「ちょっとよくわからないな。特に最初の」


 私は、ルカ様にライムの冷淡さを説明した。そして、どんなに苦しかったのかもついでに説明しておいた。これにはルカ様も「ライムって、思ったより冷たいんだね……」と驚いていた。


 そして、今日のライムといえば……。


「どうしたの? リズム、なんか顔が赤いよ?」


「え? あ、ちょっと思い出したら恥ずかしくなってきて……!」


 私は、ライムとのデートを思い出して、羞恥に悶えた。思い出してみれば、私、デート中ずっとライムと手を繋いでいたよね!? あれ、結構やばかったわ……。だって、ライムが私のからかいに乗ってくるとは思わなかったんだもん!


「え? 何があったの?」


「ええと……。それは……」


 なんか、言うのも恥ずかしいんだけど! そんな私の気持ちをつゆ知らず、ルカ様は「とても気になる!」と言って詰め寄ってきた。


「その、実は、昼食の後、ライムと、で、デートしたから……!」


 うぅ……! 言うのが思ったより恥ずかしいのですが!?


「え、は? デート……!?」


 ルカ様は大きく目を見開く。「えっと、それって本当?」と戸惑ったような声で聞いてきたから、私はライムに聞いてみてくださいと返した。


「…………」


 すると、ルカ様は黙ってしまった。え、これ、黙るようなことですかね!? と、今度は私がルカ様の反応に戸惑う。


 ん? ルカ様、今日ちょっとご機嫌斜め? なんか、ライムが怒っているときに出しているオーラと似たようなものを出しているけど……。


「ええと……? どうかしましたか?」


「……どうしてだろう、モヤモヤする。……ねえ、リズム。僕ともデートしてよ」


「え? はい……!?」


 うん!? この神様は何を言っているのだろうか? 私とデートしたいってこと……? どうして?


 う〜ん……。あっ! そうか! ルカ様は、仲間外れにされて怒っているんだ。私とライムだけで村を楽しんでしまったから。なるほど。そういうことか。


「僕が相手ではダメかな……?」


 ルカ様は少し不安そうに言う。


「いえ。大丈夫ですよ! デート、しましょう!」


「っ! ありがとう、リズム」


 ルカ様は花が咲いたように笑った。その顔が少し赤く見えるのは気のせい?


「でも、どうやってデートするんですか? もう夜ですよ? お店とか、開いてないと思うのですが……?」


 私がそう聞くとルカ様は意味深に微笑んだ。

ライムくんの独占欲とルカくんの嫉妬に全く気が付かないリズムちゃんでした。(*´ω`*)


お読みいただきありがとうございました!\(^o^)/

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次回更新予定は8/2(日)です。m(_ _)m

次回予告:リズムとルカがデート!?(/ω・\)チラッ

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