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2-3

「私がカナちゃんの手を握ってたから……」

「メイさん…、そんな、メイさんのせいじゃ、」


オタクとして、私の「好き」のせいで推しに迷惑をかけることだけはないようにって思っていたのに!

まさかこんな形で!!

最悪な迷惑をかけるなんて!!


「もちろん、聖女さまだけでなく、そちらの……カナ殿も、不自由なく暮らせるようには取り計らいます。ですので、聖女さまには魔族の討伐に協力していただきたく……」

「カナちゃんのためならなんでもします!だから…」


私は王様の言葉に顔を上げた。

巻き込まれただけのカナちゃんが、これ以上嫌な思いをしないように私ができることならなんでもする!魔物だかなんだかわからないけど、私が呼ばれたってことはできるってことなんだろう、多分。


「だからカナちゃんを……!」

「メイさん、」


王様に訴える私の手を、カナちゃんがぎゅっと掴んだ。


ひぇっ


カナちゃんの手を握ったことは何度もあるけど、そのたびにその細さ、やわらかさに驚いてしまう。


「メイさん、なんでもするなんて言っちゃダメです。魔族の討伐なんて……危険なんじゃないですか?」

「カナちゃん、でも!」

「私のために、メイさんに危険なこと……してほしくありません」


カナちゃんの手はひんやりしていた。そして、かすかに震えている。

カナちゃんも、怖いんだ。当たり前だ。

それなのに、私のことを思って言ってくれている。


一本、強い芯がある。

私の、カナちゃんの好きなところ。


「いきなり討伐に行ってほしいというわけではありません。まずはその力を開花させる訓練を行い、聖女さまの聖力を十分に引き出していただきます。聖女さまの準備が整い次第西方へ向かいますが、道中もしっかり隊列を組み、護衛をいたしますので、ある程度はご安心していただけるかと」


王様が取り成すように言った。


「聖女さまのご希望はすべてかなえる心づもりでおります。それほど…聖女さまは特別なお力を持っていらっしゃるのです」

「私……なにもできませんけど、」

「歴代の聖女さまも、最初から聖力を操れたわけではありません。教師をお付けしますので、聖女さまのご負担にならない範囲でご協力いただけないでしょうか。そのことが…カナ殿のためにもなるかと」


王様がちら、とカナちゃんを見ていった。


「私を人質にするようなことは言わないでください!」


カナちゃんのためになるなら、と私は思ったけど、カナちゃんはその言葉が気に入らなかったみたいだ。

人質、と言われればたしかにそうなのかもしれない。


「そんなつもりでは、」


王様は慌てたように言う。

でもきっと王様も必死なんだろうな。よくわからないけど自分の国が大変で、残り少ない聖力?で呼び出した私にすがるしかないんだろう。


それに協力すれば、カナちゃんのためになるっていうなら…。


「ありがとう、カナちゃん。でも大丈夫。

私、王様の言う通りにします。その代わり、カナちゃんに危険が及ぶようなことは絶対にないように、取り計らってください」

「それは、もちろん!聖女さまもカナ殿も、この王宮内で何不自由なくお過ごしいただきます!なんでもおっしゃってください!」

「とりあえず…もう疲れたので、休みたいです」

「あぁ、これは!申し訳ない!すぐに部屋を用意させますので!」


王様の言葉で、周囲の人たちがさっと動き出す。

それに、カナちゃんが「待ってください」と声をかけた。


「メイさん、私メイさんと同じ部屋で休みたいです」

「……へっ?」

「メイさんは、私と同じ部屋…嫌ですか?」

「へぇっ?」

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