2.まさかの異世界召喚
まぶしさがおさまり、目を開けたとき…私とカナちゃんは、まだ手をつないだままだった。
「ようこそいらっしゃいました!聖女さま!」
……聖女?
そんな言葉が、聞こえた気がする。
私が周囲を見回すと、そこは…西洋のお城のような場所だった。真っ白い床、私たちを取り囲む大勢の人。まず目が合ったのは、立派な王冠をかぶった私の父親くらいの年齢の男のひとだった。
待って。
これは。このパターンは。
いろんな小説やアニメで見たことがある。
いわゆる異世界召喚というやつ。
魔王だか、瘴気だかで困った異世界の国が、聖女さまだか勇者様だかを現代から召喚する…というあれだ。
ということは……
「聖女さまって、カナちゃんが!?
わかる!カナちゃんって神々しいもん!聖女めちゃくちゃ似合う!いつもまぶしいし!かわいいし!しかも歌もうまい!」
「め、メイさん……」
あ、やば。
オタク特有の大声出た。
しかもカナちゃんの手をずっと握ってる!これはまずい。どう考えても特典会のタイムオーバーだ。
「ごめん!ずっと手握ってた!私としたことが、オタクの風上にも置けない!すみませんでした!」
「え、いえ……手は、良いんですが……」
優しい!さすがカナちゃん!聖女さま!
「てことは、私は巻き込まれちゃった一般人ってやつかー…。カナちゃんと一緒に異世界って、かなりおいしいけどもうライブとかしないんだろうな……。いや、一緒の空気を吸えるだけで満足しなきゃ……やば!カナちゃんが異世界に来ても同じ空気吸えるなんてうれしすぎる!これはオタク仲間に恨まれるなー」
「……聖女さま、よろしいでしょうか」
「あっ、ペラペラとすみませんでした!どうぞどうぞ……」
私のような一般人は引っ込みますので……。
カナちゃんの手を離し、私は数歩、後ろに下がった。
ところが……王様っぽい男の人が手を取ったのは、私だったのだ。
「聖女さまは、あなたです」
「……ぇっ?」




