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4.まずはお互い、自己紹介から

「まずは、わたくしたちの求めに応じて我が国に来てくださったこと、心からお礼申し上げます」


ラムちゃんが美しい所作でお辞儀をした。

それに倣って、ラムちゃんの後ろに立っていた女の子たちも、メイドさんも同じように礼をする。


勧められるまま椅子に座っていた私は、慌てて立ち上がった。


「えーと、求めに応じたわけでは…わけもわからずで、役に立てるか……。ともかく、頭をあげて」

「わけもわからず……、そうですわよね」


ラムちゃんたちはすっ、とこれまた美しく頭を上げた。


「そのあたりのご説明を、わたくしからさせていただきます。まずは、わたくしの自己紹介をしてもよろしいでしょうか」

「あぁ、もちろん。お名前くらいしか聞いてなかったね」

「はい、わたくしはラム・ユフィンと申します。ユフィン公爵家の三女で、今年17歳です。これから聖女さま……メイさまの身の回りのことをすべて取り仕切らせていただきます。メイさまはまったく異なるところからいらっしゃったと伺っておりますので、ご不安なことやご不明なことも多いと思いますが、わたくしにはなんでもおっしゃってください。そして」


ラムちゃんは後ろに立っている4人の少女を示した。


「彼女たちも同じお役目をいただいております。わたくしが一番年長ですので取りまとめることにはなっておりますが、もし不在の場合は彼女たちにも同じようになんでもお申し付けくださいませ」


「アーク・ディ・サッツと申します。16歳です」と、ラベンダーのドレスの少女。

「リマ・キルーノアと申します。16歳です」とオレンジのドレスの少女。

「エーミル・ドゥーゴデンと申します。15歳です」とグリーンのドレスの少女。

「サシャ・ベツフと申します。13歳です」とピンクのドレスの少女。


13歳から17歳までの女の子が5人。カナちゃんを入れると6人。

アイドルだぁ。


「……ニヤけすぎですよ」


私の隣に座ったカナちゃんが小さい声で言った。どことなく冷たい声に聞こえて、私は焦る。


「あ、あの、推し変ってわけじゃなくて、やっぱアイドルってみんなでわちゃわちゃしてるのがかわいいからさ、もちろん私の一推しはカナちゃんだけだし、」

「そんな話はしてません、まじめに聞いてください」


あ、ですよね。

カナちゃんにとって、私はたくさんいるファンのうちのひとりだし…異世界に召喚されてるくせにドルオタを辞められない私をたしなめてるだけですよね。

確かに、ここはまじめにならなきゃ。


「メイさま?何か気になることがありましたか?」


こそこそと話している私たちを見て、ラムちゃんが首を傾げている。


「あ、えーっと……、まだみんな若いのに、しっかりしてるなって。特に、えっと…サシャちゃん?はまだ13歳なのに、すごいね。学校に行ったりしなくていいの?」

「っ!はい!」


一番後ろにいたピンク色のドレスのサシャちゃんはぴょん!と跳ねるように背筋を伸ばした。ラムちゃんがサシャちゃんの背中を押してあげる。


「サシャ・ベツフといいます。今は王立学園で聖女さまの歴史を研究しています。メイさまの活動の記録などを取らせていただきます。もし歴代の聖女さまのことなどで気になることがありましたら、なんなりとお聞きください」

「サシャはまだ幼いですが、聖女研究の第一人者です。その他にも、わたくしたちはそれぞれ得意な分野でメイさまをお支えいたします。どうぞご安心くださいね」

「す、すごいんだ……」


サシャちゃんはまたすす、と後ろに下がった。

よく見たら手元には紙の束を持っていて、ずっとペンを走らせている。聖女の歴史…というからには、その記録がもしかしたら次の聖女?の召喚時に活かされるのかもしれない。


「わたくしたちのことについては、またおいおいお話させていただきます。

まずは……メイさまに快適な生活を送っていただくためにも、メイさまとカナさまについてのお話を、お伺いしてもよろしいですか?」


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