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Made for You  作者: 依代 蓮
Maid for You
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5/9

Maid for You⑤

「悠くんは、そのままでいいんだよ」天の言葉に気付かされた悠。そのまま時は経ち、そろそろ出る時間に———

 会計を済ませ、立ち上がる。


「ありがとうございました」


「こちらこそ。初めての指名、嬉しかったよ」


 天が照れくさそうに笑う。


「……また来ます」


「うん。待ってる」


 カラン。


 ベルの音が静かな店内に響く。


 扉が閉まり、悠の背中がガラス越しに少しずつ小さくなっていく。

 その姿が見えなくなるまで、天は扉の方を見つめていた。


「初のご指名、どうだった?」


 後ろから声がした。

 振り返ると、カウンターに来た店長が来ていた。


 天は少し考えてから答えた。


「昨日よりは、少しだけ顔が柔らかくなってた気がする」


「そうか」


 しばらく沈黙が流れる。


「悠くんには、私と同じ思いはしてほしくないな」


 天が店長の方を見る。


「また、来てくれるかな」


「助けの要る人間は、一度安心できる場所を見つけたら、ちゃんと帰ってくる」


 黙って頷いて遠くを見る天。


 店の外では、少しだけ日が長くなった夕焼けが街を橙色に染めていた。

 季節は、ゆっくりと夏へ向かっていた———

次回!いよいよ行事が始まります!!

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