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学園迷宮ヤンキーダンジョン ~魔王になった女子たちが仲間になりたそうにこちらを見てる~  作者: 藤原ゴンザレス


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第四話 ドラゴン! 無敵の入れ墨と残念な童貞

 おじたんは神殿に泊めてくれた。

 しばらくはここが本拠地になるのだろうか。

 破れた学生服の代わりに着替えもくれた。

 やけに背中の開いたシャツ。

 入れ墨を見せつけるデザインだ。

 死ぬほど恥ずかしい。

 まこちんと部屋は別。

 俺の部屋はなんか豪華なのだった。

 まこちんも同じだ。

 まこちんだけ追い出すとかされたら俺が困る。

 それだけは言っておいた。

 入れ墨入れてるだけの一般人だぞ。

 するとドアがノックされた。


「はーい」


 あらかわいいお姉様。


「身の回りのお世話をさせていただくセイと申しま……きゃあああああああああああッ!」


 目が合った瞬間、いきなり悲鳴を上げて倒れていく。

 なに? なにがあったの!?

 床に顔をぶつけないようにあわててキャッチ。

 ふへー、間に合った。

 倒れると歯が欠けたりするからね。


「ジャスくんなにした!」


 まこちんがやって来てくれた。


「まこちん! なんかこの人が倒れちゃって!」


「なにかしたの!?」


「するわけないじゃん! 人生の中で2分以上会話した女子はまこちんだけだもん!」


「……それもそうか。ジャスくんが襲ったりとかできるはずないか」


 しないという信頼ではない。

 できないという安心だった。


「えっと……なぜできるわけないと?」


「その服の脱がしかた、わかる?」


 ギリシャ神話風のドレスみたいなやつ。


「わかんにゃい」


 当然どこがどう繋がってるかすらわからない。


「つまりそういうこと。倒れそうになったから支えただけでしょ」


 完・全・論・破!

 なんてことだ。

 オスとすら思われてない。

 ヒャッハー世界のモヒカン以下の扱いだ。


「ど、どうかされましたか!」


 おいたん登場!


「この人目が合った瞬間倒れてしまって」


「まさかそれほどまでの竜気とは……」


「竜気イズ何?」


「竜気とはジャス様から発せられる気、オーラでございます」


「まこちんなにか感じる? できればエッチな感情を刺激するやつ」


「叩くよ」


 すぱこーん!


「みぎゃー!」


 ぽこぽこかわいい感じで叩かれると思ったら、後頭部をスパーンッて引っ叩かれた。

「叩くよ」から猶予タイムがゼロだった件。


「なにも感じないよ」


「ぼくの愛とかを感じてほしい」


「ぼくたちまだ出会って数時間だよね?」


「一目でフォーリンラブさ」


 ウインクばちこん。

 ちなみにうまくできずに両目つぶった。


「死ね!」


「だってぇー! だってぇー! 初見で怖がらない女の子、まこちんがはじめてだったんだもん!」


 するとまこちんも思い直してくれた。


「死ねは言い過ぎだった」


「もう怒ってない?」


 きゅーんきゅーん。

 あたちタヌキのジャスきゅん。

 いじめてこない女の子だいしゅき

 背中の模様は気にしないでね。


「そのジャス様の加護に耐えられる高位神官をあてがおうと思いましたが。まさか気を失うとは」


「きゅーん?」


「愛人にしようと思ったんだってさ!」


「待っておいたん。竜の加護とか言われても俺まだ何もしてない。その愛人とかもっとお互いを知ってから……」


 もじもじ。

 ばこーん!

 まこちんがスネを蹴ってきた。

 痛い。リアル痛い。


「まこちん……その……ガチで痛い」


「あ、ごめん。ついイラッとして」


「もうおっぱいもませてくれなきゃ許さないぞ~♡」


 わきわき。

 すると飛んでくるグーパン。痛い。


「この人工知能……もう二、三発殴らないと直らないかな?」


 胸倉つかまれる。


「修理完了しました!」


 まこちんは大きなお胸を揺らして解放してくれた。


「ふむ……」


 おいたんは考えてるようだ。


「その……お二人はこれからどうされるおつもりかな?」


 俺はノープラン。

 何も思いつかない。

 まこちんは考える。


「できれば元の世界に帰還したいと思いますが……」


「あるやもしれませぬが」


 そりゃ、わからないよね。


「ジャス様はいったいどうされたいでしょうか?」


 元の世界への帰還。

 うーん……日本に戻ってもヤクザか殺し屋か傭兵くらいしか進路がない。

 親父が捕まった直後におわまりさんに「警察官になりたい!」って言ったら「死ねカス! 次見かけたらぶち殺してやる!」って言われたもん!

 だからここは素直に言おう。


「彼女がほしいです!」


 するとおいたんがニヤッと笑った。


「モテたいですかな?」


「モテたいです!」


 あれ……なんで目から水が……。


「そ、そうですか! ならば冒険者になってはいかがでしょう?」


 冒険者……つまり日雇いタ●ミーだろう。

 だが……。


「モテますか?」


「有名になれば」


 よし、俺は決断した。


「冒険者になります!」


 まこちんはとんでもないバカを見るような視線で俺を見てる。


「まこちん……。学校の連中の魔王がどうたらってのも気になるじゃない」


「それもそうか……なにか考えでもあるの?」


「うん。うちの学校、工業高校じゃん。備品に無線があると思うんだよね」


「無線があっても他に使ってる人がいなければ意味ないと思うけど」


「うん、学校じゃなくてももっと昔に来た人とかいるかも。こっちから呼びかけてもいいし」


「なるほど……」


「あと発電機とかフライス盤とか3Dプリンター運び出したい。あと調理器具!」


「待って……ジャスくん使えるの?」


「うん。5歳のころから拳銃作りのバイトしてた!」


 CADで設計してプロッターで図面書きだしてフライス盤で削り出す。

 ライフリングはパキスタン製の手製に工具で作る。

 完成品を卸すとゲーム買ってもらえたのは記憶に新しい。


「待って、弾は?」


「炸薬がねえ。あれは難しいんだよねえ。ま、銃は冗談としても調理家電とかも運び出したいよね」


「ふむ……ダンジョンに入りたいと。でしたら冒険者登録をお勧めします」


「あ、学校ダンジョン扱いなんだ」


「ええ、危険ですからな。冒険者ギルドが管理しております」


「じゃ、まこちん登録するか」


「だね」


「身元引受人は神殿がいたしましょう。ささ、御一緒しましょう」


 うーん、最初から好意的な人たちに保護されてよかった。

 だまされてるかもだけど、それだったらこのタイミングで奴隷商にでも売られるだろう。

 ギルドに到着。

 西部劇の酒場風。


「神殿長の爺さん……なんだその化け物は……」


 モヒカンマッチョが背中丸出しの金太郎シャツの俺を指さした。

 背中のキ●グギドラはいいのよ。

 肩の青いヤツ見られるのが恥ずかしいのよ。いや本気で。


「神竜の使徒様だ」


「お、おう。あの新しいダンジョンから出てきた連中か」


「連中? 他にもいるん?」


「お、おう。『魔王になる』って言ってどこかに行っちまったぞ」


「ごめんね……うちの学校、元の国でも最底辺のバカ学校だったから……」


「あー、孤児を入れる刑務所か」


「だいたいそれ!」


 あのクソ学校に入った時点で親に捨てられたようなものである。


「あははははは……。元気だなボウズ……。それで神殿長、ボウズたちを冒険者にするのか」


「うむ、ダンジョンを探索を望まれておる」


「了解。ギルドカードを発行するぞ」


 ギルドカードが配られる。

 ラノベ展開である。

 これはおっぱいも近いな。

 俺はほくそ笑んだ。


「鼻の下のびてるぞ」


「まこちん……男の子はね。何の脈絡もなくえっちな妄想をするものなの……」


「……」


 ……放置プレイか。

 せ、拙者、そんなものではびくんびくん!


「殴っていいかな?」


「そ、そんな激しいのらめぇ!」


 などとじゃれてると、マッチョが呆れた声を出す。


「ほら行ってこい」


「へーい」


 学校に行くのである。

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