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学園迷宮ヤンキーダンジョン ~魔王になった女子たちが仲間になりたそうにこちらを見てる~  作者: 藤原ゴンザレス


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第十七話 エロスは激怒した

 エロスは激怒した。

 必ず、かの邪智暴虐のボーイッシュ巨乳天使を除かなければならぬと決意した。

 エロスには色気がわからぬ。

 エロスは、埼玉の暴走族である。

 V8エンジンを空ぶかしさせ、警察と遊んで暮して来た。

 けれども乳の大きさに対しては、人一倍に敏感であった。

 きょう未明エロスは神殿で寝ていたジャスを拉致し、近所にある学校にやって来た。

 エロスには夫も、セフレも無い。彼氏の影すら無い。

 エロ漫画の竿役やってそうな地元の怖いパイセンもヤクザもエロスを恐れてる。すでに片っ端から病院送りにしたからだ。

 十五の、背中に竜の入れ墨を入れた童貞ショタと二人きりだ。

 このショタは、すでに同じ学校の三人ものヤンキーギャルをメスに堕としていた。

 その中には竹馬の友である伊予と咲夜の双子もいた。


「男なんていらないですわ! 汚らわしい! ねえ咲夜!」


「まったくですわお姉様!」


 一週間前にそう言ってたのに、いまでは二人はショタの尻と入れ墨をどエロい目で見てた。

 ショタの童貞卒業は間近に迫っていた。

 エロスは、それだけは許せなかった、

 エロスは寝ていたショタを拉致しはるばる学校にやってきた。

 この機を逃しては一生処女ではないか?

 エロスは恐怖に突き動かされたのだ。

 エロスは単純な小娘であった。

 エロスが知ってるのは自動車のことと親から伝授された暗殺拳のことだけだった。

 お互いなんとなくエッチな気分になる方法など微塵も知らなかった。

 エロスはただ、埼玉県東部のショッピングセンターでよく見かける金のネックレスをした女殴りそうな父親、金をかけたカラーリングの髪なのに毛玉だらけのスウェット上下にサンダルの化粧の濃い母親、後ろだけ伸ばした金髪のクソ生意気そうなガキみたいな家族を作りたかっただけだった。

 あー! もう! なんか語るの終わり!

 私、アマモはジャスくんを学校に拉致した。

 アダムさんは「ほどほどにしておくがいい」と言うだけだった。


「アマモたん……なにをするですか?」


 縛られたジャスくんが逃げようともがく。


「セッ●スに決まってんだろうがよおおおおおおおおおおッ!」


 私は宣言した。

 私は不運だった。

 すでにセッ●スしないと出られない部屋は男子カップルが使用済み。

 ジャスくんは面白い生き物を見るような顔をし、巨乳ボーイッシュ天使は、あの憎き天使はメスの貌で勝ち誇るのだ。

 もうヤルしかない。


「全然エロくないよおおおおおおおおおおおおおおおッ!」


 ジャスくんのジャスくんは沈黙してた。

 なでてみたがピクリともしなかった。


「なぜだああああああああああああああああああああああッ!」


「そういうとこじゃあああああああああああああああああッ!」


「あ、あははははは。でも知ってるんだ。男の人ってお尻の穴に指突っ込めば自動的に……」


「それはエロ漫画の歪んだ知識じゃあアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! そんなんで臨戦体勢になるのなら座薬も前立腺検査も臨戦態勢になるはずでしょ! なにか? カンチョーされた小学生はみんな臨戦態勢なのか!? 逆に縮むわ! アホか!」


「な、なんだってえええええええええええええええ!」


 エロス、一世一代の失敗!


「これが孔明の罠?」


「FA●ZAの罠じゃね? BLばかり見てるから間違った知識で頭がいっぱいになってるんだよ!」


「金色ビキニか……あーしに足りないのは金色ビキニか?」


「恥じらいじゃないかな?」


「とにかくだ……保健室行こうぜ」


「ねえアマモたん。人の話聞いて」


 エロスにはなにも聞こえません。

 そういや親父も言ってたな。


「お前なんで偏差値高いのに底辺校しか行けなくなっちゃったの~!」


 ……親父……泣いてたな。

 だってツルペタって言ったやつ全員半殺しにしたらこうなっちゃったんだもん。

 しかたないよ。


「聞いてジャスくん……処女のサキュバスだよ……全人類の男の夢やろが!」


「夢から醒ましちゃったのはアマモたん!」


「もういいもん」


 ジャスくんを引きずって保健室へ。

 ベッドに放り投げて全裸になる。


「逝こうぜV8の彼方によ……」


 そのときだった。


「待てこのバカ!」


 ガシャーンと窓を突き破って宿敵がやって来た。

 ボーイッシュ巨乳天使……属性盛り過ぎなんだよ!


「たしゅけてまこちん!」


「怖かったねジャスくん……もう私が来たから大丈夫!」


「なにヒロインぶってんじゃあアアアアアアアアアアア! ヤンノカコラアアアアアアアアアアア!」


 もう激突は避けられなかった。

 だがそのとき、乱入者が現われる。


「うっほほーい。オラがショタいただくぞ~」


 え?

 坊主頭の全裸の男がジャスくんを連れ去った。

 本当に一瞬だった。


「じょ、女子二人を無視してショタを拉致した……だと!」


「たいへん! ジャスくんの童貞が!」


 しかたない。

 あわててビキニ・アーマーをつけて追う。

 天使が飛び立ったので手につかまる。

 男は尻を見せながらの謎の動きで逃げていく。


「あ、あれは伝説の暗殺拳春日部流……その奥義『ケツだけ歩き』。完全に気配を断ち音もなく目標を仕留めるという……」


 ボーイッシュ巨乳天使がつぶやいた。


「知ってるのか、おっぱい!」


「おっぱい言うな! アマモ! なんか便利な必殺技ないの!?」


「ええい、しかたない! 駄悪留死笛流拳奥義!」


 手を離して落下する。


「王露羅江玖珠級死怨!」


 両手で闘気を練って振り下ろす。

 絶対零度の冷気が地面を凍らせた。


「お、おらの足が!」


 男の足が凍る。


「てめえ、あーしの男を帰せコラァ!」


 そしてもう二人、援軍が来た。


「ようやく追いつきましたわ!」


 全身鎧姿の伊予。


「来ましたわお姉様!」


 そして同じく全身鎧の咲夜。

 ぶち殺してやんよ!

 この変態がアアアアアアアアア!

 そのときだった。

 坊主頭の全裸男がゆらりとした。


「象さん、象さん……」


「気を付けろ! 春日部流の極意は惑わせる動きで翻弄するもの。酔拳と同じだ!」


 ボーイッシュ巨乳天使も降りてきた。

 ショタの童貞は渡さねえ……。

 エロスは再び激怒した。

 まずは邪知暴虐の全裸男を倒さねばならないのだった。

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技名にルビをふって頂けるとありがたいです。
「もしかしてオラ、オラ、てすか?」
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