第十四話 神奈川SEED
全裸男三人を相手にしたらさすがに疲れた。
石だけ取って校門に向かう。
アダムのおっちゃんがいた。
「ふむその二人も覚醒したか」
金色ビキニと銀色ビキニは覚醒なのか。
「二人とも服を着よう、ね」
「なぜでしょうか? 殿方はこういうのがお好きと聞き及んでますが」
「制服の方がえっちだ」
「すぐに着替えますわ」
交渉完了。
二人とも制服に着替えてくれた。
「あーしは着ねえぞ。羽あるし」
「アマモたんのかわいい服見たいな~」
「かわいいか~。もうしかたないなあ!」
よし痴女が一人減った。
正直、学校に一緒に行きたくなかったんだ。
その痴女すぎて……。
俺はまこちんを見る。
「まこちんはそのままでかわいいから!」
「あ、ああ、うん」
まこちんまで痴女になられたら困る。
V字水着になんぞなられたら。
まこちんだけは正気でいて欲しい。
その俺を見て牛丼三人衆が血の涙を流してる。
「に、憎い……憎しみだけで人を殺せれば……」
「あるぞ」
「なんですと! アダム師匠!」
「生け贄を捧げて人を殺す魔法あるぞ」
「教えてクレメンス!」
「まずは一万人ほど殺して……」
「外に出られない俺たちには不可能!」
そのような茶番をしているとアダムのおっさんが南館の方を指さした。
「なにか来るぞ」
それはバイクに乗った集団だった。
そしてその全員が全裸。
「SEEDが来たぞ!」
アマモたんが叫ぶ。
pktn、pktn、pktn。
pktnが乱舞するビジュアルの地獄。
そしてやって来るアメリカンバイクに乗った白V水着のひげ。
「はみ出してますわ! お姉様!」
「はみ出してますわね! 咲夜!」
ナニがはみ出してるのか。
とにかくはみ出した白V字水着だ。
なんということだろうか。
全裸どもよりも通報すべきだと心が叫んでる!
「我ら神奈川SEED! トオル様の命令で貴様らを討伐に参った!」
「ぐ、やつら本気だ。摩郷島警察の白いのを呼び出すときの姿だ!」
同じジャンルの変態であるアマモたんが苦々しいとばかりに言った。
ちょっと待って……。
「待って、あいつら東京でもああだったの!?」
「ぐはははは! 全裸、それは警察を誘い出すためのスパイス! だが通りすがりに動画を投稿される諸刃の刃!」
「へ、変態だああああああああああ!」
まこちんが叫んだ。
うん俺もSAN値の残り少ないよ。
「ヒャッハー!」
バイクが俺たちに襲いかかる。
「ジャスくん!」
「あんぎゃああああああああああああああッ!(死ね)」
そうなのである。
俺が一番あいつらに強いのである。
謎ビームで焼き払っていく。
「ぎゃあああああああああああああッ!」
あちこちでバイクが爆発し、巻き込まれてバイクがコケていく。
「お姉様! パーツですわ!」
「アマモ! あなたならニコイチできますわね!」
要するに使えるパーツ組み合わせて一台組み上げられるかって話。
「できるぞー。中坊のときからそれで稼いでるし」
「バイク寄こせえええええええええええ!」
「お姉様! こちらにレアパーツが!」
「パーツ寄こせええええええええええええええッ!」
もはや追い剥ぎと化した慈恩姉妹が変態どもをシバいていく。
「……電動工具ないと時間かかるけどな」
「まこちん、バイクは?」
「免許持ってない」
「教えてやろうか」
エンジンがついてるもののことなら正しい言葉を紡ぎ出す。
我らがパイセン、アマモたんが頼もしい言葉を口にした。
「アマモ……教えてくれるの」
「おう、最初は原チャでいいだろ? バイク置き場で原チャ手に入れたら教えてやるぞ」
「あ、アマモたんが頼もしい」
「おいおい、これでもパイセンだぞ! 尊敬しろ! そしてジャスくんは生でしろ!」
「アマモたん……本当の事を言うね」
「あ、うん、どうした?」
「アマモたんの下ネタを聞くとジャスくんのジャスくんは応答不能に……」
「……え?」
「アマモたんはエロいと思ってるかもしれないけど……俺にはSEEDのアホどもと同じジャンル……」
「な、なんだってー!」
慈恩姉妹も発言に驚きの声を上げる。
「金色ビキニも……恥ずかしかったのに……」
「銀色ビキニも……恥ずかしかったのに……」
俺は目を逸らす。
「残念ながら……変態にしか見えない」
「な、なんだってー!」
なぜかまこちんまで驚いてた。
いやエロスの衝動がピクリとも起きねえから。
「待って、男の子って全裸運動会とか好きなんでしょ!」
アマモたんが声を上げた。
「それ見る前がクライマックスのヤツ!」
「そ、そんな……バスツアーとか好きと思ってたのに」
まこちんも驚く。
まこちんってところどころムッツリスケベな発言するよね。
「それも見る前がクライマックス!」
「ま、待ってくださいまし! で、では金色ビキニは……」
「あれギャグ枠」
「まさか銀色ビキニも!」
「ギャグ枠」
「なんという恐ろしい罠……」
全員が意気消沈する。
するとバイク隊の奥から何やらやって来る。
マジックミラーのにくいやつだ。
「マジックミラーを笑うもの、マジックミラーに泣く……」
マジックミラーのアレの屋根に乗るのは全裸のおっさん。
夕陽でpktnが光る。
「我が名は摩利雄! SEED特攻隊副隊長!」
「ま、まさかマジックミラーの摩利雄!? 真字狩★絵楠富蝋死怨拳の!」
「し、知りたくもないよアマモたん!」
「真字狩★絵楠富蝋死怨拳。三国志にも登場したと言われる幻の暗殺拳だ。王淩が使い手と言われ……クソ! そういうことか!」
「聞きたくないよアマモたん!」
「くっくっくっく……我が拳法はマジックミラーと一体になることで姿を消すことができる。姿が見えないだろう。これこそ、真字狩★絵楠富蝋死怨拳最終奥義! しるだんゆう……」
「あんんぎゃあああああああああああああああああ!(それ以上言うなバカ)」
上にいたのはわかってる。
ブレスで攻撃。
逃げ遅れた摩利雄にブレスが直撃。
ふう、変態は滅びた。
「おっと、軽トラじゃん。軽トラゲッチュ」
アマモたんが狂喜乱舞し、慈恩姉妹がバイクをかき集める。
摩利雄……別な意味で恐ろしい男だった。
「ジャスくん……ぼくらは変態にならないようにしようね」
「うん!」
変態にだけはならないようにしよう。
背中の入れ墨だけで属性が大混雑なのだ。
これ以上属性を増やしてたまるか!




