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都内某所のカフェにて A子さんへの取材

初めまして。

〇〇市の怖い話を集めているって聞いたので、私の体験談をお話しします。




東京都内某所のカフェで、私は二十代の女性に取材することになった。

先日、この女性から当社編集部宛にメールが届いたのだ。


この女性(A子さん 二十代・女性)の弟さんに関しての話であった。



*


あれは、私が小学校6年生の頃だったと思います。

私の弟は二個下なので、当時は小学校四年生だったはずです。


私たちが住んでいたのは〇〇県の田舎の方でしたので、子供の頃は近くの田んぼとか、川とか、神社の境内で遊んでました。

その神社、何が祀られてるのかは今でも知らないんですけど、毎年夏祭りが開かれてました。


その年も、いつものようにその神社で遊んでたんです。

子供でしたから……ダメですけど、神社の床下に潜り込んだりして、そこに秘密基地を作ってたんです。


その神社、けっこう古くて、床下に入るとところどころ隙間から光が入るんです。

しかも床下なんで少しひんやりしてて、夏になると秘密基地で涼んだりしてました。


けど……

ある日、弟が親と喧嘩して家出しちゃって。


夜になっても帰ってこないから、ご近所の人とか、消防団の人とか、たくさんの大人が弟のことを探しはじめたんです。


それで、よく一緒に遊んでた子達に「居場所に心当たりはないか」って聞くんです。

私もですけど、多分みんな秘密基地だろうなって思ったはずです。


でも、なんだかそれで秘密基地の場所を大人たちに知られるのは嫌だったんです。

だって秘密基地ってバレたら、絶対怒られますもん。


大人たちには「知らない」ってみんな答えました。

それで隙を見て、私と私の一番中良かった子の二人で秘密基地を見に行ったんです。


そしたら、やっぱり弟がいたんです。

秘密基地の奥の方で体育座りをしてました。


……いえ、私たちからは背中しか見えませんでしたけど、その後ろ姿が座っているんだろうなって感じでした。


で、私と仲の良かった子が


「〇〇くん、みんな探してるよ」


って弟に声をかけたんです。


私はその子の横に並んで弟を見てたんですけど、その子の声にピクっって弟の肩が動いたんです。

でも、弟は振り返らないし、返事もしなくて、私頭にきちゃって


「こらっ! なんで無視するの!」


って怒鳴りました。


するとようやく弟が振り向いたんですけど……。



……あっ、すみません。

いえ、大丈夫です。


ちょっと思い出しちゃって、気持ち悪くなっちゃいました。



えっと……。

そう、振り向いたんですけど、弟の口元から血が垂れていたんです。


きゃーって私も友達も叫びました。


そしたら弟がニタって笑って、くちゃくちゃ口を動かしはじめたんです。


もう、本当に怖くて。

友達は、慌てて秘密基地から出てっちゃいました。


私は怖くて動けなかったんです。


そしたら弟が、手に持ってたネズミを食べはじめたんです。


……いえ、あれは間違いなくネズミでした。

尻尾がだらんって垂れてましたもん。



私がまた、きゃーって叫びました。

そしたら弟がもっと床下の奥の方へ、なんかこう……カエルの真似? みたいな感じで逃げていったんです。



次に私が覚えてるのは、家の居間に寝かされてる状態の記憶でした。

どうやら神社の賽銭箱の前で倒れているのを、消防団の人が見つけて、家に連れ帰ったくださったらしいです。


……弟ですか?


見つかりましたよ。

近くの川の土手の草むらの中で、寝てるところを発見されてそうです。



……そうなんです。

じゃあ、私と友達が見たあの「弟」はなんだったんだろうって……。


あっ、そうそう。

秘密基地はもちろん、大人たちに見つかって、後日しっかり怒られました。


友達が、逃げ出した後すぐに、秘密基地のことを大人たちに話したそうです。


私が体験した話は以上です。

ありがとうございました。

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