古より蘇りし死竜①
(どうやって封印が解かれたの.....?それとも、封印自体が限界だった....?)
思考と行動を動かし続ける。
鎌を振る。古竜の攻撃を防ぎ続けなければ、必ず死ぬ。
(それじゃあ約束が果たせない.....!!)
これは半暴走じゃない。完全な暴走。
封印されている間に、明らかに暗黒化が進んでいる。
美しい白の鱗は、一部が黒ずんでいた。
(これはもう古竜じゃない......死を運ぶ竜、死竜!!)
死竜から放たれる一撃一撃が、骨に悲鳴をあげさせる。重いというレベルじゃない。少しでも力を抜けば、文字通り潰される。
(たとえ私が死ぬ気で討伐しようとしても、十中八九無理でしょうね.....)
ほんの一瞬に生まれた隙を逃さず、鎌でその身体を裂こうとしても、あまりにも硬すぎる鱗によって防がれる。この攻防も、いつまで続くか分からない。
死竜が咆哮をあげ、腕を強く振り下ろす
「.......ッ!!!」
1秒、腕の骨が折れたかもしれない。
1秒、足の骨が粉砕したかもしれない。
耐え難い痛みを伴いながら、死竜が放った一撃を全力で振り払う。
しかしー
「ッ!!!?」
体制を立て直せない状況で、死竜は横から攻撃を再び放つ。
(よけ......られない......!!)
死を覚悟した。せめてでもの思いで、目を瞑る。
訪れたのは、身を砕く攻撃...ではなかった。
「名前を知らないからさ...魔女!はやく離れろ!!」
「君は....!」
前に家を訪れた青年が、細い剣1本で死竜の攻撃を防いでいた。
全力で森の奥へ走る。痛みなど忘れて。
ただ、ひたすらに。
今は安全だと思える場所まで走り、そして倒れ込む。
己に治癒魔術を施しながら、水鏡で戦いを見守る。
(絶対に......負けないで........!)
「アレアト!右腕を頼む!」
「了解した...!」
離散し、全方向から攻撃を仕掛ける。
1箇所に集中していても、すぐに撃破されてしまう。
「崩れろ.....ッ!」
風を纏った剣を振るい、死竜の右腕を叩き切る。
死竜の体制が崩れた瞬間ー
「はッ......!!」
すかさず左腕を吹き飛ばす。
体の支えの半分を失った死竜は、前へと倒れ込む。
「今だ、ネモ!!!!」
後ろから風の速さでネモが突撃、死竜の体をまっぷたつにするために、大剣を構える。
「くらえ....!!」
そして、剣を振り上げる。
暴風と轟音が鳴り響く。土煙が晴れた瞬間、見えた光景はー
「な........ッ!!??」
切り離したはずの両腕で、大剣を受け止める死竜。
けたたましい咆哮と共に、腕を振り払う。
吹っ飛ばされたネモは木を複数折ったあと、身体が地へ落ちた。
「大丈夫....か....?!」
頭から、血が溢れている。
駆けつけようと足を踏ん張った瞬間、不意に嫌な予感が身体中を駆け巡る。
「カタルシス、後ろだ!!!」
「ッ.....!!」
間一髪、身を屈めることで振り払われた死竜の腕を回避する。
(目の前の敵を討伐することだけをかんがえろ......!)
再び、剣を構える。
地を振動させる咆哮を上げ、死竜は己を殺さんとする者たちを目に焼きつける。
「絶対に、俺達はお前を討伐する」




