次の街へ.....?
「それで、帰ってきたってわけね?」
事の一部始終をクレフィは頬ずえをつきながら聞いていた。
「俺たちは少なくとも、力が欲しくて依頼を受けた訳じゃない。それに、自分たちの力が相手とどれだけわたりあえるか知らない訳でもない」
「でも、アタシはちょっと気になるね。勇者の力を与えよう.....なんて言って、本当に与えてくれるのかって」
「姉さん.....」
クレフィの好奇心に対して、アレアトは溜息を零した。
「またあの魔女は他の冒険者を呼ぶのかしらね?私としてはもう慎んでほしいけれど」
「きっと、呼ぶだろうねぇ。なんたって強欲の魔女なんでしょ?」
「自分でそう言ってたからな.....」
見過ごせないことではある。
だがこの問題を解決する力を、俺たちは持っていない。
「そう、それと姉さん。明日にはこの家を出るよ」
「えぇ?!まだ1ヶ月経ったか経ってないくらいなのに?!もうすこし泊まってきなよ.....」
「いや、オレたちにもまだ続けるべきことがあるからね。また、そのうち帰ってくるよ」
「そっかぁ...でも、我らの大事な弟がそういうなら、見届けるよ」
「なんか....逝くみたいな状況になってないかい...?」
むむむ、とした顔で返す。
本当にアレアトの家族は、家族思いなのが伝わってくる。
「それじゃ、ちゃんと休むんだよ?お腹が空いたら降りてきてもいいからね」
そういい、クレフィは自分の部屋へと戻っていった。
「それじゃ、また明日」
「ええ、寝坊しないようにね」
朝、アレアトの家族に見送られながら首都を出た。
外れにある森の中を歩きながら、首都を出る前に手に取った紙を取り出す。
「『4年に1度のクルク武闘会開催』だって。行ってみないか?」
「たしか、「戦士の街」クルクで行われる武闘会だったね。オレも興味があるよ」
「私も、4年に1度だもの。おおきなお祭りのようなものなのでしょうね」
「僕も.....行ってみたい」
「それじゃあ、クルクへ向かおうか。少し旅路を戻る感じになるけれど、いいかい?」
「気にしてないよ、そんなこと」
アレアトはコンパスを取り出し、目的地をクルクへと設定する。すると針が回転し、街の方向を刺す。
「こっちみたいだね」
「それじゃあしゅっぱーーつ!」
首都をたってから1週間ほど経った。
どうやら目的地まで半分の所までやってきたようだ。
「少し休憩しないか...?」
「さんせーい。ずっと歩き続けてるから、流石に疲れたわ」
「それなら、休もうか。近くに川があるみたいだし、足を冷やしてきてもいいかもね」
それを聞いたアレーティアは一目散に水の流れる音がする方へ走っていった。
「休憩の為の体力は残っていたようだね」
少し後、満足そうな表情をして帰ってきた。
「さて、それじゃあ進もうか」
全員が立ち上がり、歩き始めようとしたその時ー
「に、逃げろぉぉぉぉぉ!!」
と叫びながら、無我夢中で走ってくる人の姿を捉える。
「な、何があったんだ?魔物か?」
「そんなもんじゃない!!!!お前たちも逃げろ!死ぬぞ!!!!」
焦ったまま、早口で叫ぶ。
それだけで、ただ事じゃないことが分かる。
続け様に、人は叫ぶ。
「古竜だ!!古竜が蘇ったんだ!!!魔物を連れながら、近くの村を潰してまわってる!!!!!」
『........は?』




