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もう一度、魔王を討つまで  作者: 空崎恵
古より蘇りし死竜
20/25

依頼掲示板

トロイアには、依頼掲示板というものがある。

そこには迷子探しや討伐依頼、運送保護などのような一般的な依頼が貼られている。

ここに訪れた依頼人が、住所と依頼を書いた紙を貼っていくスタイルである。

そして、見かけた冒険者などが引き受けていく。


「今日の依頼は......家出した鳩の捜索......」


なんと絶望的な依頼だ。

犬や猫ならまだマシだった。よりにもよって自由に空を飛んでいく鳥とは.....。


(.....アレーティアの所にもっていくか)


彼女なら何とかできるだろうか。




「特徴を言いなさい、魔術で探してみるわ」


「えっと...白い羽根に赤い首輪、手で胴体を包めるくらいの大きさって書いてある」


「なるほどね、そこまで絞れるなら何とかなるんじゃないかしら」


さすが我らが魔術師のアレーティアである。

これなら、この依頼は完遂出来そうだ。


「見えたわ、郊外に生えている大木に居る。拘束魔術をかけておくから、行ってきて」


「りょうかい〜。ありがとね」


とりあえず剣と小さめの鳥籠を持って向かう。

大木ってことは、すぐに見つかるか?

そう考えながら走る。拘束魔術がかけられているとはいえ、その間に魔物に喰われたりとかしたら元も子もない。


「うーん。この大木か?」


周りの木々より巨大な木を見上げる。

葉に隠れているかもしれない。しっかりと探すと―


「お、あれかな?」


置物のように動かない鳩がいる。

真っ白な羽根に赤い首輪、間違いない。

身長に木に登り、優しく捕まえ鳥籠に入れる。

アレーティアもそれを魔術で見ていたのか、籠に入れた瞬間に、鳩にかけられていた拘束魔術が解かれた。


「さ、飼い主の元へかえろっか」


夕焼けに染まりつつある空を眺めながら、トロイアへ帰る。依頼主の家は城門に近いから、すぐに届けられるだろう。




「本当に、ありがとうございます。もう会えないことを覚悟していたほどに絶望的だったので.....」


「見つかってよかったです。次からは気をつけてください」


「ええ、本当にありがとう」


依頼主から報酬を受け取り、(アレアトの)家へ帰る。

今日の晩御飯はどんなものなんだろう...?

そんな事を考えながら。




「ただいま〜」


俺が帰った頃には、3人もリビングへ集まっていた。

どうやら他の依頼も完遂できたようだ。


「おかえり、お疲れ様」


「大変だったよ〜。アレーティア、ありがとな」


「あれくらい、私にはお安い御用よ」


ドヤ、と誇らしげな顔のアレーティア。

それを微笑ましく、遠くからクレイアが見つめていた。姉みたいだな....。


「そういえば、アレアトが不思議な依頼を見つけたって言ってたわよ」


「不思議な依頼?」


どんな依頼なんだ...?

ある日に雨を降らせてほしいとか、月が欲しいとか、そんな無茶ぶりなのだろうか...?


「少し気になってね。これなんだ」


そういい差し出したのは、年季の入った古い紙。

そこに、依頼内容と住所が書かれている。


『古竜の心臓が欲しい』


.....はい?


「なによ....この依頼.......」


「古竜の...心臓...?」


「ほらね、不思議な依頼だろう?」


そんな自慢するように言うことではないような気がするが...それにしても無茶ぶりが過ぎるのではないだろうか。


「古竜って.....とうの昔に滅んでいるわよ.....それなのに、その心臓がほしいって.....依頼主の顔が見てみたいものね」


ちょっと不機嫌モードのアレーティア。

ネモも少し引いている。


「ちなみに、住所は?」


「鍜治の里に近い村だね...」


「どうするの....?この依頼......」


「とりあえず、話を聞いてみたいな。だって、こんな面白い依頼にはもう巡り会えないかもしれないからね」


「そんな....軽く......」


「まぁ、いいじゃない。話を聞くくらいはね。明日にでも向かいましょ」


「そうなるかぁ〜」


しばらくして、どこからか美味しそうな香りが漂ってきた。とりあえず、晩御飯を食べてからもう少し考えてみることにしよう。

ちなみに古竜は、魔王が返り討ちにしたものが最後の種でした。

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