アルバイトを完遂せよ-41
・逃げ惑う子供たち。そんな子供たちは次々に倒れていった。魔術師が笑いながら撃ち殺していったのだ。
「魔術師は、笑いながら言ったんだぞ。“子供は魔術の練習にちょうどいい。弱い魔術でも、一発で死ぬからな”ってな」
神官戦士はバルナスの顔をにらみつけている。
「練習と言ったんだぞ! 自分の魔術の練習のために、子供を殺すようなヤツは、邪悪ではないのかっ?! 逃げ切ったら殺さないでおいてやるなんて言いながら、笑いながら撃ち殺したっ!」
バルナスは無言で先を促した。
「目の前で近所の子供たちが殺されていく中、私は何も出来ずに震えていた」
神官戦士は慟哭していた。
「何人もの子供たちが殺されていくのを見ているうちに、私は恐怖で失神してしまった。気が付くと……」
神官戦士は大きく息をついた。
「盗賊は居なくなっていた。村は……壊滅だ。生き残った数人の子供たちと逃げるように村をあとにし、近くの街に逃げ込んだ」
「確かに、邪悪な魔術師に出くわしてしまったようですが、魔術師全てが邪悪だと断じるには、根拠が薄いのでは?」
バルナスは冷静にたずねた。
「生き残った私は、冒険者になった。冒険者になってから、数人の魔術師に出会ったが、全員、邪悪な意思をもっていた」
神官戦士は少し冷静になったようだ。
「私は、魔術そのものが邪悪だと考える。邪悪なればこそ、古代王国は滅びたのだ」
神官戦士はバルナスをにらみながら、こう言って締めくくった。
「古代王国が滅びたのは、邪悪を滅する神の御意思だ。我が神ヴェリスラーの大いなる御意思なのだ!」
バルナスは肩をすくめた。レイブンとガロンに指示を出し、神官戦士の口にマントの切れ端を押し込ませた。
「貴方がたの主張はわかりました。極論ではありますが、この国の魔術師嫌いをよく現した主張だと思います」
バルナスはためいきをついた。
「しかし、黙って殺されるのワケにもいきませんからね。降り掛かる火の粉は払いのけますよ」
バルナスは冷笑を浮かべ、こう言った。
「僕に手を出そうとしたことを後悔しながら、苦しんでもらいましょう」
「指示をくれ」
レイブンの問いにバルナスは答えた。
「薪を彼らの股間に置いてください。全身に油をかけ、ロープで導火線をつくり、火を点けます。迫り来る炎に怯えながら、自分のしたことを後悔してもらいます」
「火あぶりか? 薪が全然たりないぞ?」
レイブンが疑問をぶつけた。
「それは承知しています。簡単に殺してしまっては、面白くありませんからね。徹底的に苦しんでもらいます」
「全身火傷ぐらいじゃ、生き残っちまうぞ? 神官もいるんだし」




